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116話

「外は暑いけど、コウ様の家は涼しいですねぇ」

「文明の利器パワーですから」


さらに気温も高まるここ数日。

ついに我が家でもクーラーを解禁した。

その結果、精霊達とキイナさんが俺の家でゆったりする時間が増えた。

外暑いし。俺もあんまり出たくない。


それは村の人たちも同じようで、出来る限り朝早くか、日が落ちてから活動することが増えているようだ。

日が高いうちは、出来るだけ室内で出来ることを言う感じ。


「でも、これだと毎年大変そうですね」

「そうですねぇ。でも普段はここまでじゃないはずなんですけど」

「いつもより暑いんですか?」

「そうですね。フェーンがこんなになってるの始めてみました」

「」(アチー

「溶けてんなぁ」


でもノーツもこんな感じでクロウに乗ってたな。

クロウは冷却装置つけたから冷たくていいんだとか。


「おかげで冷茶が進んで進んで・・・」

「キイナさんはもっと涼しい時から飲んでましたよね」


冷蔵庫が活躍しまくってるよ。


「あ、今日のお夕飯はあの冷たい麺でもいいですか?」

「素麺ですか?全然いいですよ」

「いいですよねー素麺。簡単で美味しくてアレンジもしやすくて」

「よくそんな色々出てきますね」

「そうですか?元がシンプルな物なので色々試しやすいと思うんですけど」


俺達は素麺は麺つゆにつけて食べるものってイメージが先行しすぎてるんだろうな。

だからアレンジしたくてもなかなか出来ないと。

勿論だけど素麺もゲーム内にあったものだ。夏限定だったけど。


キイナさんと喋りつつ、テーブルの上で丸くなってるましろを軽くつつきながら時間が過ぎる。

そうしていると、何やら久しぶりな魔力を感じた。ダイジュナだ。


「あ。帰ってきた」

「みたいですね。多分・・・」

『ええい!?この季節に纏わりつくな暑いだろう!!』

「・・・いつも通りだ」

「いつも通りですね」


相変わらずの人気である。













「はぁ・・・はぁ・・・助かった」

「お疲れ」

「冷茶お飲みになりますか?」

「いただこう」


何とかエルフの群れからダイジュナを救出。

というか別の物で興味を引いているうちに家に来てもらっただけなんだが。


キイナさんが淹れた冷茶をダイジュナ用の皿でぐびぐび飲んでいる。


「・・・ふぅ。ようやく人心地ついた」

「精霊でもこの暑さはやばいんだな」

「ああ。特に今年はな」

「キイナさんも言ってたけど、今年はそんなに暑いのか?」

「暑い。理由も分かっている」

「あらま。どうにか出来そうなのか?」

「・・・まぁ無理だな」

「じゃあ自然現象か。ドンマイ」


俺はクーラーあるし、ランナーの体はこの程度の気温ならどうにかなるしな。

基地にいるフィアたちはもっと快適だろうな。

あちらはやろうと思えば冷房の効いた空間だけで移動出来るから。

実際フィアからはかなり過ごしやすいと聞いている。アルカナも驚いていたと。

アカリ?あいつは慣れたもんだろうよ。


それにしても、ダイジュナ達は気温が上がる理由も分かるのか。

精霊ってのは本当に便利だなぁ


「いや、そういうわけではないのだ」

「・・・ん?」

「気温が高いのは、自然現象ではない」

「・・・はぁ?」


なんだ。またおもしr・・・厄介事か?


ダイジュナの顔を見ればなんとなく分かる。

めっちゃ苦虫を嚙み潰したような顔してるし。


「何かあったのか?」

「はぁ・・・実はな?本当はもう少し戻ってくるのが遅くなるはずだったのだ」

「ほう」

「早く戻ってきたのは、お前だよコウ」

「俺?」

「ああ。お前をある国に連れて行きたくてな」

「・・・えーこのタイミングかぁ。時間掛かる系?」

「お前次第だな。だが何かあるのか?」

「ああちょっとな。海沿いの国に思いっきり被害が出るかもしれないけどちょっと気にくわないから全部潰す的な?」

「何があったらそうなる?」


ここで、ダイジュナにアカリ達の説明。

俺と同じ世界から来たこと。彼女達の旅の目的が、モルトン王国の儀式を止めることであるということ。

リアに確認を取った結果、俺がその気になったことも。


そこまで説明すると、ダイジュナも思い当たることがあるようで。


「あー・・・あれか」

「まぁ知ってるか」

「うむ。手を出さない理由は聞いたか?」

「リアのと一緒なら聞いてる」

「なら説明はいらんな。我らは手を出す気はない。好きにしていいぞ」

「リアの時も思ったが、随分とあれだな」

「薄情か?」

「まぁ言い方考えなければそうなる」

「それもまぁそうだろうな。だが事情を知ればこうもなる」

「はい?」

「・・・リアは言っておらんようだな」

「何がだ?」

「・・・あのー」

「うむ?」

「はい?」

「これ、私聞いていい話でした?」

「・・・まぁ問題ない?」

「お主がいれば何も問題は無いわ」


ちょっと居心地悪そうにキイナさんが聞いてくるが、問題はないらしい。


「んで?事情って何?」

「聞いても国を亡ぼしたりせんか?」

「場合による」

「それは教えられんな!?」


やると決めたので、場合によってはすべてを滅ぼす覚悟で行きますはいい。


「まぁあれだ。知らんでも解決には何の支障もないからな」

「ふーん」


気にはなるがまぁこの辺にしておいてやるか。


「あ、後そのアルカナから聞いた中に奴隷云々の話もあったんだけど。別の国だけど」

「・・・あまり、派手には」

「場合による」

「リアには言っているのか?」

「まぁそらな」

「なら我からは特に言うことはないな。あまり派手にやるなとは言いたいが」


これに関してはまぁ無理だろう。

キイナさん達を狙った相手だ。手加減するなという方が難しい。

現時点でどうのようにするかは正確には決めてないが・・・最悪の場合だけは決めているのだ。


「その最悪だとどうなる」

「国一つ潰す」

「おや?これは我が先に伝えて潰させた方が良いのでは・・・?」


多分人の住めない土地になると思うけどな。


「てか。お前が俺を呼びに来た理由って何」

「ん?ああそうだった。そちらが本命だった」


思い出したかの様にハッとするダイジュナ。

一体どんな話なのか。


「単純に言おう。この高気温の原因を討伐してもらいたい」

「良いぞ。相手は?」

「・・・分かってたがあっさり承諾するな」

「だろうとは思ってたからな」


大体俺に頼るってことはそういうことだろうと思っている。

封国の大地再生に関しては、俺が困っていたから提案してもらったが、偶々役に立てただけだ。

あれだけなら、時間を掛けていい状態ならダイジュナだけでも出来た。


だから俺を頼る状況となると、戦いのことになるというわけだ。

バイオティラノという、ダイジュナ達が倒すことが出来なかった怪物を倒した相手に頼るなんてそんなものだろう。


「そんなことはどうでもよくてな。相手は?」

「あ、ああ。討伐してほしいのは、炎の悪魔と呼ばれている存在だ」

「・・・この世界悪魔っているの?」

「そう呼ばれているだけでただの魔物だ。実際の悪魔ではないよ」

「ああ。悪魔いるのね」


それはそれで驚きの情報なんだが。


「お前らが倒さない理由は?勝てないから?」

「いや。勝とうと思えば勝てる。バイオティラノの様な存在ではないからな」

「じゃあ何が問題なんだ?」

「・・・場所だ」

「場所?」

「その魔物がいる場所は『フレークス火山』と呼ばれている大きな活火山だ」

「フレークス火山!?」

「ん?キイナさんご存じ?」

「こ、この世界の人なら誰でも知ってる場所です!」

「ほぉ?」

「ひとたび足を踏み入れれば、帰ってくることは出来ないと言われてる場所なんです」

「この世の地獄とも呼ばれている場所でな。実際人はほとんど近寄らん」


だが多くの資源が眠る場所でもあるらしく、稀にだが人間が足を踏み入れることもあるらしい。

勿論そういった人はまともな人間ではない。

そこで一攫千金を狙わないと後がないような人間が来る場所なのだ。


「そんなところが、お前らにとっては都合が悪いと」

「悪い。とんでもなく悪い」

「実際何が悪いんだ?」

「あの場所は地脈・・・星の魔力の流れが集まる場所なのだ」

「ほう」

「そこで我らが魔力を使うとその流れに影響を与えかねんのだ」

「あーそう言う感じね」


それはまぁどうしようもないな。本気を出すどころかそもそも戦えない状態だ。

でもそれは相手も同じだと思うんだけどそこのところはどうなんだ?


「相手はその場所で地脈の魔力を長いこと吸ってるからな。あちらの魔力では問題ないのだ」

「なんだそら」

「性質が同じだから、影響を与えにくいのだ」

「はぁ。だから魔力を使って戦わない俺か」

「そういうことだ」

「まぁ事情は把握したわ。それで?実際の敵はどういう生物なのよ」

「ドラゴンだ」

「・・・はい?」

「だからドラゴンだ。リアと同じだ」

「・・・倒していいのかそれ」

「何にも問題はない。むしろ倒したらリアも喜ぶだろうよ」

「どんな同族なんだそれ・・・」


そこまで嫌われてる同族って逆に気になるわ。

だが事情を聴くと、それも納得の理由があった。


「まず、現在人間を襲うような危険なドラゴンはすべてそれの眷属と言う扱いになる」

「・・・はぁ!?」

「やつの目的は、自分が竜の中で最も強い存在になること・・・ここまで言えば分かるな?」

「あー。倒したいのはリアってことか」


それで昔からちょっかいを受けてとんでもなく嫌っていると。それは納得だわ。

更に、そのドラゴンは人と竜が共にあるのを認めないタイプらしい。

それも相まって、かなり前にリア達に力を大きく削がれた上で封印されていたらしい。


「地脈の場所に封印した理由は?」

「やつの魔力を削ぐのに必要だったのだ。逆に利用されているなど想像もしてなかったがな」

「あ、そういう感じね」


間抜けな話だと思うが、一応仕方なかったらしい。

本来そういった封印はアルが得意な分野だった。

だが既に当時はバイオティラノの封印を行っていたため、アルはそちらには関われない状態にあった。

そこで、自分達でも封印が出来るようにと利用できる環境を選んで封印を行ったそうだ。


「まぁそのせいでやつは力を取り戻してしまったようだが」

「本末転倒だな」

「全くだな!それに我らでは倒せなくなったわけだしな!!!」

「自慢げに言うことかそれ」

「・・・違うなぁ。はぁ・・・本当にすまんなぁ。これは想定してしかるべきことだった」


完全にあちらのミスの尻拭いと言った感じなのか。

妙にダイジュナが頼みにくそうにしてたのはそれが原因かな。

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