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113話

「おう。どうだった久しぶりのBMWの基地は」

「・・・快適」

「その様子ならそうだろうな」


一通り機体改造に必要な計画を考えてアカリ達の元へ。

場所はリラックスルーム・・・要するに、温泉施設だ。


フィアが呼ばれたのはここを使いたかったからみたいだ。


「でもここって自由にしてたよな」

「ちょうど清掃の途中でしたので」

「ああなるほど」


モルナ達の力も借りて一気に終わらせたようだ。


ちょうど堪能し終えたようでアカリが浴衣に着替えてマッサージチェアに座っている。


「つーかお前らシャワー浴びたばっかりだろ」

「関係ない」

「温泉は~・・・いつでもー・・・入り・・・zzz」

「途中で寝るな」


その隣にはモルナがいるがモルナは寝そうって言うね。どんだけ堪能したんだか。


「アルカナは?」

「まだ入ってる」

「お気に召したようでして、今はサウナに」

「へぇ。フィアも入って来ていいぞ」

「あ、いえ私は・・・」

「フィアは大きいお風呂すきじゃないんだー」

「え?そうなのか?」

「何と言いますか・・・あまり落ち着かなくて」

「むむ」


それはいかん・・・というか、リラックスルームの意味ないな。

もちろん全員の各部屋には小さいけどお風呂はある。

希望者はシャワーだけの部屋になっている。確かフィアはシャワーだけだったか。

そうなると湯船に使って疲れを癒すことが出来ないわけだ。これは誠にいかん。


「お前の部屋に風呂付けるか?」

「結構です」

「あらま」

「お風呂嫌い?」

「・・・あまり得意では」

「別に水苦手とかはなかったよな」


まぁ偶にはいるか、そういう人も。

それはそれとして別の物は考えないといけないかなぁとは思う。

フィアと相談しながら決めるか。


「ふぅ・・・」

「お、出てきたな」

「おや?待たせてしまったのかな?」

「いんや。そもそも俺が来るって言ってないしな」

「気にしない」

「お前は気にしろ?」

「あははは。本当に君らは仲いいね」

「付き合いは長い」

「そうだなぁ」


何だかんだいって・・・5年くらいか?ゲームの知り合いと考えると長い方だろう。

出会いは確か、サービス開始して初めてのイベントの時だったか。

ランダムでランナー4人で小隊を組み、拠点の防衛を行うってイベントだった。

ウェーブ制で、成功回数に応じて報酬が豪華になるタイプのやつだった。


アカリの組んだのは3回目の挑戦の時。

その時はまだお互いに機体もパッとはしなかったが、やりたいことは大体決まってたくらいだ。

なので俺が前、アカリが後ろで二方向を守っていた。

まぁ結局その時組んでた残りの二人が素人であっけなく負けたんだが。


「その後どうしたんだっけか」

「偶々近くにいたから私から話しかけた」

「ああ。そういやそうだったな」

「アカリから話かけたのかい?」

「そんな印象ない?」

「なかったね。てっきりあなたからかと」

「思ってたよりアグレッシブだぞこいつは」


俺に話かけてきたのも、その時のイベントの報酬がアカリにとって魅力的だったからだしな。

だから一度組んで大体の実力を把握し、信頼できると思われたってわけだ。


「囮に優秀」

「・・・まぁお前と組むとそうなるな」

「うんうん。私も覚えがあるな」

「お。何となく分かってたけど、アルカナも前に出るタイプか」

「これでも一応、騎士だからね」

「女性騎士ですか?珍しいですね」

「そうなのか?」

「はい。いないわけではありませんが」

「私の国ではそうでもないんだ」

「何でだ?」

「男は海にでるって考えがあるからかな。騎士団や魔法師団だと女性が多いんだ」

「へぇー」


めっちゃ意外だ。

この世界の文化レベルの基準が、魔法はあれど中世ヨーロッパレベルなのは既に判明している。

だから女性の社会進出ってのは全然無い話だと思ってた。


「モルトン王国ならでは、というお話でしょう」

「竜国ではどうだ?」

「・・・通常の騎士という点では、男性が殆どでございました」

「通常?」

「竜騎士のことかな?」

「はい」

「すまんフィア。竜騎士って何だ」

「おや?リア様からお伺いになっていないのですか?」

「聞いてないな」


格好良さそうな名前じゃないか。

何となく内容も分かるけど。ちゃんと聞いておきたい物だ。


「それでは、僭越ながらご説明させていただきます」

「わーい」


その辺にある椅子に全員座ってフィアの話を聞く体勢になる。

キイナさんがいないが、ちょっとした講義みたいになってる。


「まず、竜国では主に三つの騎士団が存在します」

「ほうほう」

「通常の騎士で構成された陸戦騎士団。

 友として竜に見初められた者達で構成される空戦騎士団

 そして魔法を用いて戦う魔戦騎士団の三つでございます」

「あーなるほど。今ので女性が多い理由は分かったかも」

「竜は女好き・・・?」

「そうじゃないだろ」


単純に男女で偏りが出ないんだろう。

竜ごとで好みの差はあるだろうが、どちらかの性別に偏ることはまぁないだろう。


「戦い方は確か、竜を駆り空を征する・・・だったかな?」

「その通りでございます。アルカナ様」


馬の代わりに竜に乗り、高速で戦場の上を荒らすってわけだ。

戦争において、上を取ることの重要性は俺もちゃんと理解している。

ゲームの中でも、上を取ることってのは戦況を有利にするしな。


「武器は?」

「主に竜槍と呼ばれる竜騎士のためだけに作られた武器を用いております」

「それは・・・すげぇな」

「個人ごとに合せている?」

「うん。うちじゃ考えられないな」


この世界の武器は、基本的に大量生産品だ。

鍛冶師が一本一本打っているのだが、規格は基本一緒だし、使われている素材もそこまで貴重な物も無い。

だから質は大したことない。本当に最低限のラインを超えていればいいって感じだ。


だが竜国の竜騎士は違う。

彼らの用いる武具はすべてがオーダーメイド。

各個人に合せた物を用意される。

これにはアルカナも、モルトン王国の内情を知っているアカリも驚いたようだ。


「随分ひいきされてる」

「そうだな。それでは他の騎士団から批判が来るんじゃないかい?」

「いえ。そういった話は特には」

「それは・・・またどうして」

「その時代にもよりますが、竜騎士は多くても20以上にはならないのです」


なるほど。数が少ないからこそ武具をきちんと用意出来るわけだ。

ストレングスギアでもそうだが、自分が使う物はちゃんと自分に合った物が一番いいのは当然だしな。


「でも何だってそんなに数が少ないんだ?」

「それこそ、竜に認められる人間が少ないから・・・じゃないかな」

「ご名答。アルカナ様の言う通りでございます」

「あ、割と普通の理由だったな」


そもそも竜に認められるにはどうしたらよいか。

竜という種族は、非常に自分の力に誇りを持っている。

これはどの竜も例外ではない。竜騎士と共に在る竜も当然そうだ。

だから認められるために必要なのは単純明快・・・竜を認めさせる程の実力があればいい。


「うーむ・・・難しいな」

「そうか?」

「そう?」

「・・・あれだ。二人でも生身で戦うのは厳しいだろう?」

「相手による」

「空飛ばないなら何とかなるぞ」

「・・・どうなってるんだい君らの体は?」


ランナー特有の特殊な体だよちくしょう。


だがこの世界で言えば、ドラゴンは恐怖の代名詞。

村長も確かそんなこと言ってたしな。まず普通の人間が勝てるものではないのだろう。

それに勝つとなると・・・まぁ難しいのは俺でも分かる。


「いえ。勝つ必要はありません」

「あ、そうなん?」

「厳密にいうなら、認められれば良いのです。それが実力でなくとも」

「なるほど。あくまでも大事なのは認められることだと」

「じゃあフィアは竜騎士にもなれるのか」

「・・・え」

「ん?」

「・・・フィアさん、強い?」

「強いぞ。この世界では普通に上位に入ると思う」

「見えない」

「アカリ。この人は魔族の人だよ。前に話しただろう?」

「・・・魔法が得意な人」

「そこだけかい!?」


相変わらずの微妙な記憶力に俺も脱力。


「私は竜に認められているわけではないのですが・・・」

「は?リアはお前のことべた褒めしてたぞ」


リアという超強力なドラゴンが褒めてるんだから、大抵の竜は認めそうな物だが。


「いえ。それはないかと」

「何でだ?」

「私は竜のハーフですので」

「・・・あ、そういうこと?」

「はい。半分とはいえ、元から同族を認めるというのはおかしな話かと」


そら確かに変だわ。なるほどそう考えるとフィアは竜騎士ではないな。


「まぁ竜国には親子で竜騎士をしている方がいるのですが」

「なんだそれ」

「今の空戦騎士団の副団長の方なのですが・・・自分の母親相手に一人で戦い、勝利しております」

「ま、まさか『シックザール子爵』かい」

「誰」

「最も有名な竜騎士の方だ。その実力はかつての英雄たちと遜色ないとか」

「まぁドラゴン相手にタイマンで勝てるならその評価もおかしくないな」


母親相手とは言え、ドラゴンなら手加減とはしないだろう。

それに子爵ね・・・


「リアみたいに貴族なのか」

「いえ。ガルダン様が貴族なのではありません」

「じゃあ相手の方か」

「はい。現シックザール子爵が家督を継ぐまでは最強の呼び名が高い騎士でございました」

「確か、数年前に病死したと噂には聞いていたが」

「はい・・・亡くなられた際には、多くの民がその死を悼みました」


うーむ・・・めっちゃドラマチックな話だ


「アニメみたい」

「この世界に来ておいてそれを言うのか」

「・・・そうだった」


相変わらずこいつはどこか抜けてるなぁ・・・

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