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108話

「んで。こっちが二人の世話って程じゃないが、基地で生活する手伝いをしてくれるフィアだ」

「フィアと申します。よろしくお願いいたします」

「よろしく」

「ま、魔人族の方だ・・・よ、よろしくお願いします!」

「アルカナは魔人族に会ったことは?」

「あ、あるわけない・・・じゃないですか」

「普通に喋っていいぞ?」


まぁ割と普通に戻ってはいるか。今はこれでいいだろう。


キイナさんの誤解も解いて、フィアが到着したので二人と顔合わせ。

二人にどこに住むって話を聞いたら、アルカナはどこでもよくて、アカリは基地が良いらしい。

なので二人はフィアと一緒に基地に住むことになった。


「どこ?」

「山の方だな」

「・・・まだどこの国も手を出せない場所だったと思うんだが」

「らしいな」


そこら辺の話はフィアから聞いてる。

そもそもこの森自体、エルフ達が住んでいることすら知らない人が殆どらしい。

知っている人間も、ダイジュナという精霊の中でもトップクラスの存在が良く来ることを知っているので手を出さない。


二度来た賊連中は、ダイジュナの事は知らないらしい。

そう言う面でも、あの賊連中は終わっているのかもな。

何せこの森を襲おうとしていることはリアも知らなかったらしいし。

知られてしまったら・・・お終いなわけだ。

まぁリアが何かする前に俺が終わらせるんだが・・・


「凶暴な魔獣がいるという噂が・・・」

「俺がやってるから何も来ないな。だろフィア」

「はい。私が来てからは一度の襲撃もございません」

「・・・アカリの知り合いだからある程度は分かっていたが、予想以上だな」

「む」

「まぁアカリの機体がマシなら勝てるだろうな」


なんて名前だっけかあの岩の虫。

死体は全部研究用で使っちゃったから残ってないんだよなぁ。


「変な材質だったからもう一体くらい出てきてほしいけど」

「強い?」

「雑魚だな。ヤマトだったんだが馬力で押し切れた」

「・・・ヤマトに勝てるのが少ない」


まぁ力だけならそうだな。


「んじゃ早速移動するけど、準備は出来てるか?」

「あまり荷物もない」

「精々自分達の装備だけかな」

「OKOK」


フィアに持ってきてもらった下着だが、気を利かせてくれてシャツ何かも持ってきてくれた。

俺から話を聞いた後に用意してくれたらしい。


なので今二人は割と小綺麗な格好をしている。

まぁ今までが汚い・・・くたびれた格好だっただけなんだが。


移動は『紅月』のこともあるのでサーベスだ。

フィアが乗ってきたやつはストレングスギアを一機しか搭載出来ないから、俺の機体を積むと持って行けなくなる。

まぁ危険はないとは思うが、念のためにな。


「・・・相変わらず大きい」

「こんな物もあるとは。これが飛ぶのかい?」

「飛ぶ」

「信じられないな・・・」

「ん?アカリの『紅月』だって少しは飛べるだろう」

「そうなのかい?」

「比べる?」

「まぁ規格が違うか」


それに『紅月』は飛ぶってか浮遊だからな。

狙撃に高度が必要な場合に跳べるようにしてあるのだ。


サーベスに乗り込んでから、アルカナはこんな感じで驚きっぱなしだ。

やっぱりこの世界の人間には刺激的な乗り物だよな。

何せ馬車くらいしかない世界なわけだし。空飛ぶ乗り物何て・・・それこそ竜国で竜に乗るくらいか?


アカリは逆というか、こいつの場合は懐かしい感じだな。

ゲームの時もチームを組んで戦う時は俺のサーベスが移動手段になることが多かったし。

・・・あいつらが移動拠点持ってなかったのってそのせいかまさか。


「お金かかるし手間もかかる」

「面倒くさがってんじゃないよ」

「その暇があるなら撃つ」

「アカリは昔から変わらないんだね」


むしろこいつが変わったら驚きなんだがな。


「到着までちょっと掛かるが、それまでどうする?」

「基地って基地?」

「まぁ大体お前の知ってるのでいいと思うぞ」

「な、何だ?何かあるのか?」

「なら説明要らない」

「だろうな。あ、でもこの世界特有の物もあるから、そこはフィアに聞いてくれ」

「何?」

「精霊亜種の皆様がお住まいでございます」

「・・・何?亜種って・・・あのサラマンダーとかのことかい」

「はい。コウ様の基地にて日々を過ごしております」

「・・・ということは、貴方は彼らと契約が出来るのか」

「というか普通に精霊と契約してるぞ」

「何!?」

「おう?」

「あ、すまない。驚いてしまって」

「・・・あ、そうか。精霊使いは少ないんだったな」


すっかり忘れてた・・・てか、その実感が全く無かった。

何せ俺の住んでいるエルフの村で精霊使いじゃない人なんていないし。

だが普通の人間の国や街には精霊使い何て数えるほどしかいないのだ。

それが流れ人である俺がそうだって言うんなら、まぁ驚きだろうな。


「お前さんの国にはいるのか?」

「一人だけだがね。それも王の直属だから、お会いしたのは一度だけなんだ」

「まぁそんなもんか」

「コウ様は3体の精霊と契約を結んでおりますので、間違いなくコウ様の方が上かと思われますが」

「まぁ精霊使いとしての格はどうでもいいんだけどな」

「・・・さ、3体?」

「おう。てか1体はいるぞ」

「え?」

「どこ?」

「あー・・・予備あったっけ」

『格納庫に試作した物がございます』

「じゃあそれ持ってきてくれ」

『了解いたしました』

「何かくれる?」

「精霊が見えるようになる眼鏡」

「なっ!・・・き、貴重品じゃないか」


魔道具的には貴重品だな確かに。

だが既に俺は精霊を見ることに関しては技術的には確率している。

量産なんてその気になれば簡単だし、何なら改造も出来るレベルだ。

今の所必要性がないからしないけど。


キクヒメに頼んでサーベスの格納庫から精霊眼鏡を持ってきてもらう。

でもやっぱり見えない人間は見えないんだな。

今絶賛俺の頭の上でましろが寝ているというのに。


「よろ」

「はい。ましろ様。こちらにどうぞ」

「みゃ~zzz」

「おお。クッションがへこんでいる」

「ここにいる?」

「いるぞ。ちっさい猫が」

「虎ですコウ様」


俺からしたら猫にしか見えないんだもう。


そしてすぐに眼鏡が来たので、早速ましろを視認できるように。


「・・・か、かわいい」

「子猫ちゃん」

「虎です」


割とそのあたりはフィアの方がこだわりが強いのは何故なのだろうか・・・?


「ほれ、ちゃんといただろう?」

「精霊を見たのは初めてだ!」

「これ、私も作れる?」

「材料と施設があればな」

「じゃあ無理」

「作れよ」

「・・・え?」

「いやお前無人機くらいなら自力で・・・出来ないな」

「無理」


忘れてたアカリは開発方面は苦手だったな。

てかそれが出来るなら整備くらいは出来たか。


「でも、実際拠点が無いと不便だろ」

「頂戴」

「いや俺のを作るついでにあげるけどさ」

「そこから作る」

「まぁそうなるか」

「・・・いや待ってくれ」

「ん?」

「今、拠点をくれると聞こえた気がしたんだが?」

「上げるぞ」

「貰う」

「・・・すまないフィアさん。この場合私がおかしいのだろうか」

「何もおかしくはないですが、コウ様ですので」

「その納得の仕方もおかしいからなフィア」

「別にタダじゃない」

「そうだな」


支払いはちゃんとしてもらう。

とは言っても、これに限って言うなら肉体労働で返してもらう形になるとは思うが。


「労働?一体何を・・・」

「アカリは分かるよな」

「ん。私たちの常識」

「そういうことだ」


支払いは何もすぐにしてもらうと言うわけではないということだ。


「てか俺のを作るついでなんだからそんな気にしなくていいぞ?」

「そうそう」

「大体アカリの・・・てか『紅月』のためだし」

「そうは言うがな」

「まぁお前さんの言いたいことも分かるが」


仲間が貰うということは、自分もその恩恵を受けるということだ。

それに貰い物が拠点。

流れ人である俺が作る、この世界では考えられない物を貰うとなると、色々勘繰るのも分かる。


だがそれを渡すことで、俺が将来アカリから受けられる恩恵の方が大きいのだ。

この貸し借りに近い関係は、ゲームの時から変わらない。


「まぁそのうち分かるさ。ほれ、今は精霊を見た方が楽しいぞ」

「寝てるから静かに」

「いや、多分ごろごろしてるだけだから」

「み~」

「ほれましろ~。俺の知り合いがいるから挨拶しろ~」

「・・・み?」

「言語能力がお亡くなりに」


寝ぼけてるなこいつ

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