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106話

「はぁ。やはりアカリの知り合いだけあって、素晴らしい物を・・・おや?」

「ここは増やしたい」

「推進剤増やすならその前に装甲削れよ」

「無理」

「お前高機動よりの狙撃機のくせに過剰なんだよ。1割くらい減らした方が動けるぞ」

「『オービス』撃てなくなる」

「最大火力でぶっぱなすってのを連続でやるな」

「ロマンは大事」

「これ前も言ったけど、だったら設計し直しの方が早いぞ」

「『紅月』はこれ」

「最低でも姿勢制御の大型パーツ増強した方が絶対良いに決まってるんだが・・・?」

「人型がかっこいい」

「それは持ち機体が殆どゲテモノとか言われた俺に対する嫌味か貴様」

「アビスはかっこいい。ヤマトはダメ」

「この野郎・・・!」
















「すまん。夢中になりすぎた」

「いや。アカリとは久しぶりに会ったんだろう?なら仕方ないさ」

「・・・お前の知り合いにしちゃ普通だな」

「私も普通」

「絶対に無いから安心しろ」


お前は俺の知り合いの中でも上位に入る変なやつだから安心してほしい。


アカリの仲間である騎士の少女。

名前はアルカナというらしい。訳あり少女で、貴族の娘さんなんだとか。

何でそんなやつとこんな所まで旅してるんだって話は気にはなるが、別の事を聞かないといけない。


「んで?どこまで知ってるんだ?」

「私の身の上は大体」

「ああ。あなた方の使うストレングスギアについても大方ね」

「・・・こいつ以外には?」

「言ってない」

「旅に出てから聞いたからね。父上も知らない」

「ふむ」


まぁ誰が知ってるかどうかはそこまで興味はないのだ。

こいつ個人がどこまで知っているかが重要だ。まぁアカリが『紅月』を着ている状態で一緒にいたから想定はしてたが。


「じゃあお前の紅月がほぼ壊れてるのも?」

「言ってある」

「あの・・・シャワーと言ったかい?あれに入る前に、貴方なら直せると聞いたのだが」

「まぁ直せる。こいつと違って施設面はしっかりしてるからな」

「なるほど。ではその料金は」

「ああ。それはこいつが支払うからお前さんは気にしなくてもいい」


これは先にアカリに言われたことなのだが、恐らく『紅月』の修理の事を聞いたらアルカナはお金の話をするというのだ。

これは仲間の装備の事だから費用負担は分けるという意味もあるそうなのだが、それ以上に『紅月』がここまで壊れている理由が彼女にあるからが大きいらしい。


ぶっちゃけ何が起こったか、そのあたりは気になっていた。

ストレングスギアは、腐っても兵器で。さらに言うならこの世界とは比べ物にならない過酷な世界で戦うための物だ。

だから数年この世界で過ごしていただけではあそこまでボロボロにはならない。

何か大きなダメージを受け、それを修理しない状態で放置しないとあそこまでにはならない。


「まぁその理由に関しては聞かんけど」

「そうか・・・」

「まぁ個人的に聞きたいことはあるんだわ。それに関してはこっちから何か報酬を渡す形でいい」

「・・・ん?いいの?」

「構わん。お前の知り合いならそこまで警戒せんでもいいだろうし」


『紅月』の修理代って意味なら、まぁ知り合い割引込みでアカリから聞ける情報で十分だろう。

だがアカリ以外から聞ける情報となるとまたそれはそれで大きな価値がある。


「特にあの賊連中についてとかな」

「私も知ってる」

「お前ちゃんと説明出来るほど知ってんのか?」

「・・・」

「だと思ったよ。だから聞かなかったんだよ」

「ぐぅ」

「ぐぅの音は出たな」


アカリはその辺の細かいこと面倒くさがるからな。初めから期待してなかった。


賊に関しての情報は、俺にとってはかなり重要だ。

何せ今回で二回目。俺の世話になっている人たちが襲われたのだ。

最初はまだ知り合いでもなかった段階の話だが、それでもだ。


ここで情報を聞き出し・・・潰す。


「んなわけで、知ってることは洗いざらい教えてほしいんだわ」

「な、なるほど・・・・」

「・・・めずらし」

「何が」

「別に」


アカリが何か言っているが無視で良いだろう。


「んで?話してくれるか?」

「ああ。全然・・・というか、あれを潰してくれるなら大歓迎なんだ」

「何?」

「あいつらは、私の国でも厄介者だからね」


アルカナは彼女の知っていることを全て教えてくれた。


まずあの人さらいの賊共。

奴等はエルフに限らず辺境に住む人間を無差別に攫っては売るという行為を繰り返しているらしい。

その大元は、この森に面している国の大商人。


「ゲル商会と言ってね、まぁ表立っては普通の商会だが」

「何でその国の連中はそこを潰さないんだ」

「当然賄賂を貰ってるからだね。その国でなく他の国の貴族にもだ」

「なるほど。そうして自分達の行動を黙認してもらってるわけだ」

「恥ずかしい話だが、私の国にもそういう貴族はいる。うちは違うが」

「まぁ貴族と商人の結びつき何てありがちな話だわな」

「全くだ」


アルカナは自嘲するように語る。

こいつ自体はかなりまともな貴族なようだが、そうじゃないのが多いってことだな。


「それで。俺がそいつらを潰して何か問題は?」

「無いんじゃないかな?」

「は?無いのか?貴族と繋がってるのにか?」

「ああ。彼らの商売相手は当然貴族なんだが・・・正直、貴方には関係ないだろう?」

「・・・ああ、そういうことか。確かに問題ないわ」


俺街に住んでないしな。住んでいるのは深い森のエルフの村。

そもそもこの世界の社会とは離れている。

だから権力を持つ相手に喧嘩を売っても問題ないわけだ。


「最悪戦いになったとしても・・・その、貴方なら勝てるのだろう?」

「この世界の連中て弱いのか?」

「雑魚」

「なら余裕だな」


アカリ基準で雑魚なら何も問題はないな。

それこそリアクラスが出てこないと俺自身が戦う必要もないだろう。


「リア?」

「竜国の貴族。ドラゴンの」

「・・・はっ?!ま、まさかナターリア様のことか!?」

「お、おう。知り合いか?」

「直接お会いしたことはないが・・・ま、まさかお知り合いで・・・?」

「まぁ一応」

「直接貿易してるって言ってた」

「あ、こら」


わざと隠してたことをアカリがばらしやがった。

何で隠してたって?

だってアルカナの顔見てみろよ。めっちゃ引き攣ってるし、何なら既に土下座しそうな感じに腰が引けてる。


何なら顔から何考えてるか分かるぞ。

「私はもしかしてすごく高貴な方に生意気な口をきいてしまったのでは?」


そんな顔だな。

そしてそれは大正解。


「し・・・失礼いたしました!!」

「あー」

「頭下げなくてみゅ」

「アカリも下げろ!跪いてくれ頼むから!!!」


あーもーこうなっちゃったよ。

貴族の娘って聞いた段階でちょっと嫌な予感はしてたのだ。

普通に考えて、貴族の娘なら他の国の貴族に関して知識を持っている物だ。

それもリアみたいなずっと昔から生きているドラゴンの事なら猶更だ。


だから俺とリアの関係は黙ってようと思ってたんだがなぁ。


「このアホ娘め」

「てへぺろ」

「こ、この度は大変失礼なことを・・・」

「あーいいから。俺自身は偉くないから」


さっきまでも自信にあふれていた少女の姿が一ミリも残ってねぇ。

土下座しながら全身が携帯のバイブみたいに震えてるよ。

というか、この世界にも土下座はあるのか。


「アカリ」

「何」

「戻しておけ」

「分かった」


うん。面倒だからアカリに任せよう。

俺はこの隙に聞いた情報を纏めてみよう。

まぁそこまで纏める内容でも無かったが。


「最低でもどれくらい繋がってるかな」

『10以上は確定かと』

「だろうな。まぁリアにも確認だが、皆殺し前提でやるぞ」


二度とそんなこと出来ない様にしてやらないとな・・・


「ああそうだ。フィアをこっちに呼んでくれ」

『了解いたしました』

「持ち物は特にはいらないけど・・・ああいや。女物の下着だけ、予備のでいいから」


アカリ達荷物の様子から、着替えとか持ってきてる感じじゃないからな。

『紅月』の修理がどれくらいかかるかはまだ大体しか分からないが、それでも最低で2週間かかると思う。

その間はまぁ・・・仕方ないから基地においてやる必要があるだろう。

こっちから向かってもいいが、フィアに聞きたいこともあるし。


基地じゃなくてここをそのまま使わせる可能性もあるからな。

どっちでもいい様に準備だけしておきたい。


「まぁ最悪は野宿だろうけど」

「やだ」

「・・・分かったから早く戻せよ」

「わ、私はなんてことを・・・」


面倒な感じになってるから早めに戻してくれお願いだから。

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