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103話

「ライチ―」

「なーにー!」

「ちょっと時間いいか?」

「いいよん」


とっても軽いライチ。まぁそれくらいがちょうどいいのだけど。


今日ライチを呼んだのは他でもない。

まぁいつも通り試したいことを思いついたので、それをやるってだけなんだけど。


「なにするの?」

「ちょいとこいつに憑依してくれないか?」

「それ・・・『エアロード』だよね?いいの?」

「今日は特別です」


今まで俺は、精霊達にある物への憑依を禁止していた。

他の物は大体許可を出してたし、そもそもただの道具でしかない物が殆どだが。


禁止してたのはストレングスギアだ。まぁある意味当然だ。

何せヘタな兵器より危険なわけだし。


だが今回は特別に憑依してもらう。


「その上で俺がこれを着るから。あんまり動かないでね」

「わかったー!」


元気よく返事をして『エアロード』の中に入っていった。

その瞬間に特徴的な部分である翼が黄色く光る。ちゃんと憑依は出来たようだ。


「んじゃ装☆着」

『『エアロード』稼働。全システムオールグリーン』

「ライチ。今どんな感じだ?」

『・・・あれ?うごけない?』

「は?動けない?動かないんじゃなくて?」

『ぴくりともしな・・・あ、はねはうごく!』

「みたいだな」


俺が何も操作してないのに翼部分だけが勝手に動いている。

だが他の部分は全くと言っていい程動かないらしい。

そもそも繋がってないような感じみたいだな。


ふむ。まぁ大体想定通りかな?

実のところ『エアロード』の要である大きな翼は『エアロード』本体と言うわけではない。

それ自体は『ドライブ』と同じく背負い物であり、分類的には追加武装なのだ。

つまりライチは今、本体ではなく翼の方に憑依していることになる。


『でももういっこないよ?』

「本体の方が見つからないってことだな。それもちゃんと分かってる」


だが接続されてはいるのだ。

猫玉ラックで分かったことだが、機体に接続されたパーツはその一部として認識されている。

どれだけ武装を積んでも、猫玉ラックと同じ扱いになるのだ。

そうじゃなきゃののかが武器使えなくなっちゃうしな。


だが『エアロード』は翼以外が動かせない。

先も言ったが理由はライチが本体にいないから。

じゃあ何故本体にいないのか。それこそ、今回試したかったことなのだ。


「実は今この翼は特殊な物が入っております」

『なになにー?』

「空の人工魔石」

『ほえ?』

「つまりだ。ライチが翼の方に行くように誘導するようになってんだよ」


魔石自体が持つ魔素を吸収する機能。これを応用したのだ。

特に意識していなければ、どの精霊でも本体には憑依出来ずに翼に流れるようになっている。

これにより、一体何があるか。それを聞かれるとちょっと説明しづらいが。


「まぁクロウがノーツと戦ってて思いついたんだけどな?

 この方が一緒に戦いやすいだろ?」

「あ!みえるものがいっしょだ!」

「そういうこと」


猫玉ラックではどうしてもののか達が俺の後ろで戦うことになる。

それでは状況的に判断が遅れることもあるだろう。

それを回避するために、憑依出来る場所と出来ない場所を作ったのだ。

こうしておけば俺の指示もすぐに届くし。魔法だってどこでも使える。


「それでもあのコンビには劣るだろうけどな」

「なかよしだよねー」

「本当にな。そうだ。ちょっとこのまま飛んでみるか?」

「とぶー!」

「よっし。キクヒメ、飛ぶから上開けてくれ」

『了解いたしました』


俺の地下の施設は一応村から外れたところに直接出る為の入り口が存在している。

ストレングスギアを着ているか、魔法を使わないと着地出来ないだろうけど。


そこから空に向かって勢いよく飛び出す。

どうやら俺の方からも翼の操作は出来るらしい。


高度1万メートルまで楽々届いた。

これは少し驚きなこともあった。


「エネルギー残量は?」

『99%を保持。出力効率が上がっております』

「憑依の影響だわ」

『すごーい!たかーい!!』

「こらこら変な風に羽動かすなって」


俺の姿勢がぐらつくでしょうよ。


本来ならこの動きもエネルギーを食うのだが全くゲージが減ってない。

それだけ効率よく動かせているってことだな。いやぁ憑依万歳ってやつだな。

今は武器は持ってきてないが、もし持ってたらそれの試射もしたかったところだ。


「んじゃ速く飛んでみるか」

『わーい!』


ライチは経験したことない速度の飛行だ。

それでも楽しそうにしているあたり、速度狂の素質があるな。

ゲーム内でもいたなぁそういえば。バイクみたいな装備を自作してただただ速度を追求してた連中が。

今思い出すとあれは普通に有用ではだったのではないかと・・・いや錯覚だな。


「楽しいかライチ!」

『たーのーしー!!!』

「そうかそうか・・・そうだ。お前の感覚で飛んでみていいぞ」

『え!?いいの!!』

「おう。とにかくやってみな」


落ちそうだったら操作権限奪うし。

最悪翼だけ切り離して着地かな。その為のちっさいブースター程度はあるし。


『じゃあいっくよー!』

「おうすきにっ」


操作を手放した瞬間に視界がぶれた。

急に加速したもんだから追いつかなかなくなったのだ。

いやてか・・・『エアロード』の最高速度軽く超えてね?


『現在限界速度の倍以上を記録しております』

「はっや!?機体の負担は?」

『ございません。通常運行時と変わらない状態です』

「おおう・・・さらっと怪物の仲間入りしてるなそら」


憑依が憑依した物自体の能力を高めるのは分かっていたがそこまでだったか?

明らかに強化倍率が狂ってる。単純な性能を数値で見ても倍以上になりかねないぞこれ。

速いのがも当然すごいのだが、注目すべきは負担の少なさだ。

これだけの速度を素の『エアロード』で出そうとしたら後でメンテナンスは必須だろう。

だが今なら必要ない。なにせ普通に飛んでいるのと変わらない程度の負担しかかかっていないのだから。


「ライチ!今って全力で飛んでるか?」

『え?うーん・・・もうちょいでるかも?』

「マジかこいつ。今出せるか?」

『わかったー!』

『加速を確認』

「もはやミサイルだろこれ」


しかも軌道もえげつない。さっきから蛇行してるみたいに飛んでるのだ。

だが全く速度は落ちていない。それどころか時折加速しているレベルだ。

そして飛ぶことかれこれ30分。その間一切速度を落とさないでライチは『エアロード』を操作し続けた。


「たのしかった!」

「ならよかったわ。てか疲れてないのか?」

「うん?・・・あれ?そういえば全然疲れてないや」

「ほぉ?そらまた変だな」

「いたに入ってたときはすっごくつかれたのにね!」

「板言うな」


あれ一応盾だからな?


でも何でライチはこんなにも元気なのか。

単純に前よりこいつも成長したって可能性はあるんだが、明らかに今の方が疲れる要素は多かったはずだ。

だから単純に成長ってだけじゃ説明がつかない。

何か理由が・・・


「ライチって普通に飛ぶと疲れるか?」

「あんまりー」

「だからか?」

「どうして?」

「いつもやってることだから。慣れてるって感じ?」

「なるほどー」


まぁ根拠は何もないのだが。

だがいい線はいっていると思うのだ。鳥の形状をしているライチは飛ぶことに関しては抜群に得意だ。

なのでそれと同じ行為を行う『エアロード』での飛行はあまり疲れない。

今のところそれ以外だと納得のいく説明は出来ない。


確かめるならののかとましろにも頼むべきなんだが・・・あー。あいつらに任せるのはちょっとな。

ののかはガーデニングで忙しそうだし。ましろは赤ちゃんだし。

後なんかこう・・・あいつらに任せるのは何かちょっと怖いと言うか。


「飛ぶじゃなくて他ので頼もうかな」

「そのほうがいいかもねー」


おっとり系とばぶーな子に任せることじゃないからなうん。

よし。とりあえず今のデータを纏めるか。


「そういやライチ様に飛行ユニットの制作考えてるんだけど、見た目のリクエスト考えといてな」

「ぼくといっしょがいいー」

「えぇー完全鳥型?また難しいことを」


ペットの種類にはそういうのいるけど普通に作ると大変なんだぞあれ。


「たのしみにしとくねー!」

「あ、ちょっと・・・マジか鳥か・・・いや待てよ?羽根の部分さえどうにかしちゃえば今ならそこまで難しくないのか」


そうなると逆に羽根をどうするかって話が出てくるな。

普通に機械翼にしてもいいが・・・どうせなら何か面白いギミックにしたいな。

折角ライチ専用機だし。あいつの特性にあったものを・・・

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