101話
「は?タバコ?」
『うむ。お主から送られてきた物を見ておったら急に思い出しての』
リアの方に送った品物。
その代替はあちらの希望通り甘味が多い。
チョコは当然あるし。何故か無駄にラインナップが多いゲーム内の様々なお菓子を結構送ったのだ。
コラボとかで商品そのままとかもあるから、まぁ普通に美味しかった。
そして物を受け取ったという連絡を受けていると、急にそんなことを言われたのだ。
「てかこの世界タバコあるのか」
『いやお主らの知っておる物は無い。パイプを使うんじゃよ』
「ああなんだそう言う系か」
じゃあ俺に言ったのは紙タバコだな。
まぁ当然アイテム的には存在する。だけど俺持ってないんだよ。
普通に現実で吸ってないし、かっこいいなとは思ったがそれを量産する暇があったら別の事したかったしな。
「んで?欲しいの?」
『あったらなぁ程度なんじゃが』
「あー・・・ちょいと探してみるわ」
『良いのか?』
「最近出かけてないからな。行きたい場所はあるけど」
あんまり遠出したくないと言うか何というか。
『ハイドラ』の調査とか続けてるし。
「リアも行きたいって言ってた『オウカ』だとかいう国も行きたいしな」
『おおあそこか。あそこは『コメ』が美味いぞ!』
「米くらい俺持ってるぞ」
『・・・は?本当か?』
「まぁ一応だけどな」
毎日食べても無くならない程度には生産し続けてる。
フィアも基地で結構な頻度で食べてるみたいだし、この世界の住人的にも美味しい物って思われたならいいことだ。
『むぅ。そんな話聞いとらんぞ・・・』
「じゃあ次送るか?」
『頼む』
「はいはい」
てかリアは米好きなのか。
「そんなわけでタバコの原料探すぞ」
『原料であるタバコはどのような土地でも栽培が可能です』
「は?マジかそれ」
『特定の土地限定と言うわけではないので、情報無しで探すのは難しいかと』
「それは無理ゲーなんてもんじゃないな」
流石に全くヒント無しじゃどうしようもないわな。
うむ。こういう時は俺が作ってしまうのが速いのだが・・・まぁ持ってないよね。
何せ嗜好品だし。あれ別にゲームの中にアイテムだから実際に吸えるわけじゃないし。
キャラ付で吸うくらいか?俺はそれもしてないからマジで一ミリも原材料を持っていない。」
「ワンチャンこの森にあったりしないかなぁ」
『分類分けされていない植物が多くあります。代用可能な物はある可能性はあります』
それでもとんだ低確率。安請け合いするもんじゃないな。
「・・・ん?待てよ?この世界のパイプは何を使っているんだ?」
よく考えてみるとあれと原料変わらないんじゃなかったか?
だったらそれを手に入れて、うちでささっと作っちまえばいい。
「フィアに繋いでくれ」
『了解いたしました』
『・・・はい。フィアでございます』
「フィア。すまんとりこんでたか?」
『いえ。ちょうど牛舎の確認も終わりましたので』
「なら良かった。聞きたいことがあるんだ。パイプに使われている葉っぱのことなんだが」
『・・・パイプの葉、ですか?』
「ん?・・・待て、もしかして使われてないのか?」
フィア曰く、この世界のパイプは魔道具らしい。
そこに特殊な加工をされた石を細かく砕いて入れ、魔力を流すという具合に使うらしい。
「マジか!?」
『コウ様の世界では、植物の葉を使用していたのですか?』
「ああ。リアが欲しいって言うからまぁそれくらいはと思ったんだがな」
だがこれは想定してなかった。
不味いな振出しに戻ってしまった。
「ああ。悪い。仕事に戻っていいぞ」
『はい。では失礼いたします』
「・・・どうしましょ」
『支給品で頂いた物はないのでしょうか』
「無い。枠埋めるから捨ててる」
こりゃ本当に困ったぞ。
「・・・仕方ない。最終手段だ」
『ダイジュナ様は今村にはいらっしゃいません』
「そっちに聞ければ良かったけどいないから村長に行く」
そんなわけで村長宅へ。
村長はこの森の中にある森に住むエルフだ。
そして村の歴史もかなり長い。つまり、たばこに該当する植物の事をもしかしたら知っているかもしれない。
手土産片手に、ぶらぶらと村を歩く。
途中でアカサさん達主婦人がお喋りしていたり、若いエルフが『ソルキス』を装着してこれから狩りに行くような様子も見える。
夏も近くなるが、あまりやることは変わらない。
まぁこういう田舎で大変なのは冬の方なのかもしれないが。
「村長~」
「おやコウ様。本日はいかがなさいましたか」
「いやちょいと聞きたいことがあって。こっちはお土産。アカサさんに淹れてもらってくださいよ」
「おお茶葉ですか。さっそく本日いただきましょうかな」
前に比べて村長に対する俺の態度は少し変わったと思う。
何というか、もっと軽い間柄に近づいたと言っていいのかもしれない。
まだ敬語だが、そのうちそれも取れそうだ。
まぁ年上相手だから完全には無くならないのだろうが。
村長には敬語辞めていいとは言われてるけどな。
あまり長居する気はないので、玄関先でちゃちゃっと聞いてしまおう。
「ふむ。甘い香りの葉を持つ植物ですか」
「ああ。燃やすと匂いが出るのがいいんですけど。知ってます?」
「うーむ・・・申し訳ありませんが、知識としては知らないですな」
「む。マジか」
最後の希望も絶たれてしまったか。
仕方ない。リアには一言言って別のことしながらの片手間で探すしか・・・ん?知識としては?
「心当たりはあると?」
「はい。昔森の中で火を焚いた時の話なのですが、時折甘い匂いが漂うことがあったのですよ」
「ほう?」
「それも大抵同じ場所で火を焚くとなるものですから。今思うに、それがコウ様のお求めの品なのではないかと」
「村長マジ最高。どの辺?」
「村からそこまで遠くはない所にありますよ。大体・・・」
村長から大体の場所を聞いてそのまま向かう。
『無影』は着込んでるから問題はない。
ただ袋は欲しかったので村長にそれは借りた。ありがとう村長。
村から走ること大体30分。
村長から聞いた場所までたどり着いた。
「・・・木ばっかりで分からん!!」
そもそもタバコなんて植物状態を知らんかった俺。
「しまったなココナツとか持ってくるべきだったか」
『少なくとも木ではないので、地面に生えている植物を探してください』
「りょーかい」
流石キクヒメ。もう俺いらないんじゃないかな。
地面を見渡すと雑草がかなり目につくが、その中にも大きな植物は存在している。
何となくこれ巻けそうみたいな大きさの物を数種類集める。
「これで火を点ければいいか」
一枚一枚火を点けて匂いを・・・嗅がない。
いや俺タバコの匂いそこまで好きなわけではないし。
なので確かめる方法はキクヒメの観測です。いつも感謝しております。
そして何枚か確かめていると、同じ結果が出てきたのあった。
「お、これか」
『タバコと同性質の植物を発見しました』
「やりぃ!」
良かった良かった。
後はこれを根から摘んで植え替えればいいな。
まぁ大規模にやる気はゼロだからな。適当な栽培室の一室に置いておけばいいっしょ。
どこでも育つってんなら手間も掛からんだろうし楽でいいな。
巻く作業は・・・
「課金アイテム用の製造ラインって家にあるっけ?」
『別の物を製造しておりますがございます』
「まぁ10箱くらい作っておけばいいか。周囲に同じ植物はあるか?」
『多数あります』
「視覚化して・・・うわ多いな」
結構至る所にある感じだった。これならもっと摘んですぐに作っても問題ないかな。
リアも早めに欲しいだろうし。
「てか、ドラゴンがタバコ吸う姿は面白すぎないか?」
もしかしてダイジュナとかも吸ったりするんだろうか。
・・・鹿が吸うのか
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