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本編の一部解説

4話目、最終話が終わりました。ここまでお付き合い下さりありがとう御座いました。このページは、細かい解説ですので、読まなくても関係はありません。一応なので、悪しからず。

鬼ヶ島 −桃太郎と輪廻の鬼−


の、補足や解説などをまとめました。


【鬼の転生システム】


まず最初の鬼は、一応温羅童子1代目としていますが、明確には鬼ではなく、バケモノと表記した通り、平家の亡霊という扱いです。


『ーーバケモノの頭領は、常軌を逸したように痙攣しながら向かってくる】


この文章の通り、理性や知性が無い状態なのです。


時代としては、平安時代末期と書いていますが、壇ノ浦の戦いの後という設定になっています。そこで死んだ平家の亡霊が海に浮かぶ孤島に近づいたと。通常であれば、島を完全に乗取ることは出来ません。しかし、出来た理由は、


『ーー島民が、諍いか、怒りに身を任せ振るった所(中略)快楽に目覚め、殺すようになった』


平和だと皆が思っていた島で殺しが横行したからです。皆の心が付け込まれる隙を生んでいたと。


亡霊とはそもそも実態のないものです。そこで、人間に取り憑く必要があります。


最初の男の、死んだはずの息子2人がいたのは、亡霊に憑かれていたためです。


『島民がバケモノになったのも、己を写す、真の鏡が亡霊であっただけ』


黒装束の言った通り、弱く脆くなった島民の心は亡霊に乗っ取られてしまいました。


最初は島のためにバケモノ退治に行った男も、バケモノと朝まで打ち合い、何か思うところがあったのでしょう。徐々に心が脆くなって行きます。そして、


『バケモノの顔は、自分だった』


最初はただの亡霊だったのに、自分が投影されてしまっています。そしてその直後、相打ちになり倒れ伏す男の側で、


『『『嗚呼、人間の儚さよ。次はお前だ』』』


1人ではなく複数なんです。相手にしていた頭領は複数の亡霊からなっていました。


この亡霊は、平家だけではありません。


『実際その刀自体も呪われているのですよ。刀を打つときに使う炉ですが、斜陽は人間の屍を燃やしていたんでさぁ。(中略)妖刀となるのも無理はないでしょうねえ』


刀のために死んだ島民の怨念もあったのです。その刀のために死んだ亡霊を、<備前長船斜陽>で斬ったのですから、斬られた亡霊も堪ったものじゃないですよね。


ここで、最初に使ってはいけない刀で斬ったことが、鬼が生まれた1つ目の要因です。


もう1つは、温羅の首が投げ込まれたという話。


桃太郎のモデルとなった話に出てくる鬼の名前が温羅なのです。そこから取らせて貰いました。


この温羅は、桃太郎のモデルである吉備津彦命に首を斬られていますが、死んでいないのです。


そこから、オリジナルへと移行するために、当時の大和朝廷が首を辺境の島に投げ込んだと。


その首は体を持たないままずっと生きながらえて来ました。それが、温羅童子の言った、


『お前たちは祠にいろ』


この祠です。ここまで生き延びて来た首は、亡霊の騒動に乗じてバケモノを斬った男と融合します。そして、斬られた亡霊が男に入り込みます。


男の魂は、一部が温羅、一部が平家と島民の亡霊になりました。そして残りの一部が男です。


こうして出来上がった温羅童子2代目は、島を鬼ヶ島として支配します。


先ほど書いた通り、男の魂の2/3は温羅と亡霊によって乗っ取られて、本来の2/3は追い出されました。この魂は別の場所へ。温羅の魂も亡霊も、乗っ取れなかった分の一部が余っています。


その2つが混ざります。これを仮に魂①とすると、この①が別の場所に生まれた女の子供に転生します。その子供は成長して、鬼退治へと出向きます。


そこで2代目の鬼と相打ちになります。すると、2代目の魂が女の魂の一部を乗っ取ります。追い出された女の魂は別の場所へ、追い出された①が、次の人間に転生、女が死んで鬼になった温羅童子3代目を倒しに来ます。これが桃太郎が倒した温羅童子4代目となります。


桃太郎も転生した魂が混じっているのです。


『2代目のその男を倒したのは、(中略)哀れな女です。それもまた、鬼へと変じ(中略)今度は今回桃太郎が倒した鬼が女を倒し、相打ちに。そして鬼となったのです』


この通りです。となると、これらを全て知っている黒装束は一体何者なのかということになります。


【黒装束の正体】


桃太郎に纏わる場所で、吉備津神社があります。


ここの神主の隠し子に、斜陽の魂が転生した、それが黒装束です。


罪を犯した斜陽の罰として、多重の魂に縛られて永遠に生きるという罰が選ばれました。


そして、先ほどの、追い出された人間の魂は黒装束の中へと入りました。最初の男から揃っているため、黒装束はほぼ全てを把握しているのです。


桃太郎の家を特定出来たのも、神主の力と多重の魂の力です。


ここまで、全てが相打ちになっています。桃太郎はなぜ相打ちにならなかったのでしょうか。


【桃太郎だけ相打ちではない理由】


それは、まず始めに、桃太郎が桃から生まれた、神に選ばれた人間だからです。今までの①が転生した人間よりも基本のスペックが高いんです。


そして、2つ目は、鬼の魂が少しずつ転生ごとに弱くなって来ている事です。何度も何度もたらい回しにされて、角が取れて来た感覚ですね。


最後の1つは、桃太郎の刀が、長船派の初代の打った最高の刀だった事です。


まあとはいえ、その刀でさえ斜陽には敵わなかったのですが。





はい、こんなところでしょうか。今回のオリジナル桃太郎、モデルのお話からアイディアを貰っています。


吉備津神社に、備前長船法光という大太刀が奉納されていたんですが、本当に長いんです。鬼が振るったと言われてもおかしくないくらいに。


そこから斜陽の刀の代わりということに設定を作ったんですね。


そこから逆算して、じゃあ鬼の刀が幕府に来たのは何故か?→桃太郎が位置で鬼を退治した→じゃあ何故今までは鬼ヶ島に?→いつも相打ちで回収する暇がなかった。


という風にです。


犬と猿と雉もモデルは人間なんですよね。そういったところも元の話は面白いので、ぜひ調べてみてくださいね。


ここまで長々と読んでくださってありがとう御座いました。これからもどうぞよろしくお願いします!

ここまでお付き合い下さってありがとう御座いました!これで完結にさせていただきます。今後も長編をアップするまで短い作品を上げるので、よろしくお願いします!

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