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第85話 当日になりました

 集まった人たちに、チーズ焼き、お好み焼きの作り方を説明していく。


 やっぱりチーズ焼きはみんな苦戦していたけど、最後の方にはみんなうまく出来るようになっていた。


 まかないとしてみんな自分で作ったものを食べていたけど、反応は上々だ。


 これなら本番もみんな食べてくれるな。


 そして射的の説明になると、みんなかなり真剣になって遊んでいた。


 この様子を見る限り、子供だけじゃなくて大人も遊ぶことになりそうだな。


「射的の景品を増やそうか」


「そうですね」


 サラと話し合って多めに作ることにした。


 その後も仕事の説明をしていく。


 半日後


「これで、説明は以上になります。皆さん今日やったことを忘れずに、当日よろしくお願いいたします」


 説明の工程は終了した。


 これで当日は大丈夫だろう。



 その後は会場にゴミ箱やベンチの設置をしたり、見回りの人の配置を説明したりして準備を進めていった。


 もちろん合間を縫って勇者物語の劇の練習もしていく。


 サラもだいぶ様になってきた。これなら本番も大丈夫だろう。



 そしてあっという間に本番前日になった。


 今日は、本番の会場の最終確認と劇の最終リハーサルを終えて準備がすべて終わった。


 これで後は明日の本番をやりきるだけだ。


 夜、最後まで残っていた俺とサラとレイは広場から撤収することにした。


 ジャスティン様の屋敷に向かって歩き出したところで


「今日妾は一度自分の寝床に戻るぞ」


 とレイが切り出した。


 最近ジャスティン様の屋敷に泊まり込みだったレイも今日は寝床に戻るそうだ。


 レイは縁日の準備以外にも教会で行う儀式の練習もしていた。


 本当に大忙しだな。


「分かった。明日はよろしくな」


 儀式については俺たちが関わることは特になかったので、明日の本番を見るのを俺たちも楽しみにしている。


「うむ、では明日の」


 そう言い残すとレイはドラゴンの姿に変身して飛び去って行った。


「じゃあ、俺たちも帰るか」


「はい」


 レイの姿が見えなくなった後、俺とサラは再び歩き出した。


「やっぱり緊張してきますね」


 サラがそんな風に切り出す。


「確かにそうだな」


「ソルーンバーガーを開店した時のことを思い出します」


 そういえば開店の前日は俺も緊張したな。


 異世界でファストフード店を開くのは、それまで屋台でハンバーガーを売ってきたとはいえ不安があった。


 今回も楽しんでもらえるだろうなと思っていてもその姿を見るまでは安心できないな。


「でも、リュウさんがいるから大丈夫だと思っていました。だから今回も大丈夫です!」


「その言葉をそのまま返すよ」


 サート商会にサラが入ってくれたから、自分だけではできなかったことが出来ている。


 このことには本当に感謝しないと。


 そんなことをしゃべっているとジャスティン様の屋敷にたどり着いた。


「それじゃあまた明日。楽しんでいこう」


「はい!それじゃおやすみなさい」


 こうしてサラと別れて自分の部屋へと戻った。



 絶対に成功させよう。


 そう思いながら俺は眠りについた。


 ーーーーー


 次の日、俺は起きて支度を済ませた。


「おはようございます!」


 サラと屋敷の入り口で待ち合わせをする。


「いい天気だな」


 雲一つない青空だ。


「はい!絶好の祭り日和です!」


「それじゃあ広場に向かおう」


 正午から勇者の剣を受け取る儀式をする予定になっている。


「そうですね、行きましょう」


 ジャスティン様とルナさんは先に、魔女の杖の人たちは後から行くということだったので俺とサラの2人で教会へと向かった。


「すごい人だな」


「本当に村中の人が来ていますね」


 広場にはあふれかえるほどの人が集まっていた。


 この1ヶ月で大体の村人と会ってきたけど、一度にこんなに会うのは初めてだ。


 みんな儀式を楽しみにしているみたいだね。


「あそこにお姉ちゃんがいますね」


 サラが指差す。ルナさんを見つけたようだ。


「そっちに行こうか」


 サラに連れられてルナさんのところへと向かった。


「お姉ちゃん、大丈夫?」


 サラがルナさんに話しかける。少し顔色が悪そうだ。


「大丈夫、ちょっと緊張してるだけ。こんなに緊張するのこの村に初めて来たとき以来よ」


 相当緊張してるみたいだな。


 横にいるジャスティン様の顔も少し硬くなっている。


「あれ、まだレイはいないのかな?」


 もう来てると思ったんだけど。


「レイ様には後から来ることになっています」


 ルナさんが教えてくれた。それなら大丈夫か。



 そしてついに太陽が一番高いところまでやってきた。


 いよいよ水龍祭の開始だ。

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