第7話 レベルアップが順調です
翌朝、俺は宿泊延長をお願いした後、パンを250個準備して噴水広場に向かう。
「すごい、もう並んでる」
昨日と同じ場所にでも屋台を置こうと向かったら、既に6人も並んでいた。
この調子だと今後さらに増えるな。
「お待たせしました!パンの販売を始めます!本日は1つ200クローネ、お一人様3個までとさせていただきます」
屋台を設置した後、俺は列に並んでいる人に呼び掛ける。
「「おおーー!」」
列から歓声が上がる。こういう反応をしてくれると頑張って作った甲斐があるぜ。
そして俺はパンをどんどん販売していった。
昼になるころには売り上げも150個を超えていた。
「今から1時間昼休憩に入ります!また午後から販売を始めますので少しお待ちください!」
時刻は午後1時、流石に一人で作業するのは疲れるから休憩をはさむことにした。
「レベルは上がっているかな?」
今日は大分売り上げたしちょっと期待しながらステータスを開く。
名前 リュウ
種族 人間
年齢 25
レベル4
HP450/450
MP980/980
スキル 「屋台」
創造魔法 水、小麦
創作魔法 パン(食パン、クロワッサン)
収納魔法 創作収納 収容量1%
屋台魔法 透明化、屋台増殖
おお、結構上がっているな。というかめっちゃ早くないか?
まだレベルが低いからっていうのもあるが、昨日の今日でもう3もレベルが上がっている。
そして、レベルアップによってクロワッサンも作れるようになってる。これはすごいな。
試しに一つ作って食べてみた。これも作るのにMPは4消費するみたいだ。
サクッ!
おお!うまいな!サクサクで柔らかいし、バターの風味も最高だ。
よし、これも必ず売ろう。今日のところはサービスとして食パンを買ってくれた人限定で配るか。
俺はクロワッサンを50個と食パンを60個追加でつくって午後の販売に備えた。
ーーーーー
「午後からの販売を始めます!そしてサービスとして食パンを購入してくれた方にはクロワッサンを1つお付けします!!」
「クロワッサンってなんだ?」
「分からん、2つ買って試してみるか」
パンを買いに来た男2人組がそんなことを言っていた。
「ありがとうございます。こちらが食パン2つとお2人にサービスのクロワッサン2つでございます」
「面白い形をしたパンだな。ありがとうもらっていく」
「はい、またのご利用お待ちしております」
やっぱりこの世界の人はクロワッサンを知らないんだな。
食べてみたら絶対虜になるぞ。少なくとも俺は大好きだ。
それから俺は次々パンを売っていった。
午前中とは違い、人が列を作ることはそんなになかった。
だけど1人で屋台収納からパンを取り出して、お金の受け渡しをして接客をしてを繰り返すのは、飲食系のバイトをしたことがなかった俺にはかなりの重労働だ。
数時間後
「すいません、今日はもう販売終了なんです」
「そんなぁ、せっかく買いに来たのに……」
「申し訳ございません、また明日販売いたしますのでよろしくお願いします」
時刻は夕方の4時ちょうど、終わりにするにはちょうどいい時間だ。
今日は完売こそしなかったが、計284個の食パンを売り上げた。
そもそも食パンって300個近くも売れるもんなんだな。
まあ、この世界ではパンが主食だからということもあるのだろう。
明日からはクロワッサンも作り始めるからもっと儲けが出るといいな。
俺は屋台を引き上げて、宿へと戻った。
ーーーーー
そういえば忘れてたけど透明化って魔法が追加されてたよな?
部屋で集計作業を終えた俺はそのことを思い出す。
ステータスを再度確認してみると
「お、これだこれ」
屋台魔法 透明化、屋台増殖
魔法の系統も創造、創作、収納、屋台魔法と増えてきた。
これ以上増えるかは分からないが、そこは様子見かな。
今回の魔法はイメージが容易だったので、停めておいた屋台まで移動してやってみる。
案の定、屋台が透明になった。ちゃんと屋台には触れたので消えてなくなったわけではないみたい。
これ、防犯目的にはいいな。
このままにしておこう。
ちなみに屋台増殖の魔法は文字通り屋台を増やすことが出来た。まあ今のところ使い道はなさそうだ。
部屋に戻った俺は今後のことを考える。
多分この調子ならそれなりの値段は稼げるようになるだろう。
魔法のお陰で原価率0%というとんでもない数値を叩き出してくれているから売り上げが丸々収入につながっている。
今日だけで6万クローネ近く稼いでいるから驚きだ。
そうしたら今度は住む場所の確保かな。
いつまでも宿に泊まるにもいかないし、何より金がかかる。
どこか不動産屋にでもいって部屋を借りるか。
それに、1人ぐらい従業員でも雇えたらいいな。
1人で営業を続けるのは出来ないことはないが負担が大きい。
サポートが1人入るだけで大分仕事も楽になるはずだ。
どうやって募集したらいいんだろう?
商人ギルドにでも行って聞いてみるか。
とりあえず方向としてはこんな感じだな。
コンコン!
ドアをノックする音がした。
「リュウ!夕飯の準備が出来たよ、都合がいい時間にでも降りてきな」
ドアの向こうからローサさんの声が聞こえてきた。
「はい!今行きます!」
お腹も減ったしそろそろ行くか。
俺は部屋を出て夕飯を食べに向かった。
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