第36話 メンバーが決まりました
「「えーーーーーー!?!?」」
俺とサラは驚きの声をあげた。
「え、ハンナさんがカインの奥さん!?」
「そうっす」
「でも、奥さんはローサさんの宿で働いているんじゃ?」
確かカインがそういってた気がする。
「もちろん支配人には納得してもらいました」
とハンナさんが答える。
支配人はローサさんの息子でカインのいとこらしい。
「でもどうして?」
「主人の話を聞いてこの商会に興味を持ったのと、それと……」
ハンナさんがうつむく。
「それと?」
「それと……主人と同じ場所で働きたくて。主人が宿を辞めてから寂しかったので」
顔を真っ赤にしながらそう言った。
「ハンナ……」
「あなた……」
そういってカインの手を取って2人は見つめ合った。
……なんだこの惚気は。
急にいちゃつき始めたぞ。
「師匠、サラ先輩、事前にお伝えしなくて申し訳ないっす」
公平にということで内緒で申し込んだらしい。
「ですが、もしこの商会に必要だと思ったら雇って欲しいっす」
「もちろんさ。サラもそれでいいかな?」
「はい!断る理由なんて全くありませんから」
ーーーーー
「えー、改めて自己紹介の方をお願いします」
気を取り直して面接を始めることにした。
カインの奥さんと言っても、ちゃんと面接はしてから決めないといけない。
フェアに、贔屓なしにね。
「はい、改めて私の名前はハンナです。先程もお話ししたようにカインの妻で、ローサさんの宿で働いていました」
俺が泊まってた時にもいたんだろうけど、さすがに2ヶ月以上も前の事だし、よく覚えてないな。
「宿で働いていたので、接客という意味では慣れていると思います。それに、私はスキル『軍師』というものを持っています」
「軍師ですか?」
何やら強そうなスキルだな。
「はい、敵や味方の状況を把握して、判断することが出来る能力です」
何百、何千人だと一人一人を把握するのは無理らしいけど、10人ぐらいだったら、どこで誰が何をしているのか同時に理解することができるらしい。
「これなら軍とかで活躍できたんじゃないですか?」
素朴な疑問をぶつけてみる。軍師ってスキルの名前だしね。
「確かに誘われたりもしましたけど……カインがここにいるので離れたくはないなと」
ハンナさんがぽっと頬を赤らめる。
あー、確かに軍だと離れて暮らすことになるもんな……ってまた惚気かい!
「なので、宿でも従業員をまとめたり、お客様の状況を把握したりするのに役立ってました」
なるほど、そんなスキルの使い方もあるのか。
その後もいくつか質問をしていく。
最後に
「精一杯頑張るので、宜しくお願いします。それじゃああなた、先に帰ってるわね」
「ああ、お疲れ様」
そんなやり取りをしてからハンナさんは部屋を出ていった。
「うちの妻が申し訳ないっす」
ハンナさんが部屋から出ていった瞬間にカインが謝ってきた。
「全然大丈夫だよ」
惚気を見せられた以外にはなんの問題もない。うん、惚気以外はね。
「いちゃつき以外は問題なかったよ」
そうサラが言った。おい、それ俺は心の中にとどめておいたのに。
「あ……いや……すみません」
その後カインの全面謝罪が続いた。
まあ、幸せそうで何よりだ。
いろいろあったけど何とか面接が終わったぞ。
ーーーーー
その後何日かかけて俺、サラ、カインの3人でメンバー選考を進めていった。
「じゃあこの6人で大丈夫ですか?」
サラが最終確認をする。
「「賛成!」」
全員の納得のもと決定した。
料理担当がマリーさんとクトルさん。2人とも優秀みたいだし、ハンバーガー作りに大きく貢献してくれそうだ。
そしてスタッフがエマさん、アレンさん、ショーンさん、ハンナさんに決まった。
4人ともそれぞれの強みがあるから、相乗効果が起きるんじゃないかな。
もちろんハンナさんも選ばせてもらった。
カインとの意思疎通がしやすいことはもちろん、スキル「軍師」の力でみんなをまとめてもらいたいなと思っている。
今回入ってもらう6人と俺たち3人の力でハンバーガー屋を繁盛させていこう。
「それでは明日、面接を受けた方全員に手紙を送らせてもらいますね」
そう言ってサラが資料をまとめ始める。
採用する6人はもちろん、他の人にも手紙を送る。
出来ることなら来てくれた全員を雇いたいけど、そんなに大人数は雇えないからね。
申し訳ないけど、こればかりはしょうがない。
「うん、よろしく頼むね」
これでメンバー集めの仕事は終了だ。
そしてついにドルホフさんからそろそろ工事が終わると連絡が入った。
よし、ラストスパートだ。
前話終わりから今話はじめにかけて修正を加えました。
物語の展開上の変更はございません。
何卒よろしくお願い致します。




