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第29話 ドルホフ商会

 会議が終わったけど、まだお昼ぐらいだったから早速商人ギルドに向かった。


 商人ギルドに行ってナターシャさんに事情を説明して部屋の中を2人にも見せてもらう。


「ここなら問題ないと思います!」


「ここなら自分も料理を頑張れそうっす」


 サラとカインからOKが出た。


「というわけでここを借りる方向で行きたいと思います」


 ナターシャさんにそのことを伝える。


「ありがとうございます、そしたら借りる際の注意点について説明をしたいと思います」


 すぐにギルドに戻ってナターシャさんから話を聞いた。


 この前も言ったように家賃は400万クローネだ。


 そして借りるのを決めたときに手付金として100万クローネを払うらしい。


 内装も自由にしていいけど費用はこっち持ち。もし店を閉める際はまた元の状態に戻してほしいということだ。


「あとこの建物の持ち主の人が、スタンプホルダーの商会が借りてくれるなら箔がつくし、最初の1ヶ月は家賃を無料にしていいと言ってました」


 前もってナターシャさんが俺たちが借りるかもしれないことを伝えておいてくれたらしい。そしたら持ち主の人がそういってくれたみたいだ。


「本当ですか!?」


 最初の月の家賃がないだけでかなり楽になるな。準備とかで店をほとんど開けられないからね。


 改めてセレド様には感謝しないと。あの物件の話は別だけど。


「どうしますか?この場で手付金を払いますか?後でも大丈夫ですが」


「いえ、この場で払います」


 この場で100万クローネを払うことにした。人生で一番高い支払いかもしれないな。


「確かに受け取りました。これで来月の頭から賃貸が開始されます」


 ナターシャさんはそう言うと俺に鍵を渡してくれた。


「鍵は今渡しておきますね。工事とかは来月から出来ますが、見積もりとかのために入るのには自由に使ってください」


「ありがとうございます。あと、建設系の仕事をしている商会を教えてほしいんですけど、どこかいいところはありますか?」


 こういうのは商人ギルドに聞くのが確実だ。


「それならドルホフ商会をお勧めします。サードマーチャントでソルーンで1番の建築商会です。」


「なるほど。そうしたらそこで聞いてみます」


 ナターシャさんが1番って言うなら間違いないはずだ。


「ぜひそうしてみてください。あ、ついでに紹介文を書きますね」


 俺が直接行っても問題はないらしいけど、スムーズに話し合いをするために書いてくれるらしい。


 10分後


「出来ました!これを商会の受付の人に見せてください」

 一通の封筒を渡してくれた。


「ありがとうございます」


「店づくり頑張ってくださいね!」


「はい!」


 ナターシャさんも後押ししてくれていることだし、絶対に成功させよう。



 ーーーーー


「ここか」


 一般商業地の一角にレンガ造り3階建ての建物があった。


 入り口の上に「ドルホフ商会」と書いてある。横に書いてある絵は……ドワーフかな?


 中はシンプルな作りで道具とかが脇の方においてあって少しゴシャっとしている。


 大きな工房のような感じだ。


「いらっしゃいませ。ドルホフ商会へようこそ。本日はいかがなさいました?」


 受付にいた職員さんが挨拶をしてくれた。


「新しく作る店の内装と設備をお願いしたいなと思いまして。あとこれを渡すように言われたんですけど」


 俺はナターシャさんに書いてもらった紹介状を職員さんに渡す。


「かしこまりました。少々お待ちください」


 5分後


「いらっしゃい、よく来てくれた。わしがドルホフ商会会長のドルホフじゃ」


 現れたのは高齢なドワーフだった。


 背は120センチと大分小柄で、髭はアフロみたいに口周りでもじゃもじゃに伸びている。


 というかいきなり会長が挨拶に来てくれるなんて予想してなかったな。


「こんにちは、サート商会会長のリュウです。今日は急にお邪魔してすみません」


「いやいや、お客はいつでも歓迎しておる。立ち話もなんだから部屋にでも通そう」


 ドルホフさんは俺たち3人を3階にある社長室に通してくれた。


 ソファーが置いてあったから、俺を真ん中にして右にカイン、左にサラが座る形で向かいのソファに座るドルホフさんと向き合った。


「君が最近耳にするリュウという新人か。なんでもフォースマーチャントになってすぐにスタンプホルダーになったそうじゃのう」


 目を細めて俺を探るようにドルホフさんが言う。


「ええ、おかげさまで」

 やっぱりスタンプホルダーってすぐ広まるらしい。


「そんな特別な人じゃと注文も色々と多いじゃろうのう」


「すいません、確かに特別にしつらえて欲しい個所は多いかもしれません」


 ファストフード店を作るってなったらこの世界に今まで無かったものも多いと思う。


「いやいや、迷惑なわけじゃないぞ。わしらに出来る限りのことをしてやろうと思っただけじゃ。その分高くなるかもしれんがの。アッハッハ」


 ドルホフさんが笑顔になる。良かった悪い人じゃなさそうだ。


 見た目が大分いかつすぎて怖かったからな。


「それじゃあ注文の内容を大まかに聞こうかの」


 俺は石造り2階建ての建物で1階に調理スペースと席、2階に席と事務所を作ってほしいということを説明した。


「なるほど。あとは直接見てから決めていきたいのう。今日だと時間が中途半端になるじゃろうからまた別の日がいいのじゃが」


「いつなら空いていますか?」


 2日後なら大丈夫ということだったからそれでお願いする。


「それじゃあ明後日に」


「うむ、よろしく頼む」


 ドルホフさんと握手をして今日の仕事は終了となった。

明日は朝に投稿するかもしれません。


よろしくお願いします。

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