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第27話 第1回サート商会全体会議

今日は2話投稿したいと思います!

「おはようございます!」

 時刻は午前9時50分、サラが俺の部屋にやってきた。


「おはよう。カインは見た?」


「いえ、見てないです。まあ、もうそろそろ来るんじゃないですか?」


 5分後


「おはようございますっす」

 カインがやってきた。


「おはよう。ん?そのかごの中身は何?」

 手には大きめのかごを持っていた。


「ハンバーグの試作品っす。朝作ってもってきたっす」


「なるほど、助かるよ」


 出来たてで保存したほうがいいだろうから、一度屋台を召喚してハンバーグをしまってからまた屋台を消した。


 ちょっと手間だけどね。


 カインも来たところで、全員が4人テーブルに座る。俺が1人側になって、カインとサラと向かい合うような感じで座る。


「えー、おっほん。それでは第1回サート商会全体会議を始めます」


「「「よろしくお願いします」」」


 3人でお辞儀をする。こういう形から入るのは大事だからね。



「最初の議題は店の場所についてだな」


 俺はナターシャさんと内見してきた物件について、もらった図面を見せながら説明をした。


 もちろん最後の1800万クローネの場所は省略したよ。


「これで説明は以上かな。何か質問はある?」


「あの、こっちの400万クローネの方の場合、内装は自分たちで注文する形ですか?」


「うん、そうだってナターシャさんが言ってた」


 建物そのものに問題さえ起こさなければ、内装は自由にしていいといわれた。


「費用も自分たちで負担するみたい」


「大きい物件ですから、魔法大工の人たちに頼むのが無難でしょうね」


 加工組み立てなどを魔法で行う大工のことだ。


 建物だけでなく、家具とか調理設備についても扱っている。


 ちなみに商会に入る際には自分の持ってるスキルの向き不向きは採用の重要な要素の一つだそうだ。


 建築商会でも大事らしい。


 もちろん例外はいるらしいけど。


「俺とカインは建築商会は不合格だろうな」

「そうっすね」


 どうやっても大工には向かないだろう。


「私は行けそうですけどね、設計士側として」


 その見え見えのドヤ顔さえなければ素直に褒めるんだけどな。


 まあ、その通りなぐらいサラのスキルって万能なんだけどね。


「とにかく、その商会に行くことも大事になりますね」


 サラがノートをメモする。サラが書記係だ。


「うん、忘れないでおこう」


「それで、2人はどっちがいい?」


 これが一番の問題だ。3人全員で納得のいく物件選びにしたい。


「自分は400万のほうの建物がいいっす。ここなら沢山料理を作ることになりそうっすから、腕をもっとふるえるっす」


 カインは料理人の目線として答えてくれた。


 確かに商店街に出すことになったら、屋台の時と仕事の内容にそれほど差は出ないだろう。


 調理スペースも多少広くなるとは言え、レパートリーを増やすほどの余裕があるかと言われれば微妙だ。


「私は反対に商店街の方がいいと考えます」


 サラは反対の意見を出してきた。


「まず、商店街の方であれば、リュウさんが言っていた通り開店にかかる資金を節約できます。それに商店街は噴水広場の近くですから、客層などを含め、屋台の時と変化も少ないので売り上げの予想がしやすいです」


「それに対して400万クローネの方は物件も広い分、多くの設備費用が掛かります。賃料から考えて今までと同じ売り上げになるようならダメです」


 サラの方はリスクマネジメントに重きを置いているのだろう。


「それに、座席を確保するということはお客さんの来る数が減る可能性もあります。ウェイターも雇う必要がありますから人件費も考えないと」


「ん?ウェイター?」

 気になる単語が聞こえたな。


「ウェイター知らないんですか?店でメニューの注文を受けたり、料理を出したりする担当の人です」


 知らないの?という目で見てくる。


「いやいや、そんなの知ってるよ。ただ必要なのかなと思って」


「いやいや、リュウさん何言ってるんですか?レストランをやるのにウェイターが必要ないわけないじゃないですか!」


「レストラン?あ!」

 ここで俺は食い違いに気付いた。


「多分サラの思っている店と俺の想像してる店は形が違うな」


 よくよく考えてみたらここ異世界だった。ファストフード店の仕組みがないのか。


「まず、俺の想定してる店ではウェイターを置かない、その代わりにレジといって注文と会計を同時にする場所を作るんだ」


「そしたら商品はどうするんですか?」


「トレーという板の上に商品をのせて、自分で運んでもらう」


「!?なるほど、そうすれば人件費も安く済みますね」


「ゴミ箱も設置するから掃除も楽にできるだろうし、色々なところでコストカットは見込めると思うよ」


「ゴミ捨てもですか!そんな仕組みがあるとは考えもしませんでした!」

 目から鱗という感じでサラが俺の話に頷く。


「それに、その方式なら店内で食べる人、持って帰る人のどっちにも対応できるからお客さんの数も減らさなくて済むよ」


 ここが一番大きなメリットだと俺は思う。商店街の方は安定しているだろうけど来るお客さんの受け入れ上限がそんなに高くない。


 色々な商品を提供できれば屋台よりもこっちの方が多くの人が来てくれるはずだ。


「売り上げが更に伸びそうですね!リュウさんの方式なら400万クローネの物件でもいけると思います!」


 よし、サラのお墨付きも得ることが出来た。


「そしたら、400万のほうの物件でもいいかな?」


「「賛成です(っす)」」


 もちろん、2人にも物件を実際に見てもらったうえで最終的な判断をするけどこれでほぼ決定だ。


「了解、ありがとう。そしたら次の議題に行こうか」


2話目は21時台に投稿予定です!


よろしくお願いします!

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