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第17話 営業報告 

おかげさまで総合ポイントが1000ptを越えました!


とっても嬉しいです!


皆さま本当にありがとうございます!

 セレド様の屋敷に行ってから3日後、午前中で店を閉めると、俺はサラを連れて商人ギルドへと向かった。


「商人ギルドへようこそ!本日のご用件はなんですか?」


「営業報告にきました」


 営業報告は各商会が1月に1回営業の状況を報告する作業のことだ。この時にギルドへの納税額も確定する。


「かしこまりました。どちらの商会でしょうか?」


「サート商会です」


 そういうと職員の人は手元の台帳のようなものを取り出して調べ始めた。


「サート商会……ナターシャの担当ですね。少々お待ちください」


 そう言い残して受付の職員はナターシャさんを呼びに行く。


 2分後職員の人がナターシャさんを連れて戻ってきた。


「リュウ様お待たせいたしました。ハンバーガー屋の噂は耳にしておりますよ。それにセレド様の屋敷にも招待されたみたいですね。あら?お隣の方は?」


「新しく雇ったサラです」


「初めまして、サラと言います。よろしくお願いします」


 サラが丁寧に挨拶する。


「こちらこそよろしくお願いします。サラさんの商会登録も後で行いましょう。ではこちらに」


 ナターシャさんに連れられてギルドの2階へと向かう。


 初めて2階に来たけど会議室みたいな部屋がいくつも並んでいた。


 ドアが開いている部屋としまっている部屋があるから他の人も使っているのだろう。


「空いてますね、ではこの部屋を使いましょう。どうぞ」


 中には机とイスと黒板みたいな板が壁に掛けられているだけのシンプルなものだ。


「会議室は扉を閉めると防音魔法がかかる仕組みになっています。なので情報漏洩などは心配しなくて大丈夫ですよ」


 ナターシャさんが椅子に座りながら説明してくれた。


「それでは早速営業報告を始めましょう。サート商会の営業報告は初めてなので最初に改めて説明させてもらいますね」


 再度聞いた説明をざっくりまとめると、すべての収入と支出を一冊の帳簿にまとめそれを提出するようにということだ。


 最初の頃は俺がやっていたが、サラが来てからはサラにまとめてもらっている。


 なんでも帳簿の付け方を実家にいたころ勉強したらしい。スキルも「演算」と言ってたし、適任だと思う。


 サラが手元に持っていた帳簿をナターシャさんに手渡した。


「それでは帳簿をお預かりしますね」


 ナターシャさんは受け取るとすぐに開いて読み始めた。


 すると


「あの、えーっと......サラさん。この帳簿支出の額が少なすぎるんですけど」


 ナターシャさんが戸惑いの声を上げる。


「いえ、間違いはないはずです。何度も確認しました」

 サラが胸を張って答える。


「ですがこれでは商売が成立しませんよ。買うものが無ければ売るものも何も無いんですから」


「これには事情がありまして……」

 どうしよう説明しないとまずいよな。


 どうやって説明しようか悩んでいると


「安心してください。商人ギルドは国から独立した組織です。守秘義務もあるので、所属している商会の情報を渡すことはありません。もちろん王国や貴族の人にもです」


「分かりました、それならお話しします」

 俺はナターシャさんにスキル屋台のことについて説明をした。


「スキル『屋台』ですか、なかなかぶっ飛んだスキルですね。このことは極秘情報として扱いますが、ギルドマスターには報告させていただきます。でないとこの帳簿の説明ができませんから」


「わかりました。それでお願いします」

 それぐらいならしょうがないよな。


「さて、そうなると総利益は……484万600クローネですね。30%なので145万2180クローネを今週中に支払いください。同時にフォースマーチャントに昇格です。おめでとうございます」


 お、早速ランクアップした。


「これに伴って年会費も月3万から月10万にかわるので、よろしくお願いします」

 年会費が高くなるのか。


「それでも商人としての信頼が高まりますから、取引、商売もしやすくなりますよ」

 まあ、それ以上の利益が出るってことだよね。


「問題は、始めて一カ月の露店がフォースマーチャントにランクアップすることですよ……前代未聞です」


 ナターシャさんがため息をつきながら言う。なんかすいません。


「いえいえ、これで私のボーナスもアップするのでこれからもどんどんやらかしてください」


 やらかすってひどいこと言うな。まあ頑張るけど。


「それで、今回ナターシャさんに相談もあるんですけどいいですか?」


「はい、なんでしょうか?」


「実は屋台をやめて店舗を持ちたいなと思っているんです」


「なるほど、店舗ですか。そうなるといろいろな準備と資金が必要になりますね」


 まずお店の場所を借りるから家賃。従業員を増やすから人件費。店の内装や調理場なんかも作らなきゃいけないから設備費。


 それに売り上げがすぐ軌道に乗るかは分からないからある程度貯金もしておかなきゃいけない。


「大まかにいえばそのようなことを考えなければいけませんね」


「そうなると、すぐには店を持つことは難しそうですね」


 準備には時間がかかりそうだ。


「選択肢として商人ギルドから融資を受けることもできます。ただリュウ様の場合いくらフォースマーチャントになったとはいえ、まだ商会に加入してから1月ですし、せいぜい100万クローネが限界だと思います」


 100万かぁ、それだけじゃ借りても意味ないな。


「ですのでしばらくは屋台のまま営業実績を残してもらうのがいいと思います」


「分かりました、そうします」


「他に質問はありますか?」


「えーっと、そうだ、これについて聞きたいんですけど」


 セレド様にもらった印章を取り出してナターシャさんに渡す。


「これはフストリア家の印章ですね。……ってえーーーーーーー!?!?!?!?!?」


 ナターシャさんが椅子からひっくり返ってしまった。


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