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第128話 ケーキ工房リニューアル

メリークリスマス!


みなさん楽しいクリスマスをお過ごしください!!

 その後、ミキサーを2台導入したおかげで作業が簡略化できるようになった。


 一つはクリーム用、もう一つは卵白を混ぜる用だ。


 どっちも混ぜるのにかなり力がいる作業だったからな。


 それに加えて、新しく従業員を3人雇ったことで人手の確保も出来た。


 おかげで増えた予約にも十分に対応できるようになったよ。



 ケーキ工房が落ち着いてきたところで、俺とサラは改めてサート商会会議を開催することにした。


 メンバーは、いつものカイン、ハンナ、クトルだ。


「今日の議題は、ケーキ工房の今後についてだ」


 一応、これまでケーキ工房はあくまで作業スペースを確保するため「臨時」ということで営業をしていた。


 それで、今後について正式に決める運びになった。


「まず先に言っておくと、ケーキ部門は今後も続けていく方向で話を進めようと思う。それは問題ないかな?」


「はい。売り上げ等を確認しましたが続けていくことが一番の最適解です!」


 サラが太鼓判を押す。


 ソフィア様の誕生日会の後、注文も大幅に増えたし十分店としてやっていけると思う。


 他のみんなも賛成してくれたので、この点については正式に決定となった。


「これに伴ってクトルを正式にケーキ工房の責任者に任命します」


 一番の功労者はクトルだからね、これに関しては自信を持って推薦できる。


「我に任せてくれてありがとうございます!必ず期待に応えてみせます!」


 クトルが堂々と宣言する。


 うん、今後も安泰だな。


「ここまでは正直俺とサラの中では決定事項だったんだけど、問題はこれからどうやってケーキ工房を営業するかなんだよね」


 正式にケーキ工房を開くとして、そのやり方については色々考えられる。


「まず、私から提案したいのは今までの予約注文だけでなく店頭販売もしてみたらいいのではないかと思っています」


 サラが一つ提案をしてきた。


「店頭販売か」


「はい、ケーキ工房を始めたときには売れ行きの予想が出来ませんでしたが、今ならば十分売ることが出来ると思います。それに現在予約販売の方で十分利益が出せているので、リスクも少ないです」


 サラによると、ケーキの噂は街中でも浸透してきているらしい。このチャンスは逃さないほうがいいという事だ。


「メニューとしては、やはり一口ケーキを売るのが一番いいかと思います。予約のケーキは金額的にかなり高いですから」


 そこで、一口サイズのケーキを500クローネで販売するのが一番良いというのがサラ案だ。


 まあ、元の世界でもマカロンみたいに一口サイズのスイーツは存在するし、俺も問題ないと思う。


「我も一口ケーキには賛成です。長方形の大きなケーキを作ってそれを一口大の大きさにするなら作るのも難しくないですから」


 クトルも賛成みたいだ。


 ハンナ、カインも賛成だったので、店頭販売もする方向に決まった。


「問題は場所っすね」


 カインが考え込む。


「あたしは今の場所のままでもいいと思います」


 ハンナが意見を言ってくれた。


「私も同じ意見ですね。先程も言いましたが、予約で十分利益が出ているので、店頭販売のために人通りの多いところへ無理に移る必要もないです。それにかえってああいう場所にある方が高級感があっていいと思います」


 サラもハンナの考えにのる。


「確かにそれは俺も思ってた」


 物件を見たときにも思ったけど、「隠れ家」的な店を作るのもオシャレでいいなと思っている。


 同じことをハンバーガーでやるのは難しいけど、ケーキなら問題ないはずだ。


「我もあの場所に愛着があるので、このままがいいです」


「じゃあ、今の場所でそのまま継続しよう」


 その後も議論を続け、店の入り口を改修して店頭販売もするという方向で話がまとまった。


 よし、そうと決まったらさっそく行動だ。



 ーーーーー



 改修工事を依頼するために俺とサラ、そしてクトルの3人でドルホフ商会へと向かった。


「ケーキの話は聞いたぞ、ソフィア様がお気に入りの料理みたいじゃな」


 ドルホフさんの耳にも届いているらしい。


「ええ、ありがたいことに」


「サート商会の勢いは止まらないのう。わしも負けてはおれんな。アッハッハッハ!!」


 ドルホフさんが豪快に笑った。


「して、今日は何の依頼だ?」


 俺たちはケーキ工房の改修工事について伝えた。


「改修工事か。分かった」


 ドルホフさんはあっさりOKしてくれた。


 元々入り口の部分は後から改修工事が出来るようにしていてくれたから、すぐに取り掛かれるという事だ。


「ちなみに、こんなものは作れますか?」


 俺はドルホフさんに一枚の紙を手渡した。


 作ってほしいものは、ケーキ屋で見かけるショーケースだ。


 あれがあるとケーキを見せながら販売できるからね。



 ドルホフさんは受け取った紙を真剣に眺める。


「面白い考えだが……これは無理じゃな」


 ドルホフさんは紙を俺に戻すと首を横に振った。技術的に無理みたいだ。


 そうなると、これまで通り収納魔法で保管する形式で行くしかなさそうだな。


 その後も話し合って、収納魔法を使うことを前提に見積もりを立ててくれることになった。


 いい結果を待とう。

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