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第118話 レイの凄さを知りました その2

「もしお時間があるならセレド様も少しお休みになられますか?」


 サラがそんな提案をした。


「いいのかい?」


「もちろんです。ですよね、お父様?」


 サラがアモードさんに話を振る。


「はい、セレド様と同じ机を囲めることはエストロンド家にとって名誉ですから」


「レインドラゴン様もよろしいですか?」


 セレド様が確認を取る。


「呼び方はレイで良いぞ。妾も構わぬ」


「そしたら、少しだけお邪魔させていただこう」


 そういって、セレド様も空いていた席に着いた。


「では、皆さんに食後のお菓子を出しますね」


 そういって俺は全員にケーキを出した。セレド様にもお出しする。


「リュウ、これはなんじゃ?」


 レイが目の前に出されたショートケーキを見ながら俺に聞いてきた。


「これはケーキといって最近うちの商会で売り始めた新商品だ」


「リュウは本当に色々なものを作るのう。それじゃあもらうぞ」


 そういってレイはフォークでケーキを大きく切り取ると大きな口を開けて頬張った。


「これは……うますぎるのじゃ!!お主やはり天才じゃな!」


 レイが口元にクリームを付けながら叫ぶ。


「この白くてふわふわしたものが舌の上で溶けると、もう口の中が天国ですね」


 メリッサさんがうっとりとした表情になる。


「今まで全くなかったものを次々生み出せるなんて、リュウさんの発想力は本当にすごいですね」


 ジャスティンさんも褒めてくれた。


 うん、喜んで食べてもらえる姿を見ると今後も自信を持って売ることが出来るよ。



「そういえば、リュウ。妹のケーキの方については順調そうかい?」


 セレド様もショートケーキを食べつつ俺に聞いてきた。


「はい、もう完成しているので大丈夫ですよ」


 誕生日会の当日にフストリア家お抱えの料理人さん達に渡すことになっている。


 俺の収納魔法が一番保存には適しているからね。それが一番都合がいい。


「そうかい。ソフィアが頼んでからずっと楽しみにしているからね」


「はい、ご期待に添うものを作らせていただいたので期待していてください」


「分かった。ソフィアにもそう伝えておこう」


 ソフィア様も見たらびっくりすると思うよ。



「そういえば、誕生日会の間レイはどうしてる?」


 俺たちはみんないなくなっちゃうからね。


「そうじゃのう、この店にでもいるかの」


「本当ならレイ様も招待できればよかったんですけど」


 セレド様が残念がる。


「何か理由があるんですか」


 直前だから用意できないとかってことかな。


「いや、準備はできるが、おそらく招待するとレイ様に迷惑がかかる」


 レイを招待したことが分かったら周りの領主がレイと関係を持とうと挨拶だったりが殺到するのではないかということだ。


「妾も面倒なことにはしたくないのう」


 貴族相手だと色々な配慮が必要らしく、レイも避けたいとのことだ。


「そしたら悪いけど、レイには待っていてもらおうかな」


「心配するでない。もともとそのつもりだったからの」


 まあ、それならいいか。


「明日店のみんなを紹介するから。当日はみんなと過ごしてほしい」


「もちろんじゃ。リュウの信頼する者なら妾はいつでも歓迎じゃ」


 そう言ってもらえると嬉しいよ。



 ーーーーー


「今日は帰るぞ。また明日の」


「では、皆様2日後にお会いしましょう」


 レイ、ジャスティン様、ルナさんの3人は今日の宿へと戻っていった。


「我々もこれにて」


 アモードさん達も帰っていった。


「リュウ。今日のことは改めてお礼を言わせてくれ。リュウのおかげでレイ様にお叱りを受けるどころか名前まで覚えていただけた。フストリア家としてこれ以上の誉れはない。感謝する」


 そう言ってセレド様が頭を下げる。


「いえ、自分は何もしてないですから」


 ただレイのところに案内しただけだからね。


「その謙虚さがレイ様に好かれる理由なのだろうね。もっと自慢してもいいものを」


 セレド様が笑う。


「自慢したいわけではないので」


 レイのことも普通に友達と思って接しているからね。


「私もリュウと今まで以上に親しくしていきたい。もし何か困ったことがあったら1人の友人として頼ってほしい」


「ありがとうございます。そう言っていただけると嬉しいです。私も友人としてセレド様をお支えしていきたいと思います」


「ああ。よろしく頼む」


 俺とセレド様は固く握手した。


「私もそろそろ時間だ。また2日後に会おう」


 そう言い残すとセレド様は馬車に乗って城へと戻っていった。


「リュウさんには不思議な力がありますね。本当にどんな人とも仲良くなりますから」


 サラがセレド様の馬車を見送りながらそんなことを言った。


「俺は特別なことをしてるつもりはないけどな」


「そのうち世界中の人と知り合いになるかもしれませんね!」


 サラが笑った。


「そんなわけないだろ。ほら、閉店の手伝いをしにいくぞ」


「はい!」


 俺とサラは店内へと戻った。

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