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第109話 オブリナ・サート杯

 休み時間、会長室にいると


「リュウさん練習しませんか?」


 サラがオブリナのセットを部屋にやってきた。


「いいね、やろう」


 ここ数日、サラとオブリナを繰り返しやるようになった。


 大会に向けて少しでも自分の腕を上げておきたいからね。


 最近他のメンバーも休憩時間にオブリナをやっているところもよく見かける。


 ただ、みんな手の内を明かしたくないのか特定のメンバーで打っていることが多い。


 俺はサラと打っているが、ハンナはクトルと、ジェフはカミラと打っている。


 そう考えるとアレンが打っているところは見たことがないな。


 どこか別の場所でやっているのかも。


 大会が終わったらみんなに勝負を申し込んでみよう。



 大会3日前、大会参加者の申し込みを締め切った。


 目標通り48人集まってくれてよかったよ。


 この結果、3人一組で16リーグを作り、そのうちの1位が決勝トーナメントに進出する形にすることにした。



 前日の夜、早めに店を閉めると大会の設営を始める。


 まあ、今回の大会は机とオブリナ、あと時計さえあればいいから準備はそれほど時間はかからなかったけどね。


 店内の机の配置を変えて、対戦しやすいような形に移動させていく。


 その関係で余った机とかは収納魔法にしまっておくことにする。


 あとは、一番目立つ部分にトーナメントの表を張り付けたら準備は終了だ。



 明日は優勝を目指して頑張ろう。



 ーーーーー


 当日、10時から大会を開始するため、9時から参加者受付を開始する。


 常連の人たちはもちろん、小さい子供から大人まで多くの人が来てくれた。


 今日は店全体を大会会場として使うため、ソルーン・バーガーの営業形態も特殊なものにした。


 まず、入り口に設置した受付用の机で受付と同時に参加費であるバーガー・セットのチケットを購入してもらう。


 人によって食べたいタイミングはそれぞれだからね。チケットをカウンターで渡して受け取る形にする。


 もちろん、追加で食べたい人のために通常のカウンターも開いておく。


 受付をしていると、魔道具の眼鏡をかけたセレド様がやってきた。


 騒ぎになっていないし、周りの人は気づいていないんだと思う。


 後ろにモードンさんではないが、1人男の人がついている。多分護衛の人だな。


 ちなみに、セレド様には安全面を考慮して、今回の大会ではセロルドという名前を使ってもらう。


 セレド様にも楽しんでもらえるように頑張ろう。


 ーーーーー


 時刻が10時になった。開会のあいさつをしよう。


「お集りの皆さん、本日はお越しいただき誠にありがとうございます。これから大会の説明をしてまいりますのでよろしくお願いします」


 スケジュールとしては10時30分から予選を開始して


 休憩を含めて15時から決勝トーナメントがスタート


 決勝戦は19時からで終わり次第閉会式だ。


 計算上は6回勝つと優勝だ。


 オブリナのルールとしては各持ち時間25分の切れ負け制。


 この方式ならスケジュールも組みやすいからね。


 予選は全員が一勝一敗で並んだら、勝った対戦で残した残り時間で決めることにした。


 これが完全に公平であるかは分からないが、再戦できるわけじゃないからこの方式で行こうと思う。


「説明は以上になります。それでは、大会開始です!」


 俺の合図で大会が始まった。


 緊張してきたな。



 ーーーーー


 抽選によって予選グループを振り分けられた結果、俺はクトルと同じグループになった。


 しかもグループの第一試合も俺対クトルだ。


 緊張の一戦だな。


「よろしくお願いします」

「こちらこそお願いします」


 オブリナの盤を挟んで挨拶をする。


「負けないからね」

「いえ、我が勝ちます」


 お互い気合は十分だ。


 クトルが歩兵を動かすところから始まった。


 最初はお互い自陣の戦型を整えていく。


 この時の組み立て方はサラに教わった。


 あれ?


 クトルの陣営に穴を見つけた。誘っているのかな。


 他に選択肢もなかったのでその誘いに乗ってみることにした。


「……不味い」


 クトルがボソッとつぶやいた。


 作戦と言うよりはミスだったみたいだな。よし、ここから攻めていこう。


 20分後


「参りました」


 クトルが降参した。


 先程の攻め込みから俺の優勢をキープした形になったな。


「悔しいです!!」


 クトルが本当に残念そうな顔をする。


「クトルも強かったよ」


 この前の会議で、古の魔物の目とか言い始めてたから振りなのかなと思ってたけど普通に強かった。


 終盤戦なんて俺がミスすれば逆転されたかもしれないくらいだ。


「また対戦しましょう!次の試合も頑張ってください!」


「ああ、またやろう」



 こうして初戦を無事に勝つことが出来た。


 この勢いで予選を突破したい。

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