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翔龍騎伝 ドラゴン・ライダー! 第3章 キル・ラルの遺跡 Act3

現れたのは魔物。

そして退治すると・・・?

振り向いた泉の中から現れ出て来たのは?!



「「リザードマンよ!」」


眼にした瞬間に体の中に宿る、女神ミレニアの声が教えてくる。


泉から飛び上がって襲い掛かろうとする人外の魔物。

水属性の魔物は鱗に包まれ、緑がかった身体をくねらせてサエに躍りかかろうとする。


「あわわっ?!いきなり出てくんなぁっ!」


慌てたサエが咄嗟に翔龍ドラゴニスを呼び出そうとするが。


「なに呑気に召喚してるんだよ!逃げなきゃ捕まるよ!」


リュートに撃退を指図しながら叫ぶが、当のサエは構わずピンクの翔龍ドラゴニスを呼び出す。


「アタシにはこの子が居るんだから!」


リュートがリザードマンに襲い掛かるよりも早く、ピンクの豹がサエを護る様に現れ出た。


「おおっ?!早いっ?!」


ミコもその素早い召喚術に感嘆の声をあげる程、サエの技は見事に観えた。


「いやぁーん?!」


しかし、ピンクの豹が立ちはだかる頭上を飛び抜けたリザードマンが、直接サエに掴みかかろうとしてきた。


「馬鹿っ!ぼさっとしていないで、避けなよ!」


想定外の攻撃だったのか、豹も主を庇い切れなかった。

素早い召喚に自信があったのか、それともタンに慢心していたのか。

サエはリザードマンの攻撃に対処出来ていなかった。

ミコもサエの技に感心していた為に、咄嗟には行動出来なかったのは同罪だったのだが。


「ホンじゃ、こいつは俺が貰うぜ!」


白金の翔龍ドラゴニスが掴みかかろうとするリザードマンの脇から割って入った。

鋼の鍵爪が水属性の魔物を切り裂く。

一撃で致命傷とはならなかったが、手酷いダメージを与える事は出来たようだ。

肩から袈裟斬りにされたリザードマンは身を翻して泉の中へと逃げようとする。


「逃がすかよ!」


リュートの動きはリザードマンに勝っていた。

水の中へ逃げ込まれる前に、背後からの一撃が加えられ・・・


(( ボシュ ))


とどめを刺されたリザードマンは紅き魔法石を残して消え去った。

掻き消えた魔物の魔法石を咥えたリュートがミコの元へと戻って、


「なぁミコ。これを食わしてくれないか?少しでも魔法力の補給になると思うんだけどな」


魔力を使っている現状を維持する為にミコに頼んで来た。


「うん、いいよ。まだ魔物が居るかも知れないし・・・」


そう答えたミコに横合いから。


「アーンタァ!アタシの獲物を横取りするなんて、ズッコイわよぉ!」


サエが無理強いを言う。


「あのねぇ、危ない処を助けて貰ったのに。よくもそんな減らず口がたたけるなぁ?」


呆れたミコが肩を竦めて言い返すと。


「あ・・・いや・・・アンタに任せるわ・・・」


急に言葉を変えてくるサエの眼に映ったのは。


「えっ?!」


挿絵(By みてみん)


遠くを見る目になっているサエの視線を探ったミコの眼にも。


「う・・・そだろ?」


泉の中から、大量のリザードマンが沸き上がって来るのが観えた。


「わわわっ?!リュートぉ、のんびり魔法石食べてる場合じゃないよ!」


リザードマンの魔法石で魔力の補給を行っているリュートへ、


「こんなに多くの魔物が徘徊してるなんて!」


このまま進むのか退くのかの判断を下しかねて訊こうとしたのだが。


「ミコ!背中に乗れ!強行突破するぞ!」


翔龍ドラゴニス本来の力をみせると言ってきた。


「空中に避難しつつも、奥地へと向かうからな!」


腰を下げて招くリュートに飛び乗ったミコが、


「サエさんっ!君の豹は飛べるの?」


振り返ってピンクの豹が空を飛べるのかと訊ねる。


「飛べないけど、飛ぶくらいのスピードを出せるわ!

 アンタの後を追う位、朝飯前なんだからね!」


気にしなくてもよさそうな気がしてくる。

仮にも翔龍騎ドラゴンライダーなのだから、リザードマンの群れ如きにやられる筈もない。


振り返ったミコの眼に、豹に跨り駆け出したサエの姿が映った。


「逃げ足だけは本当に素早いか」


ふふふっと笑いが込み上げてくるほど、空に登ったミコの心が軽くなっていた。






草原を抜けて、泉の位置を越え・・・


空に上がったミコとリュートは遺跡が何処に存在しているのかを探がす。


森が鬱蒼と続く中に、ポツンと一か所だけ穴が開いている。


岩場の様に観える場所には、人工物の石柱が建っているのが解った。


目的の遺跡はどうやらそれっぽかった。



「リュート、直接あそこ迄飛べるかな?」


ミコが下界の森の中には魔物が徘徊していると踏んで、闘わずに辿り着こうと訊いた。


「うーん、なにか結界の様な物でも貼られていたらやっかいだしな。

 直前まで行くのはいいけど、直接は危ないと思うぞ?」


「そっか、それもそうだよな。じゃあ、近くに降りて様子を探ろう」


リュートの意見に納得したミコが手綱を引いて地上を目指しながら、サエがどのあたりまで来たのか観ると。


「ほほぅ!言ってただけの事はあるな。もうあそこ迄来てる」


森の中を素晴らしい速さで駆ける一匹の豹を眼で追い、サエが自慢げに話した事が嘘ではない事を知った。


「ミコ、アイツも半端な翔龍騎じゃない事だけは本当のようだぜ?!」


もしも敵に廻したら、厄介な相手ではあると思うリュートの言葉に頷くミコが、


「今は共同してるんだから、余計な考えは辞めておこうよ」


リュートが何を想って呟いたのかを感じ取って、余計な詮索をしないでおくように言う。


「まあな、遺跡の中で何があるのかも分からんのだから。

 アイツがなにを仕出かすか、注意を払うだけはしておくがな」


ミコの安穏さに、少しだけ注意を促しながら地上へと向かうリュートだった。

石柱の見える場所へと降り立つや否や、サエが追い付いて来た。


「アンタ達!気が付いた?

 この森の中は魔物だらけなのよ?」


走り抜いて来たサエが声を張らせて教えてくる。


「こんな森が街の近くにあるなんて。

 少し前に通った時には居なかったのに・・・なぜなんだろう?」


サエが豹から飛び降りて後ろを振り返って不思議がっていた。


「サエさんは前にここを通った事があるの?」


リュートから降りたミコが怪訝な顔で訊くと。


「そうよ、アンタ達がレッドアイを滅ぼすちょっと前。

 オレゾンの街に来る前に。

 あの時には森の中にもこんなに魔物は居なかったわ」


サエの言葉が真実なら、少しの間に魔物が現れたという事なのか。


「なにか変ね。

 まるでアタシ達が来る事が解っていたみたいに・・・魔物が増えた。

 遺跡にある秘宝を渡したくないみたいに、闇の者が護っているみたいに・・・」


何時になく真剣なサエの意見に、ミコもリュートも異変を感じ取る。


「それだけ魔物達にとっても大切な物が隠されているのかな?

 それとも、人間から護る理由が他にあるのかな?」


遺跡に隠された秘密が何なのか。

遺跡にあるとされる魔法力を引き上げる物が何なのか。


梢から観える石柱を見上げながら、ミコはこれから始まるクエストに身を引き締めるのだった。



キリがないから脱出を計るミコ達。

そして目的地へと辿り着く。


遺跡の中には何が待ち構えるのか?

秘宝とはどんな物なのか?


次回 第3章 キル・ラルの遺跡 Act4


遺跡に突入すると、待って居る物は?ああ、ダンジョンの掟ですな、判ります!

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