#5 ロリっ子が鑑定スキルで遊ぶ話。
私のビックリステータスを見てから数分。
街の冒険者らしき人に付いて行ったところ。巨大な建造物が現れた。
木造っぽいかな。焦げ茶色の堅そうな木で作られている。
離れてるけど……鑑定出来るかな?
【サウスギルド支部】
国際組織、ギルドの西区支部。
ああっ、違うんですそっちじゃないんです。材木の性質が知りたかったんだけど……
対象物を限定しないと、全体を鑑定するのか。つまり、詳しく調べるには触るのが一番良いと。
今度はきちんと木に触れながら、鑑定。
【ボンクの木】
断熱性に優れた木。比較的加工もしやすい。当該物には撥水性の塗料も塗装してある模様。
ん? 塗料を塗ってあるのか。
【ジャンブル液】
焦げ茶色の撥水性に優れた液体。主に塗料として使われる。ジャンブルの実の果汁を精製して出来る。味はジャンブルの実同様苦い為、子供の誤飲防止にも使われる。
おお、試しに、鑑定によって出た文字を鑑定してみたら、関連項目が出てきた。
ジャンブルの実か。鑑定してみよう。
【ジャンブルの実】
硬い殻に覆われた黄色の果実。その味はとても苦く、食用には向かない。
なんか、あれだね。ウィキペディアで、最初は半減期について調べてたんだけど、気がついたら聖書について調べてた、みたいな。
そんな経験無いけど。
ギルドの建物に同じ紋章が幾つもある。円に盾と矛が描かれている。そして『World Guild』の文字が。
鑑定。
【ギルド紋章】
全世界共通のギルドのシンボル。ギルド、もしくはギルドグループに加盟している、信用の置ける施設のみ掲揚を許されている。
ギルドグループについて鑑定。
【ギルドグループ】
およそ二百年前に大賢者、ベリローグにより設立された国際組織。全世界二十六の国の内、実に二十一の国が加盟している。
おお、凄いな。結構仰々しい組織なんだなぁ、ギルドって。
まあ、鑑定の勝手がまたひとつ判ったところで、早速ギルドに入ってみましょうか!