#4 ロリっ子が自分の能力に慄く話。
大通りを歩きながら。
シャクっとおっちゃんにもらったりんごを齧る。
元の世界のものよりみずみずしい。果汁も沢山あって、美味しいぞ。
というか、りんご食べ始めてからわかったけど、私、お腹減ってた。
それもりんごのお陰でちょっとマシになった。
りんご、鑑定してみるか。
【食べかけのりんご】
食べかけりんご。まだ可食部分がある。
マジか。食べかけのりんごは食べかけのりんごとして扱われるのか。
……あ、そういえば私の能力みてないや。
自分で自分の体に触れ、鑑定。
【 名 前 】
【 Lv. 】1
【 種 族 】転生者
【 職 業 】
【 体 力 】12/12
【 魔 力 】982384/9823
84
【 攻撃力 】3
【 防御力 】4
【 敏 捷 】34
【 状 態 】空腹
【 技 能 】特記無し
【 修得済魔法 】無し
ブフォっと思わず食べかけのりんごを街中で吹き出してしまった。誰にも掛からなくて良かったけど……
何だ……これ……
名前が無い、のはこっちの世界の話か。判った。
種族は転生者になるのか。うん、事実。
体力や攻撃力が低いのも頷ける。そして、比較的敏捷が高いのも頷ける。
なんだこの魔力。
ゲームがバグって桁が表示できないみたいになってるじゃん。
なんだよ九十八万って。やばいでしょ。魔法使い放題じゃん。
……まさか、レベル上がったら魔力も上がらないよね?
まあ、多すぎて困ることは無いだろうけど……ちょっと、これは……
ぬるーくなるのでは?