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#23 ロリっ子が新たな街で元騎士に出会う話。

累計PVが5,000を突破しました。

これも偏に読者様方のお陰です。有難う御座います。

 

『我々が見送れるのは此処までだ。達者でな』

 四日かけ森を抜け平原に出ると、ボスから一言。

「うん。ありがとうね。そっちこそ元気で」

 いやあ、良い狼だったな。なんだかんだお肉あげればタクシーしてくれるし、もふもふさせてくれるし……

 よし! 私も頑張らなきゃ!

 えと、森を抜けたらもうアルートルが見えるはず……


 ……ああ、あの巨大な壁だろうか。

 かなり遠目だが、高い、幅が広いの二点が確認できる。ヒマシの街の二倍は高いな。

 よっしゃ! 頑張るぞ!






 街に入る前、衛兵さんに止められた。ギルドカードを見せたので特に通行料なしで通れた。

 まず、ギルドでこの四日間、倒した獣の素材を売りに行った。

 次は、なんてったってアレだろうな。コロシアム! 日本じゃそんなの見れないから見てみたいのだ!

 どうやらコロシアムはこの街の目玉コンテンツらしく、街のど真ん中にあるらしい。



「ふぉあああ!? でけぇえええ!!」

 なんていうんだろう。コロッセオが健在だったらこんな感じなのだろうかという形状。

 おっきい円柱型。運の良いことに、もう少しで試合が始まるらしい。

 見物料を支払い、中へ。ケチって立ち見席にしたけど。

 会場は凄い熱気に包まれている。

 なんか偉い人用っぽいVIP席もある。屋根もついてて涼しそう。

 あ、始まるっぽい。



「さぁさぁ皆さん! 本日はお集まり頂き有難う御座います! さて、皆さんも待ちかねているでしょうから早速試合と行きましょう! 先ずは赤ゲート! 元騎士にして、現冒険者! 先日コロシアムに入ったばかりという異例の経歴を持つ彼! まさにダークホース! 未知数の力を見せてくれ! キュリア! ビルバードォォ!!」


「おいおい! 丸腰かよ!?」

「いや、よく見てみろ! 腰にちっちぇえナイフぶら下げてるぜ!」

「あんなのでアイツを倒そうってのか!? はっはっは! 自殺志願者かぁ!?」


 会場が沸く。赤い旗が掲げられたゲートから入ってきたのはいたって普通の男性。二十代前半くらいかな? 遠すぎてよくわかんないけど。

 観客の言う通り、簡単な服しか着ていない。防具もつけていなければ、武器と言える武器はちっちゃなナイフ一本だ。

 会場に向かって適当に手をヒラヒラと振っている。大丈夫か?

「青ゲート! 今まで何人もの死刑囚を屠ってきたまさにマーダー! ブラウングリズリィィィ!!」

 続いて青のゲートからべらぼうな体躯のクマが出てくる。ヒグマかよ。アラスカの。

 ああ、これ、キュリアとかいう人、死んだな。

「レディー……ファイッ!」

 カーンとゴングが鳴らされた。その瞬間、スイッチが入ったかのようにキュリアに突っ込んでいくクマ。

 キュリアは……まさかの仁王立ち。それどころか右手をポケットに突っ込んでいる。

 左腕をぐるぐる回し……ああ、もうクマにやられる……


 会場の誰もがそう思った時、キュリアは大きなクマを背負い投げした。


 大きい地響き。それをかき消す喝采。


 クマは何が起こったのか理解出来ていない様だった。キュリアはまた、客席に向かい手をヒラヒラを舞わせている。

 クマが体勢を立て直す。激昂している。まあ、そりゃあなぁ。

 キュリアはナイフを逆手に持ち、クマが来るのを待っている。

 突進。クマの爪がキュリアの左腕にモロに入った。

 ……が、ピンピンしているキュリア。左腕には傷一つついていなかった。そして、クマの首筋にナイフの一撃を叩き込んだ。

 噴き出る鮮血。沸く客席、返り血で赤く染まるキュリア。

 自分と同じ、赤の旗が掲げられたゲートに帰って行った。



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