#14 ロリっ子が魔力を解放する話。
蓋。私の中にある、蓋。力の流れ、それを縛るもの……
意識の奥底に何やら塊の様な物を感じた。大きな大きな塊だ。
見つけた。これだ。それは少しずつ少しずつ、体に力を放っていた。
それに触れる様に、解きほぐす様に、体に回す……
私が塊に触れた瞬間、その塊は爆発した。
「おおっ! これが魔力!?」
体から力が溢れ返る。
サザンさんが水筒の水を噴き出した。
「ダメッ!! 今すぐ押さえ込んで!!」
押さえ込む? 魔力を?
また塊に押し固めるようなイメージ……
……うん。大分抑えられた。
「あ、危なかったぁ……あのまま魔力を垂れ流してたら、アイリスちゃん死んでたよ!?」
え。そ、そうなんだ。気をつけないと。
「す、すみません……」
「……まあ、生きてるからいっか。それにしてもアイリスちゃん、凄いね! これは強くなるよ! こりゃあ私もうかうかしてられないなぁ」
えぇ……なんて適当な……
……あ、そういえばサザンさんのステータス見てないな。
鑑定してみる。
【 名 前 】サザン・クロス
【 Lv. 】796
【 種 族 】人間
【 職 業 】魔術学者
【 体 力 】4511/4577
【 魔 力 】19827/20987
【 攻撃力 】768
【 防御力 】908
【 敏 捷 】798
【 状 態 】水分欠乏
【 技 能 】《魔力解析》
《魔術学者の権威》
《属性変換》
【 修得済魔法 】《状態保存Lv.68》
《竜巻Lv.98》
《雪崩Lv.54》
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「」
「どうしたの? アイリスちゃん」
な、なんだこのチートじみたステータスは。やっぱりノーザンさんの血縁者? だけはあるな。
というか、まだ水分欠乏って、どれだけ喉乾くんだこの人。
職業、魔術学者……って、幾ら貰ってるんだろう?
「それにしても、アイリスちゃんはセンスがあるね! 魔力も多いし、将来が楽しみだよ!」
え、えへへ、そうかなあ? でも、サザンさんが言うならそうなのかな……
あ、そういえば、私のステータスはどうなってるんだろう?
【 名 前 】アイリス・ペンタゴン
【 Lv. 】2
【 種 族 】転生者
【 職 業 】冒険者
【 体 力 】14/14
【 魔 力 】9867/182779
8
【 攻撃力 】4
【 防御力 】4
【 敏 捷 】47《+23》
【 状 態 】健康
《北十字星の加護》
【 技 能 】《鑑定》
《アイテムボックスLv.Max》
【 修得済魔法 】《獄炎》
《回復》
《閃光》
あれ? レベルが上がってる……?
「じゃあ、今度は魔法を覚えてみようか」
「あの、それなんですが……」
サザンさんに回復を修得していることを伝えると、酷く驚かれた。
なんで魔力操作が出来ないのに魔法は使えるのかと。
そこはなんとか誤魔化した。
「じゃあ、私にかけてみてよ!」
と、笑顔で言うサザンさん。
魔法のかけ方……まずは、自分の体に満遍なく、滑らかに魔力を循環させる……
体に満遍なく……あっためるイメージ……
「……回復」
そう唱えると、サザンさんの体が薄い緑色の光に包まれる。
「うわぁ、凄いじゃん! 詠唱破棄まで出来るんだ!」
えへへ……まあ、私も褒められるのは嫌いじゃないなぁ。
でもここまでベタ褒めされるとなんか気恥ずかしい。
「あとは魔力を常時落ち着かせるのを忘れないでね。鼓動と同じで、緊張すれば魔力の流れは歪んでしまう。すると魔法も暴走する。まあ、アイリスちゃんなら出来るだろうけど」
うわあ。凄いお墨付き貰っちゃった。
「じゃあ、私の報酬10,000フェルで今夜はパーッとやっちゃいますか!」
「おお!」
いやあ、サザンさんがいい人で良かった。




