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ひょんひょろ侍の辞典。

今回はひょんひょろ侍の辞典です。


辞典と云っても、あ行から始まったりは致しませんけれども。


では、ご参考までにお楽しみくださいませ♪

  ひょんひょろ侍 人物・此の国辞典。




 〖茅野家(かやのけ)〗の人物。



 『ひょんひょろ』


 本名・年齢・出身地は一切不明。


 背丈は(およ)そ七尺(此の国での尺貫法基準。現在なら約2m10㎝)で、かなりな痩せ型。


 癖のある独特なしゃべり方とモノの表現方法を用いるきらいがある。


 身分は茅野家当主『(かや)野内(のない)(ぜんの)正千舟(かみせんしゅう)飯井槻(いいつき)さま』の直臣で、彼女に深く信頼される股肱之(ここうの)(しん)でもある。


 本作の主人公の一人。




 『(かぬ)鹿()兵庫(ひょうご)(すけ)(ちか)(とし)


 神鹿家当主で、(よわい)は数えで二十八歳(満二十七歳)


 茅野家に臣従する外様で、山間部に所領二万五千貫(のちの世で五千石相当)を領する土豪の一人。


 前々の茅野家当主である『茅野六郎寿(ひさ)(たけ)』によって親子ともども取り立てられた人物で、現在中老職筆頭でもある。


 背丈は(およ)そ四尺六寸(約1m38㎝)の筋骨(きんこつ)隆々(りゅうりゅう)たる人物だが、余りにも背が低いため、一見そうは見られない可哀想な男。


 飯井槻さまと茅野家の御為(おんため)(むく)いようと、今日も生真面目(きまじめ)に与えられた職務に励むが、それ(ゆえ)に抜け作でもある。でもそれに一切くじける気配はない苦労人。


趣味は農本書や兵法書などの実用本の読書と、築城や治水事業に農地創生などの土木事業。


 先祖代々武家のフリした根っからの〖土建業者〗ではないかと噂される一族を率いる。


 居城は無駄に攻めにくい入り組んだ山地に、無駄に防備を施した要害【神鹿山城】


 本作の主人公の一人。




茅野(かやの)千舟(ちふね)


 現・茅野家の当主で、(よわい)は数えで十七歳(満十六歳)

 ひょろひょんと兵庫介を家臣に持つ身である。


 此の国の守護(しゅご)(しき)(くに)主家(ぬしけ)〗の中老職筆頭で、茅野郡・彌窪郡・錐隈郡の政権を仮託された守護代でもある。


 現代風での本名は『茅野千舟』ではあるが、正式な官名では『藤原内(ふじわらのない)(ぜん)正千舟(かみせんしゅう)』。他に『(かや)野内(ののない)(ぜん)正千舟(かみせんしゅう)』であるが、親類縁者や家臣、領民からは通称である『飯井槻(いいつき)』さまと呼びならわされるのが通例である。


 背丈は四尺七寸(141㎝)と、当時としても小柄な部類の華奢で色白、尚且(なおか)つ巷では日ノ本一との呼び名も高い超が付く美少女でお姫様だが、下ネタが好きすぎるきらいがあり、またその思考方法も他の人物と比べ(ゆが)んでおり、それ故にか、自らが路傍より見出した直臣の名前にも好みが色濃く反映されている。


 居城は、兵庫介が半日で攻め落とせる程度の規模しかないと言わしめた【飯井槻山城】


 居館は、平安時代の寝殿造りの屋敷を大体そのまま使用しており、防備と呼べるものは一重の堀くらいの【あお陽花じさいやかた】である。


 趣味は詩歌(しいか)。好きな歌人は高橋(たかはしの)(むし)麻呂(まろ)


 未亡人。





 『さね』


 飯井槻さまに仕える〖娘侍〗で、年齢は数え年で十三歳(満十二歳)本名・出身地は不明。


 いつも陽気に振る舞い、ひょんひょろの愛馬の鎧の中で歩く馬に搔きついて眠るなどの奇行も多いが、深志屋敷でえらい目に遭った兵庫介を気遣い、甘葛と生姜の汁を溶かした湯で慰めるなど優しい一面を持つ。


 しかしその気性は激しく、気に入らないことがあるとすぐさま暴力に訴えるきらいがある。


 下ネタ大好き飯井槻さまに名を与えられた被害者の一人。その名を古語辞典で絶対調べてはいけない。作者との約束だよ?ダメ絶対!




 

 『やり伊蔵いぞうこれより


 飯井槻さまに仕える武士で『ひょんひょろ』や『さね』に『羅乃丞』とは同輩の間柄。


 本名・年齢・出身地は不明。背丈は六尺四寸(1m92㎝)。


 飯井槻さまの命を受け、東の三家の謀反の有様を偵知していたらしく、その動向に詳しい。


 常に腰に大太刀を佩いており、また気配を消して兵庫介の前に現れた為、彼を驚かせた。


 下ネタ大好き飯井槻さまに名を与えられた被害者の一人。この名を正々堂々と戦場や他家を訪問した際に名乗れることが出来るのかは、まだ明らかにはされていない。 





かりすけきんてき


 飯井槻さまに仕える涼やかな若い武士で『ひょんひょろ』や『さね』に『鎗田伊蔵惟頼』とは同輩の間柄。


 本名・年齢は不明。出身地は恐らく近江国。背丈は五尺四寸(1m62㎝)と、当時では高い部類の身長と均整の取れた体躯を持つ男。


 祖父の代までは武士であったらしいが、その後没落し、父の代より連雀商人(行商人)を生業としていた、もしくは元々は武家だった関係からか、今日の公家や寺社の有力者とも繋がりを持つ教養人でもある。


 下ネタ大好き飯井槻さまに名を与えられた被害者の一人。だが気にせず名を名乗っている様子である。





(たま)


飯井槻さまに仕える侍女の一人で、背丈は飯井槻さまより僅かに高く、同じく侍女の『ふみ』よりは頭ひとつ低い。丸顔の童顔で可愛い系少女。だが、性格はやや勝ち気で仕事の飲み込みも早い。


『ふみ』とは大変仲が良く、親が取り仕切る村も隣り合わせで幼なじみ。


人と話すときは、真っ直ぐ相手の眼を見て話す癖がある。




『ふみ』


飯井槻さまに仕える侍女の一人で、背丈は飯井槻さまより頭ひとつ半高く、『珠』よりも頭ひとつ分高い。


性格は『珠』とは違い、ゆったりしており所謂天然系で、美少女と云うよりは色白美人の少女。


何事にも自然体でふんやり接しているが、それでいて物事の核心を無意識に気付ける頭の良さを持つ。


『珠』とは大変仲が良く、村が隣り合わせで幼なじみ。





 

 〖かぬ鹿家〗



 『うてなぜん


 神鹿家随一の剛勇の者で、その名は同じく戦上手で知られた深志家家臣『たるげん次郎じろうまさとき』も敬意を表すほど。


通称〖鬼左膳〗


 背丈は六尺三寸(1m89㎝)で赤ら顔の偉丈夫。年齢は兵庫介と同じ数え年で二十八歳(満27歳)


 見るからに山賊然とした容貌の持ち主で行動も粗雑だが、ひょんひょろに言われるままに茅野屋敷の掃除に精を出し、しかも丁寧にやり遂げて見せるなど結構細やかな精神の持ち主。


神鹿家では馬廻筆頭を務め、尚且つ兵庫介とも幼友達である。


 年齢が一回りか、それ以上年下の童女の様な妻がいる。




 

 『わらびさん太夫だゆうよしちか


 神鹿家に臣従する蕨氏の当主にして兵庫介のお気に入りの人物。


 見た目も性格も右左膳と同じく山に住まう山猿らしく、ド田舎者で基本無教養ではあるが目端が利き、敵の早期発見や情報の収集に長けている。


 自身の率いる蕨氏は山地の零細土豪であるらしく、茅野屋敷での謎の饗応の際に無駄に感激しており、また兵の増強を行って国主家が居城【季の松原城】に赴いた際の人数も僅か二十数人であった。




(つた)(まき)()衛門(えもん)(とし)(ちか)



神鹿家の軍陣では一ノ(そなえ)の指揮官である。


上記の右左膳や蕨三太夫とは一味違い、堅実さと冷静さが売りの武将である。


急遽、兵庫介率いる茅野家行列の先頭に抜擢され、季の松原城の二ノ郭御殿に赴く事となる。





 






 〖(ふか)志家(しけ)〗の人物。




 『(ふか)志弾(しだん)正少弼(じょうしょうひつ)(さだ)(はる)


 現・深志家当主にして歴戦の老武将。


 元々は足利将軍家に仕える奉公衆(軍事官僚)の一人で、同じく国主家に仕える東の三家『印南家(いんなみけ)』『神嶌家(かみしまけ)』『河埜家(こうのけ)』とも同輩の身分であった。


 応仁の大乱のある時期に、国主様に気に入られたのをきっかけに、軍事的才能を発揮して国主家三家老の三番目(軍事担当)に名を連ねる。


 容姿は兵庫介を始めとした格下の連中から、『(かわ)(ぶくろ)』と渾名(あだな)されるほど分厚い皮膚が緩んだ相貌(そうぼう)をしている。


 居城は領地である深志郡の丘陵に築造されている【柳ヶ原城】。


 深志家による下剋上にて此の国の乗っ取りを企む男。





 『(ふか)()壱岐(いきの)(かみ)貞光(さだみつ)


 深志弾正少弼貞春が嫡男(ちゃくなん)にして、戦国初期の引き篭もり代表。


 日頃は深志家の居城である【柳ヶ原城】の居室に住まい、めったな事では表に出てこない人物。



 『深志孫四郎(ふかしまごしろう)(かつ)(さだ)


深志弾正少弼貞春が息子。他に三人の兄が居たが貞光以外は早世したため事実上の次男に当たる。


 背丈は六尺八寸(約2m4㎝)の筋肉ダルマ。


 極少数同士の(いくさ)においては、自身の(たぐい)まれなる身体能力も手伝い無双できるが、こと戦そのものにおいては力押ししかできない為、相手方に攻勢を耐えられるか(おさ)え込まれるか、またははぐらかされたりすると、指揮する軍勢は直ぐに威力を失い失速、崩壊しがち。


 突撃馬鹿。


 そんな彼には、たれにも言えない秘密があるのは本作を読んで堪能すべし。


 深志家から茅野家に提案された、飯井槻さまの次期(じき)婿養子(むこようし)であり、それ故、動乱の一方の原因でもある。


 


(ふか)()越前(えちぜんの)(かみ)


 深志弾正少弼貞春が実弟で、壱岐守と筋肉バカの叔父。

 

兄である弾正の意をくみ、外交に軍事にと忙しく陰で働いてる男である。







(そい)()()



(そい)()()()(もん)(じょう)(もと)(のり)

現、添谷家当主にして()()金三郎の甥っ子。


惰弱を絵にしたような人柄で、変化を嫌い、同じ毎日を繰り返し過ごすことに人生観の全てが詰まっているお方。





()()(きん)三郎(さぶろう)(もと)(きよ)


  現、添谷家の叔父にあたる名ばかりの三番家老。


兵庫介によって通称[汚()(じい)様]とつけられるくらい、何から何まで汚くおつむもヤバイお方。


彼の生きざまは本編で確認して頂きたい人物。






国主(くにぬし)(さま)


 此の国を治める、鎌倉時代から続く守護職の老齢の男性で、名前でさえ全く明らかにされない国主家の当主。


 居城は豪華で、無駄に居館や幾つもの御殿が立ち並び此の国の象徴でもある巨城【松原まつばら城】である。


    

  備考  此の国屈指の〘阿呆〙もの。





 〖慶長の世の人々〗



 『老尼さま』


 とある寺の庵に住まう老いた尼。


 年齢は百歳をとっくに超えていると思われる容貌をしており、昔話がしたいが為、うだつの上がらない侍を自身の庵に引き入れて訥々と話を聞かせる。




 『時代に取り残された侍』


 特にこれと云った出世につながる取り柄を持たない、うだつの上がらない下級武士。


 常に自身の名前を世に残したいと考えており、その所為もあって尋ねた寺の新しい庵に住まう老尼に誘われるまま昔話の聞き手となる。


 彼はこれを本に纏め、自身の名を少しでも世に残せる手掛かりにでもなれば良いと密かに思っている人物。







  


  


 【地理】



 〖此の国〗


 本作の舞台。


 総貫高・二百八十五万貫(此の国の基準で一石=五貫だと、総石高は五十七万石)の国である。


 このうち国主家が百万貫(二十万石)を領しており、最大勢力を誇っている。



『茅野家』


表貫高[二十三万貫](四万六千石)の、此の国きっての名家。


直系の長女子は代々「飯井(いい)(つき)」を通称に用い、此の国一番の神社である「香也乃(かやの)大宮(おおみや)」の最高職である「祭酒」を、古代より朝廷の命にて勤めている。


またその長女子は所謂[香也乃の神]の依り代にも成っているが、当世の飯井槻さま曰く、特段これと云って神通力もなんも御利益はない。模様である。

この辞典は順次更新していきます。


まれに覗くと増えているかもしれませんよ。


ではまた~。

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