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オープニング

あくまでネタです。

 玄関を開けたら、そこは知らない森の中でした。そして振り向いたら、開けたはずのドアは消えてしまいました。


 待て待てまてまてマテ。いやいやいや、そりゃ異世界転移物はよく読んでたし、嫌いなジャンルじゃないけどさ! 確かに良くあるテンプレの一つかもしれないけどさ! それを自分が実際に体験する事になったとなれば話は別だろ!? おちつけ、まずは落ち着くんだ。と、彼は自分自身に対して必死に言い聞かせていた


 彼が取った行動を順番に上げていくと……まずは頬をつねる、残念ながら痛いから夢ではないと確認。俺の名前は? 飯島 祐司ゆうじ。年は? 17歳。中学一年にいじめにあってから空手を始めて今まで続けてる。よし、とりあえず記憶喪失もしてない。とわざと小さく声を出して確認を取っているようだ。


 持っている物は? カバンはあるな、弁当に教科書もある。まあ役に立つとは思えないがスマホもある……が、やっぱりオンライン機能は死んでいるか……タイミングよく大きな障害が発生して使えないだけってセンはないよな、そんなニュースは覚えが無い。と、此処まで祐司は自分の状況を確認した後に、へなへなと地面に座り込んだ。


「はぁぁぁ、さてどうするか……ベリーハードで即死はやめて欲しいがなぁ~……」


 何が原因でこんな場所に来てしまったのかはさっぱり分からないが、来てしまったなら来てしまったなりにどうにかしないといけないって言うのは異世界物のお約束だろうと、彼は考えを切り替えたようだ。イージーなら親切な人に出会って生活基盤が手に入る。ベリーハードだと盗賊とか凶悪モンスターに殺されて容赦なく人生はそこでジ・エンド。この差は激しい。どっちが来るのかは、自分の幸運に次第としか言いようが無いんだけど……。そんな風に、祐司が今まで読んできた異世界物の話を思い出していた。


 そのとき、がさがさっと近くの草むらが揺れた。──つまりは、何者かがそこに居ることを意味する。祐司が取れる選択肢としては此処に留まるか、逃げるかであるが。どちらが正しいのかは彼にはもちろん分かるはずもない。かといってむやみに此処から逃げ出して近くの草むらに隠れようとしたら大きな蛇などが潜んでいて、待ち構えていると言う可能性も捨てきれない。蛇に限らず、毒もちの動物に絡まれたらその時点でアウトだろう。毒を流し込まれたら解毒手段がない以上、そうなった時点で祐司は死ぬしかない。


(一か八かだな……)


 祐司は最終的にその場に留まる事を選択した様だ。そんな祐司の目の前に現れたのは……。


「おや、随分とおっきい人だね~? ……というより、もしかして何かの病気もちなの?」


 相手の言葉が分かると言う時点で祐司はびっくりした。その現れた女性が2Mぐらいありそうな大剣を持っているのもびっくりしたと言えばびっくりしただろう。だが、そんな事よりも祐司にとってびっくりした事があった……。


「え、デフォルメキャラ……?」


「ん? なに? その『でふぉるめきゃら』ってのは?」


 そう、一番祐司を驚かせたのは、その女性の体型にあった。彼女は2.2頭身ぐらいのサイズで、身長が150cmぐらいある。その体型はまさしく、スーパーデフォルメのサイズだった。この方向性で一番有名なのはガン○ムだろう。頭身の高い本来の姿を2.5頭身から3頭身ぐらいにして、可愛らしく変化させたシリーズがある。目の前に居る鎧を着こんでバカみたいに長い大剣を持った女性の姿が、そのSD体型だったのである。


「まあその『でふぉるめ』とかはどうでもいいわ。何でこんな森の中にレザー・アーマーもつけてない子がうろついてるのよ? その服も防具として特別に生成された服じゃないでしょ? なんか変な光がちらりちらりと見えたから興味が湧いてきてみたけど、これはまた随分と変わった存在が居たものね? キミは人間なのかな?」


 祐司は目の前の女性にすばやく頷く事で返答を返した。変なことを口走ってあんな馬鹿でかい大剣の錆にになりたくないの一心から来た行動だろう。


「とりあえず言葉は通じるし、私に対しての悪意も持っていないようね。森の中で野垂れ死にたく無いなら、とりあえず街までは連れて行ってあげてもいいわよ。その代わり君は街に着いたら滅茶苦茶目立ってしまうだろうし、流行病を防ぐために予防注射を受けてもらうことにもなるけど、それでもいいかな?」


 祐司は1も2も無く女性からの提案を呑んだ。他に当てはないし、自分をもし殺すつもりならわざわざそんな手間のかかることをしないだろうと考えたのだ。その街に向かう道すがら、祐司と鎧を着たでふぉるめ体型の女性はお互いの自己紹介を行う。女性の名前はキャロル・テラムというらしい。大剣に鎧装備という見た目どおりの戦士であり、アドベンチャーとして身を立てて4年になると祐司に説明した。髪の色は黒のショートヘア、でふぉるめキャラ特有の大きいおめめは紫色だ。


「なんでまたキャロルさんは、アドベンチャーに?」


 と、祐司が放った質問に対しては……


「ユージ、それはね、私の力が余りにも強すぎちゃってもてあましちゃったんだよ」


 とのお返事が。何でも生まれは農家の3女だったらしいのだが、有り余る力のせいで農具が壊れる、家具が壊れると破壊行動が続いてしまったが為に、17歳の時にアドベンチャーギルドに自分を登録して戦士としてデビュー。それから4年間、わざと重量をとても重くした両手剣を振り回してキャロルは冒険を続けている。


(それは、どこの無双キャラですか)


 祐司がそんな事を考えたとか考えなかったとか。実際一度祐司がキャロルの大剣を触らせてもらったが、持ち上げるどころか、少し浮かすことすら出来なかった。こんな大剣というか鉄の塊に攻撃されたら、切られるんだか潰されるのか分かった物ではない。やられたら結果として死ぬというところだけは共通している。


 実際に街へと向かう道の途中でピンクのボールに短い手足がついて豚の鼻、でっかいおめめが二つあるというワイルド・ピッグというモンスターが祐司とキャロルに襲い掛かってきたのだが、彼女の両手剣の一振りで数匹があっという間に大剣の錆となり、生き残ったワイルド・ピッグは短い手足をちょこまかと動かしてあっという間に逃げ去っていった。


「ちょうどいいから、晩御飯はこれを食べようっと」


 嬉々とした表情で、キャロルはかばんに血抜きしたワイルド・ピッグの肉をほいほいと突っ込んでいた。その一方で祐司は……


(もしかして、モンスターもこんなでふぉるめキャラばっかりなのか!?)


 と、ややずれた事を考えていた。念押ししておくが、こんなギャグキャラっぽいワイルド・ピッグでも立派なモンスターである。一般の人間が相手をしたら、容赦なく突き飛ばされて倒れたところをボディプレスでトドメをさされて殺されるだろう。キャロルにとっては雑魚でしかなく、夜ご飯のお肉としてお腹に収まる運命をたどったが。もしキャロルの提案を断って祐司が一人で行動していたら、祐司の人生は此処で終わっていただろう。


 やがて森を抜け、草原を進んでいるうちに大きな湖が見えてきた。キャロルが祐司にその湖を指差す。


「ユージ、あれがこの付近では一番大きい街『アクアン』だよ」


 近づくにつれて街が大きい湖のほとりにあるのではなく、湖の中に街が作られている事に祐司は気がついた。


「湖の中に街があるのか……何か理由があるのかな?」


 祐司が漏らした言葉にキャロルは「さあ?」の一言だけ。この一言でキャロルもこの街のことを余り深くは知らないのだと祐司は察した。


「街が見えてきたからこれからの行動順番を言うよ? まずは門番に水晶に触るように言われるからそれに従って水晶に触れて。そして街に入れたら治療院に直行して流行病に対する薬をうって貰うよ。その次にアドベンチャーギルドに行くからね」


 何の後ろ盾も無い祐司には、身寄りが無くても受け付けてもらえるアドベンチャーギルドに行くしかお金を得る方法が無い。

お金を得なければ食っていけない。自分達の住んでいた日本にある生活保護のような援助など一切無いのだ。祐司は覚悟を決めて、街を見つめる。何でこんな世界に来たのかは分からないが、とにかく生き延びなくては。祐司の頭の中にはそれしかなかった

こっちも更新は遅いと思います。

気が向いたら書くぐらいになるかと。

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