プロローグ
帰り道の川原でいつものように寝ていた夏目仁は夜空を見上げて呟いた。
「何でこの世界は退屈なんだろう?俺が満足するイベントが少なすぎるんだよな~」
他人から見ればコイツ何言ってんの?アホじゃね?と思うだろう。
だけど、この世界。この惑星。に至ってはこの仁の発言は比喩に有らず。
本当に仁にとってはどうしようもないくらい退屈且つ窮屈な世界だった。
ふと、そんな時橋の下からイベントらしき事が起こってるではありませんか。
黒い学生服を着た少年3人が小型犬を追いかけながらエアガンを構えている。
犬の左腹には的みたいな印が書いてあった。
そう、その印を目掛けてエアガンを撃って楽しんでるようだ。
俺こと沢田には徹底的に許せない行動が3つある。
1、他種族だからという理由で差別をする奴等
2、明らかに力の差がある相手に戦う奴等
3、女を力ずくで物にしようとする奴等
今回のは1と2に当てはまるという最低最悪で悪質な奴等なようだ。
体を起こし少年達に向かって大声で叫んでみた。
「おい、そこの犬を追いかけて遊んでるクソガキ共、俺と遊ぼうや」
一斉に少年達がこちらを振り向いた。
「あ?何だよお前。俺達に喧嘩売ってんのか?」
仁は苦笑しながら答えた。
「くっくく、喧嘩を売るって何?いくらかで買ってくれるの?マジで?頼むわ。」
「何笑ってんだよ。」
「馬鹿にすんなよ。俺達3人だぞ?びびってるんならいまのうちに地面に頭をつけてごめんなさいをすれば許してやらんでもない」
またも可笑しそうに仁は笑った。そう盛大に笑った。
「くっくく、ばっはははは、あっはああああ。お前等最高すぎ、久しぶりだわ。こんなに面白いの」
「少年Bは右に少年Cは左に俺は前だ」
少年Aは的確?な指示を出し仁を囲むフォーメーション。
「ん?これで終わり?早くやろうや?」
仁はのんびりとした口調で目の前の少年Aに喧嘩の挑発をした。
「BとC、一斉にかかれーーーーーーーーーーー」
Aのパンチが沢田の服に触れそうな位置。
仁はAの拳を足で払ってBとCのパンチを両手で掴んだ。
その間2秒。
仁は退屈そうにそして弱者を見るような目で3人に言葉をこぼしながら地面に向かって足を踏みつけた。
ドーーーン
地面が仁の周りで割れた。
「何でこんなに弱いんだよ?もっとこう悪ならとことんまでこいよ。本当に俺の相手になる奴いなすぎて腹が立つ。まぁ、この世界だろうがどこだろうが俺に勝てるような奴はいないだろうけど、せめて妥協するから楽しませてよ。ファンタジーさせてーー」
「ひぃ・・・」
「何なんだよ・・・」
「勝てるわけないよ」
少年3人は涙目になりながら仁から後ずさり、そして走った。
「逃げるのか?まぁ、いいか。俺も帰ろう~」
仁は川原からでようとした時、声をかけられた。
『やぁ、初めまして。僕の名前はフィノと言います。以後お見知りおきを。』
「誰だよ?まぁ、挨拶するのも面白いしいいけどな。俺の名前は夏目仁。世界で有数の暇人だ」
フィノいう少年は頭に?と出しながら仁に向かって喋った。
『ねぇ、君さこの世界楽しい?一生いたい?』
だが、姿が見えない。そして気配も。それでも仁は答えた。
「楽しいか、楽しくないかで答えると楽しいかな。まぁ、それも一時だけどな。俺みたいな人間はこの世界が窮屈だけど、この世界で生きていくしかないから適度に俺自身でイベントを探してる」
『本当にそう思う?この世界しかないと本当にそう思う?』
声音から俺より年下なのは推測出来るけど、明らかに可笑しい。
気配が全く感じれない。
どこかわくわくが止まらない仁は嬉しくなって答えていた。
「そうだな~?お前が他の人間とは違うってのは分かるよ。だから、別世界はあるかもな。それより喧嘩しようよ?何かお前面白そうだし」
『僕は人間とは少し違うけど・・・いや、やめておくよ。僕が姿を現して君と戦っても100%僕が負けるからね。ていうか、君本当に人間かい?』
フィノは大層不思議生物を見るような声音で聞いてきた。
「おう、人間だよ。サルが祖先のな。それより何か面白い話があるんじゃないのか?」
『面白いね君。そうそう、忘れてた。君を僕の世界に招待しようと思ってさ。そんだけ強いならどこまでも高みを目指せるよ。こんな世界で燻ってるなんて勿体無い』
フィノの声音が興奮してるような話方に変わった。
「お前の世界に俺より強い奴いるのか?そして面白いのか?あと可愛い子いる?」
『強い奴か・・・魔法使いや竜族など色々いるから一概に君より強いかって答えれない。そもそも君の強さもどのくらいか分からないしね。面白いって事は信じてくれて構わないよ。女の子に関しては君はモテる可能性高いよ』
ん?????モテるだと??まさか?この俺が?
苦節15年彼女いない歴=年齢。
童貞は姉ちゃんに奪われ、俺の人生に女っ気がなかった。
実は今日も、女の子に告白しに行って振られた帰りだった。
「モテる?って本当か?俺だぞ?そんな素敵な世界があったのか?もし本当なら是非是非連れって行ってくれ。頼む。」
仁の猛烈に熱い発言に若干引き気味なフィノ。
『僕等の世界は基本的に強い存在がモテる。だから、君はモテる可能性の塊なんだよ。因みに僕は7人と結婚してて、5人の愛人がいるよ。』
7人の結婚相手だと?5人の愛人だと?
はぁ?おい。最高な世界じゃないか?
しかも、強いと言うだけでモテる・・・是非行くしかない。
「んじゃ、是非連れていってくれ。」
二つエンジンで答えた仁の声音は興奮してて端からみたら気持ち悪かった。
『あ、ぅん。』
どこか、急に声に元気がなくなったフィノ、不思議に感じた仁はフィノに聞いてみた。
「どうした?急に死にそうな声だして」
『違うんだよ。君をこちらの世界に召還しちゃうと君がこちらにいた痕跡が消えてしまうんだよ。それで、君は辛くなるかもしれないと思って・・・』
「な~んだ。そんな事か。別にいいよ。俺の存在がこの世界から消えても。こっちにいるの姉ちゃんくらいだし。むしろ、早く連れてけって感じだわ」
『そうか。わかった。君がそういうなら。今から魔法を唱えるからそこに飛び込んで。』「魔法?マジで?了解」
『リル ファイ ミトル ケイジ マグリス』
フィノの声と同時に地面が光った。
仁はその光に向かって飛んだ。
そして仁は地球とい世界から存在を消していった。
ここまで読んでくれた方ありがとうございます。
適当に思うまま書いたので色々と変な所多いかも・・・