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魅惑のスペイン(3)

夕食を済ませた私たち五人は、一階にあるショットバーに腰を下ろした。


何だか時差ぼけのせいか 頭がボーッとしている私とは違って 他の四人は綺麗なカクテルを次から次へ飲み干した。



しかし、この仲間はタバコを吸わないからラッキーだ。

誰一人 吸わないなんて‥


大学の帰り道立ち寄るカフェに入ると タバコの煙が充満して思わず飛び出すこともある。



その代わりって底無しが約二名いるが、今回の旅には不参加だった。


と、いうことは‥この旅に参加している五人は、タバコも吸わなければお酒も そう強くない者ばかりということである。


だから、お喋りが止まない。

そんな彼女らが異国の地で開放感に浸ってなのか雰囲気に飲まれてなのか やっちまった。



私は、元々 ゲコなのを知っているから 専らジュースで酔える人なんですが。


小一時間もしただろうか カウンターの端に二人連れのイケメン兄さん!!


私たち五人の端がミハリ!?

なんで!?ミハリなんだよ。

どうして、ミハリを端に座らせたのさ。


そんなことを言っても後の祭り。



完全に酔い潰れたミハリさん!


イケメン兄さん二人とボックス席に座っちゃったよ。

どうするよ〜



「ね!どうすんの!?誰かミハリを連れておいでよ〜」


「いいんじゃないの〜いつものことだからさ!!」



「いやいやー!今回は、いつもとは違うよ。何処かに連れて行かれちゃ探すことも出来ないじゃん〜」



四人は、ヒヤヒヤしながら ミハリの様子を窺っているのに 当の本人様は、超ご機嫌の様子です。



その時、ミハリがこちらへ向かって来ました。



「ねぇ〜ねぇ〜みんな〜こっちに来ない!?メチャ楽しいで〜なんかさぁ〜どっか連れてってくれるって!!」

ミハリのその言葉に一同驚いた。



「ダメだよ!ミハリ。門限もあるんだから今からホテルの外には出れないよ」


楽しんでいるミハリには、私のこんな真面目臭い小言は スルーされるのは初めから解っていた。


それでも、言わねばなるまい。


毎度、毎度の鉄砲の玉では今回だけは許せないのだ。


「ゆきちゃん、一緒に行こうよ!!」


もう〜酔っ払いに絡まれている状態である。



「一緒にって、何処の誰とも判らない人に着いてっちゃダメよ」


そう言うと、ミハリは、


「何処の誰って!あの人たち、このホテルのボーイさんたちだよ。一人は、ドアボーイさんと、もう一人は、受付カウンターにいた人よ。ゆきちゃん、覚えてないの〜ダメね!!」




「ダメね!!って、そんなのイチイチ覚えてるアンタの方が変だよ〜」


私が言う言葉など、今のミハリの耳には入っていない。


ミハリの次のターゲットは淳だ。


段々、場が白けていくのが分かった私は、皆んな伴ってミハリとボックス席に向かった。



ほほぉ~さっきは、横顔しか見えてなかったけど 真っ正面から見ると まさにイケメン!!


惚れ惚れしてしまいそう!


スペイン人特有の堀の深い顔立ちは、イタリア系のように鋭い目付きではなく優しい愛らしい瞳に、ミハリだけではなく皆が惹かれていったに違いない。


それにスペイン人は、英語が不得意と聞いていたが、ホテルマンという職業柄か、流暢な英語で話す。



その時、ヒラメが持っていたスペイン語豆辞書が目についたロメスというドアボーイは、面白げに日本語を喋りだした。


どうも、スペイン語を発音する部分がローマ字で書かれてあった。


そのローマ字を興味深く発音するところをみるとスペイン人は、英語が発音しにくいと言っていたが日本語の方が覚えやすいのではないかと思った。



なんだかんだと場も盛り上がり、


そのホテルマンたちが、外へ出ようと言い出した。


これは、不味い!!


酔ってないのは、私とヒラメだけだ。


どうしょう!!


なんとかして切り上げなくっちゃ。


他の三人は行く気になってる。


私は、ヒラメに耳打ちした。


「伊藤さんを呼んでくる間、絶対に この場に居てね!」



私は、トイレに行くと言って席を立った。

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