第二話 その2
ということで。
「♪♪♪〜」
「…テンション高いね、春原……」
「う〜ん?そう見える〜?」
「そう見える、と言うよりもそうとしか見えない、と言った方が正しいだろうね……」
僕たちは今、学校の最寄り駅から更に3駅離れた、大型デパートにいた。そして……。
「…なぁ、春原。……まだ買う気か?」
「もちろんよ!」
「そろそろキツくなってきたぞ?僕も」
「しょうがない、あと一軒見たら休憩して帰るわよ」
「そりゃどうも」
僕は大量の荷物を持っていた。もちろん、全て春原が買ったものだ。
……春原って、結構金持ち?
少し悩んだりしながらも、結構ぽんぽんと買っていく。なんでも、「バーゲンだから安い」という事だが、それでも既に結構な金額に達しているような。
まあ、僕が心配するような事でも無いのだけれど。
そして、春原が一通り店を見終わった後、僕たちは「少し休憩していこう」という事でデパート内にある喫茶店へと来ていた。持っている(持たされている)荷物を置き、一息つく。
「鈴木、何飲む?」
「アイスレモンティーで頼む」
「な…っ!まさか鈴木、レモンティー派なの?」
「そうだが」
それがどうした。
「レモンティーなんか邪道よ、昔のイギリス人はミルクティーで飲んでいたというのに!」
拳を握り、力説する春原。
「そうだったのか…」
それは知らなかった。
「それでも貴方は……レモンティー(その娘)を選ぶのねっ(泣)」
「唐突に脈絡の無いボケを言うのはやめてくれ、春原」
ツッコみづらいんだよ。
そんな雑談をしていると、注文していたものが届いた。僕はアイスレモンティー、春原はアイスココア。
二人でほぼ同時に飲み物を飲む。ずっと喋っていたので喉がカラカラだ。渇いた喉を冷たいレモンティーが潤していく感覚が心地よい。