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Daily  作者: 斎藤一樹
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第一話 その3


 10分後。


「そろそろ皆決まったでしょうから、それぞれ選んだ本を出しなさい!いっせーのせ、の合図でいくわよ。それ、いっせーのーせ!」


 ドドン。僕、とあ〇魔術の〇書目録。部長、〇宮ハルヒの〇鬱。優さん、デ〇ノート。暦先輩、鋼〇の

レギオス。春原は灼〇のシャナで、天宮は……。機〇戦士ガン〇ムOOダブルオー。……ちょっと待て。


「なぁ天宮、それをどう再現しろと?」


 頭痛をこらえて僕が聞く。すると天宮は、


「着ぐるみを着ればいいではないですか」


 と言った。


「発表するのは7月なのに、その暑い中着ぐるみを着ろと?」


「『成せば成る、なさねば成らぬ、何事も』と言いますし」「何でもやりゃあいいってもんでもないだろう」


 熱中症になる確率大だ。


「で、どうするんだ?相沢。このカオスなラインナップの中からどれを選ぶ?」


 暦先輩が問うと、部長はこういった。


「多数決でいくわよ!一人一票で、やりたい台本の時に手を挙げて!」

 



 結果、全てに一票ずつになり、決まらないというオチがついた。…やっぱりか。


「で、どうするの、華ちゃん?」


「どうしようねぇ……」


 おい。部長が放った、優さんからの問いへの無責任な答えに、思わず脱力。


 そして、部長へ暦先輩や優さん、春原、そしてなんと普段無口な天宮からも非難が集中する。と、ここで部長が


「うるさいうるさいうるさぁ〜いっ!!」


 キレた。しかも逆ギレ。恥ずかしさからが怒りからか顔が真っ赤になっている。


「じゃあ、あなた達に何かいい意見はあるの!?」


 部長のカウンター攻撃に、僕たちは全員沈黙した。


 そして、口を開いたのは、暦先輩だった。先輩は、重々しい口調で言った。


「うん。無いな」


「何で堂々と言ったの、暦!?」


 ダメじゃん。たぶん全員の心が一つになった瞬間だった。感動は欠片もありやしない。


 で。


「どーすんですか、本当。このまま先送りにでもしますか?」


 僕が問うと、


「まさか。そんなオチは問屋が許しても私が許さないわ」


「華ちゃん、たぶん問屋が卸さないの間違いよ」


「こ、細かいことは気にしないの、優!」


「んで、どうするんだ?」


 暦先輩が言う。


「このまま───」


「暦先輩、ストップ!」


「いきなりどうしたのよ、鈴木?」


「いや、このままだと無限ループしそうな気がして……」


「あー。確かに……」


「で、どうするの、華ちゃん」


「あんたらわざとやってるだろ!」

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