第六話 その1
お待たせ致しました、やっと本編です。相変わらず話が進んでいないのは仕様です。
その2は14日の17:00に、その3は16日の17:00に投稿する予定です。
ある日、部長が唐突にこう言った。
「みんな、今日は別の場所でやるわよ。付いてきなさい!」
仕方がないのでみんなで彼女の後をぞろぞろとついて行く。
「さあ、着いたわ。ここよ!」
「放送室?」
「そうよ、今日はここでラジオ番組を作るのよ!」
「な、何でこんなことに……」
「一年生に舞台度胸を付けさせるためよ」
「成る程な」
「部長、暦先輩は納得しちゃったみたいですけど、ぶっちゃけそれはただの建前でしょ?」
「お、大人は本音と建前を使い分けることが大切なのよっ!?」
「言い訳になってませんよ、部長……」
「さ、さあ、立ち話も何だし入りましょう? ね? ね!?」
ドアをあけて放送室に入ると、既に机と椅子、マイクが人数分セットされていた。
「て、手回し早いわね、華ちゃん……」
「ふふん、どう、優? びっくりした?」
「ええ、しゃっくりしたわ」
「へ?」
「何でもないわよ」
「? そう? じゃあみんな、始めるわよ。席について」
部長に促され、みんな適当に座る。
「じゃあ始めるわよっ!」
という部長の声と共に、マイクのスイッチがONになる。
「さて、毎週火曜日午前12時50分よりお送り致しております、成華学院トーキングアワー、」
「昼休みの間に一時間もやれませんよ!」
「今日から一週間、成華学院演劇部が代わりにお送りします!」
「マジですか!?」
「何よ、そんなに嬉しいの?」
「いえ、絶望しているんです!」
「大丈夫よ、何とかなるわよ…………多分」
「余計不安になりました!」
「さあ、じゃんじゃん行くわよ! まずは一曲、平野綾で、『止マレ!』!」