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Daily  作者: 斎藤一樹
28/31

【Daily.5000アクセス突破記念&バレンタインデー特別企画】 Daily/Chocolate Panic!


 竜也が、軽く(?)キャラ崩壊。因みに、今回の主人公は蘭です。


 2月14日、バレンタインデー。ローマの司祭、聖バレンタインの記念日にして、日本では特に女性の方から愛を打ち明けることが出来る日として、チョコレートを贈ることが盛んに行われる日。


 余談ではあるが、このチョコレートを贈るという習慣は日本独特のものであり(外国ではバレンタイン・カードや贈り物を交換する)、チョコレート会社に因る陰謀であるというのは有名な話である。




 さて、私こと春原蘭も世間一般の多くの女性と同様に、想い人にチョコレートを渡そうと思っている一人なんだけれど。


「…何て言って渡せばいいのよ〜っ!」


 チョコレートは用意した。単純に買って来たやつじゃなくて、いったん溶かして固め直して、試行錯誤して出来たチョコレート。お菓子を作るのは慣れてないから、ちょっと形は歪かもしれないけど。味は良いはずだ。


 でも、ここで重要にして重大な問題が一つ。


「……渡すときの事、何にも考えてなかった…………」


 孔明の罠?いいえ、考えて不足です。完全な自爆。どうもありがとうございました。orzのポーズで床に倒れ込む。


「…………?」


 台所の入口から、妹がこっちを怪訝そうに見ているけど、気にしたら負けだろう。そう思いつつ、周りの状況を確認してみる。


 テーブルには綺麗にラッピングされた小さめの箱。流し台やコンロの周りには、未だ片付いていないボウルやらなにやら。


 そして床に突っ伏す私。


 ……何よ、この状況。うん、元凶が私だっていうのは承知してるけれど。あ、妹が気まずそうな顔して走り去った。


「…って、ちょっと待って!逃げないで、置いてかないでよ〜っ!」


 閑話休題。明日はバレンタインデー。ちゃんと、渡さないと。そして、出来ることなら、鈴木と…………!




 バレンタインデー当日。


「……結局どうするのよ、私!」


 ノープラン。どうすれば渡せるかなんて、そうそう思いつきはしない。うーん、困った。


「お姉ちゃ〜ん? 遅刻するよ〜っ!?」


 枕元の目覚まし時計に目をやる。


 AM.08:00


 …………え?


「…遅刻〜っ!?」


 自爆しますた。\(^O^)/


「ふざけてる場合じゃなかったァーッ!」


 ……かろうじて、学校には間に合いました……。




「…な〜にやってんだか……」


 これは、鈴木にどうやってチョコレートを渡せば良いか、友人である由比に質問して帰って来た台詞。いくらなんでも、あんまりだと思う。


「そんなもん、なんか適当な理由でも付けて呼び出して、渡しちゃえばいいのよ」


「それが出来たら苦労しないってのよ〜っ!」


 アンタとは性格が違うのよ、私は!しかし、彼女こと尾島由比には恋人がいる。効果的なアドバイスであろうことは間違いない。


「……うん、やってみるわよ!」


 そう決意したのが、朝のHR終了後のこと。現在、放課後です。


「……はぁ…………」


 夕日に染まる朱い教室。窓の外からは、運動部の掛け声が聞こえてくる。そんな中、私は自分の席に座り、一人溜め息を吐いた。机の上には、しつこ過ぎない程度に可愛らしくラッピングした、小さな箱。言うまでもなく、鈴木に渡す予定だったチョコレート。


「……やっぱり、私なんかじゃあ無理だったのかな…………」


 ポツリ、呟く。その声は誰に届くでもなく、窓の外からの喧騒に掻き消されて消えていった。


 俯き、溢れそうになる涙を堪える。……今日は部活に参加する気分になれない。無断欠席になるけれど、このまま家に帰ってしまおうか。そう思っていた時だった。


 ガラリ。


 何の前触れもなく、唐突に教室のドアが開かれた。思わずビクッとなり、咄嗟に振り向く。そこには、


「やあ、春原。どうしたんだい、こんな所で? 今にも泣きそうなツラしてるぜ?」


 何でもないようにいつも通りの、鈴木竜也が立っていた。


「……す、鈴木!? 何でこんなところにいるのよ!」


 いきなりの事に慌てつつも、そう問う私に、


「おいおい。理由が無く僕が居ちゃあ駄目かい? なら理由は……そうだな、春原が泣きそうな顔をしているから。……それじゃあ、駄目かな?」


 少なくとも、僕にはそれで十分なんだけどな。そう言って、何でもないように笑った。ああ、全く。そうだった、鈴木コイツはいつもそういうやつだった。


 鈍い癖に、こういう時だけはタイミングを外さない。そして、本当に拒まない限りは傍に居てくれる。おまけに、無自覚に甘い言葉を掛けてくると。


 全く。いちいちドキドキさせられるこちらの身にもなってほしいものだ。多分、鈴木には一生分からないような気もするけど。


 そして、ふと思う。「これってチャンスじゃないのかな?」と。何のって?それは勿論、チョコレートを渡すための。


 気持ちを落ち着けるために、まず深呼吸。吸って、吐いて、吸って、吐いて。うん、行ける!


「す、鈴木!」


「お、おう? どうしたよ?」


 戸惑ったように声を返す鈴木。でも、気にせずに私は言葉を続ける。これ以上、私の覚悟キモチが揺るがない内に。


「は、はい! バレンタインのチョコレートよ!」


「…え? 僕に?」


「そうよ! ……えっと、じゃあね! また明日!」


 言うだけ言い切ると、私は鞄を掴んで全速力で教室から走り去った。途中、頬の熱さを今更ながら自覚して、夕日の朱で頬の紅は隠れていたかな、等と考えながら。




 夜、自室のベッドの上で。


「……もっとがんばんなくちゃ」


 流石に未だ、告白は出来なかったけれど。チョコレートを渡すことが出来ただけでも大きな前進だろう。その結果に満足して、私は少しにやけながら布団に潜り込んだ。


 今晩は、きっと良い夢が見られるだろう。未だ見ぬ夢に思いを馳せ、私は瞳を閉じた。



 いかがでしたか?たまにはこんな話も如何でしょうか。

 裏話としては、由比経由で蘭の悩みを聞いた暦がいろいろと裏で手回しをして、竜也をけしかけようとしていた、という物が脳内設定で存在します。しかし、けしかける前に竜也は直感的に蘭に会いに行った、と。竜也の第六感もすごいですが、暦の人脈も凄いです。というか、日常的に竜也の知らない所で暗躍していたりしていなかったり。


 しかし、本編が中々進まない。次にお会いするのは、果たしていつになるのやら……。

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