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Daily  作者: 斎藤一樹
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第一話 その1

元の文章からかなりあちこち手直ししました……。


…地味に疲れた……。


 ここ、成華学園演劇部には、6人の部員がいる。まず、部長の相沢華あいざわはな先輩、高校三年生。そして美影優みかげゆう先輩。美影先輩ではなく、優さんと呼ばされている。美影先輩、と呼ばれるのが嫌だから、だそうだ。そしてもう一人、三年生には先輩がいる。神林暦かんばやしこよみという、男の先輩だ。この部活で男子は、僕と暦先輩だけだ。二年生は、僕こと鈴木竜也すずきりゅうや以外にもう一人、春原蘭はるはららんという女子がいる。スポーツが得意で、演劇部に何故いるのか不思議なヤツだが、本人によると「スタントがやりたかった」ということらしい。一年生は、天宮可奈あまみやかなという女子が一人いるのみ。無口で、いつも本を読んでいる。一人称が〈ボク〉の眼鏡っ娘。


 まあ前置きはそのぐらいにして、そろそろ部室に入ろう。


「こんにちは〜」


 挨拶をして部室に入ると、そこには既に部長と優さん、天宮の三人がいた。部長が僕にチョイチョイ、と手招きして言った。


「竜、早く来なさい!そうしたらチョークスリーパーかけてあげるから」


「誰がそんなこと言われて行きますか!」


 演劇部というのはボケとツッコミのキレが必要な部活である。まあ、キレはともかく、そういう機転は必要だ。例えば何らかのアクシデントが発生して咄嗟にアドリブをやるとき、即座にリアクションを返すことは大切な事である。嘘だけど。今勝手に考えただけだけれど。


 言い忘れていた(書き忘れていた?)が、僕は部長には竜、優さんには竜くん、暦先輩には竜也、春原からは鈴木、天宮からは鈴木先輩、と呼ばれている。


「…コブラツイストでもいいわよ?」


「それも嫌です!」


 そういう問題じゃない。


「本音はさておき」


「冗談じゃない!?」


「台本を選んでいるのよ、竜。あなたの意見を聞かせて頂戴、参考にしたいから。あぁその中から選んでね」


 ソファーの上で足を組み替え、部長が言う。珍しく真面目にやっているらしい。よし、僕も台本を…………。


「…………」


「どう?私的にはその涼〇ハルヒの憂〇がいいと思うのだけれど」


「良くないですよ!それはいろいろと駄目です!」


「いいじゃない、お金取るわけじゃないから著作権的にも何とかなるし、多分」


「多分!?」


「私だって著作権の話をきっちり正確に覚えてるわけじゃないわよ」


「というかそもそも、高校演劇でハ○ヒやるってどうなんですか?」


「ダメって誰か決めたの?」


 確かに誰も決めてはいないが。


「まぁまぁ、落ち着きなさい、竜。冗談よ」


「で、ですよね……」


「40%ぐらい」


「60%は本気ですか!!」


 半分以上本気かよ。それは冗談とはいわねぇ。


「あぁ、間違えたわ。本気だったのは80%よ」


「上方修正!?」


 聞きたくなかった。

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