第四話 その1
順番的にはAnother Dailyの方を更新するべきだとは思ったのですが、どうしても先にこちらの話を済ませてしまいたかったのでDailyの方を更新させていただきました。
どうも、「あなたのハートのパートナー」斎藤一樹です。我ながら意味が分かりません。
今回のテーマというかスローガンは、「成華学園演劇部、最強決定戦!」とかそんな感じです。やっほう、何だかオラ、ワクワクしてきたぜ!
文化祭が近いもので、中々更新出来ません。本番、明後日なのに……。…間に合う、のかな……?
そんなこんなで、続きもなるべく早く更新出来るように頑張りますので。どうか見捨てないでください(土下座)。
ていうか何なのよ、このテンション。
いつも通りの演劇部で、部長が突然こう言った。
「そうだ、天〇一武闘会をするわよ!」
「……は?」
そういう事になった。
理由を聞いてみると、「次の台本を作るに当たって、皆の戦闘力(苦笑)を知っておきたい」のだそうだ。ううむ、戦闘シーンが入る予感。
ということで。
「第一試合、鈴木竜也VS猫島美玖!」
「ノリノリですね、部長さん!」
「っていうか部長、勝利条件って何ですか?」
「…うーん、相手に『降参』って言わせるか、審判が勝負ありと判断したら?」
「…何故に語尾が疑問形……」
「今考えたからよ」
やっぱりか。
「まあ、妥当なところだろうな」
暦先輩が頷きながら言う。
「僕も異存はありませんけどね」
ということで。
「はい、これ持って」
そう言って部長が差し出して来たのは、二本の竹刀と二つのヘルメット。猫島と僕とで一本ずつ手に取り、5メートルほどの距離を開けて対峙する。
「始めっ!」
部長の声を合図に、試合が始まる。
「ふっふっふ……。あたしの実力、とくと見るがいいですっ!」
そう言って、竹刀を大上段に振りかぶり、突進してくる猫島。
そして振り下ろされる竹刀を後ろに下がって避け、
「そらっ!」
僕の持っている竹刀を猫島の竹刀に横から叩きつけ、その手から弾き飛ばす。
「にゃっ!?」
びっくりした顔でこちらを見てくる猫島。……踏んで来た場数が違うんだよ。これぐらい出来るさ。
その隙に、素早く踏み込み首筋に竹刀を突き付ける。勿論、寸止め。
「はい、そこまで。竜也の勝ち!」
楽勝だった。
「第二試合、美影優VS春原蘭!」
お、珍しい取り合わせだ。優さんの綺麗な正眼の構えに対して、春原はゲームとかで見るような変わった構えだ。…優さん、絶対素人じゃねえな……。ただの経験者じゃない、あれはかなりの実力者だ。
「はい、始め!」
まず動いたのは優さん。
「メェーン!」
裂帛の気合いと共に、鋭い面打ちを繰り出す。
「うわっ!」
春原はそれをバク転して躱す。……え?
優さんも目を丸くしている。
「それぇっ!」
そして春原は、着地すると同時に床を蹴り、優さんに向かって右手で竹刀を持って突きを放つ。うーん、フェンシングっぽい動きだな。
でもそれは悪手だ。「突きは死に突き」という言葉がある。突きという動作は、とても隙が大きい。突きを放った瞬間、胴体はがら空きとなり、そこにカウンターを受けてしまう、というわけだ。
素人同士のチャンバラ程度なら問題にはならないものの、優さんは恐らくかなりの上級者だ。その隙は致命的。
「ハァーッ!!」
優さんの横薙ぎの一撃が春原の胴に綺麗に決まり、優さんの勝利。言うまでもなく寸止めだ。
…優さん、あんなに強いとは思わなかった。