藤 恭一
弓道部に入部届けを出す為に親のサインをもらった。
お母さんは私が弓道部に入る事に反対した。
ナミちゃんが言っていた言葉をお母さんにも伝えた。
そしたら渋々と承諾してくれた。
私は部屋に戻ってベッドに倒れこんだ。
ナミちゃんはすごい
行動力があって、それを実行する勇気や考えがしっかりある。
私は……
「なんの取り柄もないや」
つぶやいたと同時に、すっと涙がでた。
ナミちゃんといるとコンプレックスを抱く。
「……私って嫌な奴。」
そのまま眠ってしまった。
――――――
弓道部の先輩達は優しくナミちゃんが明るく楽しく話をしているので
いつも笑いが絶えない部活となった。
先輩達は2年と3年を含めて男子3人、女子は5人。
私達の代は男子1人、女子は私とナミちゃんを含めて4人。
「1-B 藤恭一です。」
自己紹介では必要最低限の事しか話さなかった。
自己紹介が終わったあとにナミちゃんが話かけていた。
部活が終わってナミちゃんと一緒に帰ってる時に藤くんと何を話していたか聞いてみた。
「んー…、なんか…藤くんて自分から積極的に話に参加しないからさ…」
「確かにしないね。ぼーっとしているイメージが強いかも。」
笑いながら言った。
「だから…話とか苦手なら自分が話かければ少しは慣れるかなって思ってさ」
「まぁ…」
「ん?」
「藤くんにしたら余計なお節介かもしれないけどねっ」
タハハと笑いながらナミちゃんは頭を掻く。
「これからいっぱい藤くんとお話していろんな事知ったりしたいね!」
藤くんと仲良く友達をやっていきたいと思った。
自分の本当の気持ちを知るまでは。