三題噺:テレビ、ビニール傘、羽
「もう、好きにすればいいじゃない!」
友人からの電話を一方的に切り、ケータイを投げ捨てた。苛立ちを紛らわそうとつけっぱなしになっていたテレビを見ると、雨にぬれて震える鳥が映し出されていた。
「……。サイアク」
どうにも苛立ちを紛らわすことが出来なかった私は、外出する事にした。しかし。
サァァァァァァ……
外では雨が降っていた。ここまで来て引き返すことはどうにも出来ず、傘立てに立てられていたビニール傘を引っつかんで歩き始めた。
冷たい雨の中、人気のない夜の街を独り歩いていく。何を思うわけでもなく、どこか当てがあるわけでもない。ただ、フラフラと歩く。『散歩』といったところなのだろうが、私の気持ちは晴れなかった。
チッ……チッ……
「……?」
チッ……チチッ……
「鳥……かな。この裏……?」
聞こえてきた鳥のような鳴き声に釣られて、私は路地裏へと入っていった。少し歩いていくと、すぐに真っ白な鳥が地面に倒れているのを見つけた。
チッ……チッチッ……
「……怪我してるのかな。どうしよ……」
ふと、テレビに映っていた鳥の姿が思い出され、なんだかよくわからない責任感というか、使命感というかに襲われた。
「……まぁ、いっか」
私は手にしていたビニール傘を地面に置くと、路地裏を後にした。
傘をおいてきて、もうフラフラする気もなくなったから、家に向かって歩くことにした。冷たい雨は相変わらず降っているが、なぜか不快な気分じゃなかった。家に帰って上着を脱ぎ捨てて髪も乾かさずにベッドに倒れこむと、すぐに眠ってしまった。
目覚めてから、昨日脱ぎ捨てた上着をハンガーにかけ、クローゼットにしまおうとした時、上着のポケットから真っ白な羽が出てきた。
「……羽?」
摘んで眺めていると、ケータイがなった。相手は、昨日の友人だった。
「……あやまろうっと」
-end-
以下、作者の独り言です。興味ねーよって方はスルーしてください。
† † †
とまぁ、こんなもんでしたがいかがだったでしょうか?
これは制限時間30分+αで書いたものです。
各人の思いつきで出てきた言葉で小説を構成するのはなかなか難しいもので、プロットの構成に15分も取られ、最後まで書ききる事は出来ませんでした。『+α』は制限時間外で書き加えた部分という事です。
あれ、何が言いたいのか分からなくなった……
これ以上ボロが出る前に、お暇させていただきます。
ではっ!




