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エルブの森  作者: 秋乃 志摩
予兆
36/67

N-11 アルテタ 隠れる


アルテタの半分は入り口から遠く、部屋奥角の木箱の中に居た。

残り半分は水路の中に残されたままだ。

足元を流れる水路とたまに現れて足を登ってくるネズミに辟易しながらも、

いつでも飛び出せるように、前方の麻袋に視線を向けていた。


"しっかりやれよ、オッサン"

アルテタの記憶はゼフの声を再生した。


水路を四つん這いで進むアルテタは、

前方のゼフを追って水路を少し進むと、彼はアルテタの方を振り向いて、

手のひらを向けて腕を伸ばした。

アルテタは"止まれ"と認識した。


ゼフはアルテタの停止を確認して、

ゆっくりと上部の穴から上半身だけ滑り込ませ、

その穴を覆うように置かれた木箱を内側から確認した。

事前に入れておいた木板の隙間から室内を見ると、付近に人影はない。

声が聞こえる。

テーブルに物を置く音、

隣の部屋に誰かいる。

ゼフはゆっくりと木箱の天板を両手で持ち上げると、木箱は床から浮いた。

上に重い荷物は置かれていない。

ゼフはするりと水路に戻ってアルテタに手招きした。


アルテタの顔が半メートルまで近づくと、ゼフは小声で話した。

「あの穴の上がその部屋だ

 出たところは下板のない木箱になってる、

 室内に人はいないが、隣に何人かいそうだから音は立てるな。

 木箱は俺でも持ち上げられる重さだ、上に重い物も乗ってない。

 本当にやばい時は取っ払えばいい。」

アルテタが頷くとゼフは続けた。

「俺は、いたことが見られるだけでもアウトだ。

 どうしてもって時以外は動くなよ?」


アルテタは頷き、ゼフに告げた

「感謝する」

ゼフは少し後退り、人差し指で上を指した。

それを見てアルテタは上半身を上に入れた。


木箱は思ったよりは大きく、アルテタの鍛えられた肉体も

なんとか入れる大きさだった。

隙間から室内を見ると、地下倉庫に見えた。

ドアまでは障害物もなく、走って4秒ほどの距離だ。


アルテタは水路に戻った。


ゼフが上の空で小声を出した

「もういいか?」

アルテタは黙って頷いた。


ゼフの目がアルテタに向いた

「何もなければ迎えに来てやる、大人しくしていろ」

アルテタも小声でこたえた、

「承知した」


「じゃあ俺は行くよ」

頷いたアルテタにゼフは一声掛けてから、来た方向とは違う方向に小さく消えていった。


"しっかりやれよ、オッサン"












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