第008話「稲妻の力と秘密の装備」
グレゴリー・浅間の武器の強奪に失敗したレオーニ・ファミリーは、ボスであるポール・レオーニに報告を行った。
しかし、報告を受けたポールは激怒し、その場で報告したギャングを射殺してしまう。
「この無能どもが!武器を奪い損ねただけでなく、逃げ帰って来て私に恥をかかせるとは!」
ポールは部下たちに命じた。
「直接奴らを叩き潰す必要がある。準備を整えろ。今から私も日本に向かう。」
部下たちは緊張しながらも襲撃相手の特徴を報告した。
「稲妻のタトゥーを持つ男、一人は20歳前後の女性、そして……銃の効かない人間です。」
「銃の効かない……だと?」ポールは興味深そうに目を細めた。
「面白い。そいつらの正体を徹底的に調べろ。そして、そいつらの情報も集めてこい!」
「はい!」部下たちは3人の情報を集める事を始めた。
一方、彼、大輔、朱華音の3人はギルドの仕事をこなして順調に資金を貯めていた。
やがて、蓄えた資金を使って小深山ジムを訪れ、未払いだったトレーニング費用を支払った。
「お前ら景気良くなって順調じゃないか。」小深山は目を細めて言った。「その調子で資金をもっと貯めて、アリーナに挑むことだな。だが、忘れるな。挑戦には武器と防具が必須だ。」
小深山は武器屋と防具店を紹介しようとしたが、彼が「実は宛があるんです!」と話すと、驚きながらも納得したようだった。「なら調達できたらその装備で実戦スパーリングを試してみるといい。」
彼、大輔、朱華音の3人は、朱華音のスマホからグレゴリーに電話して早速武器と防具の購入について相談するために連絡を取る。グレゴリーのアジトは新宿のおもいで横丁内にあると聞いた。
思い出横丁に到着した3人は、グレゴリーの店を探し始めた。事前に聞いていた通り、店は表向きは中華料理屋に偽装されているという。
大輔が「兄貴!本当にこんなディープな場所でグレゴリーさん商売やっているんですかね??」と話しながらタバコに火をつけるとその瞬間!
突然ヤクザ風の男が現れ「ここは禁煙区域だ」と絡んできた。
さらにゾロゾロと男の仲間6人が集まり、「罰金を払え」と脅迫してきた。
「兄貴どうでします?」と大輔が問う。
朱華音が「こいつらにお仕置きしちゃう?」と彼に問う。
(また面倒な事になったな、、、仕方ないか。。。。)
彼は拳を構えた!
その瞬間男の声が
「待ちなさい!その御三方は私の客人だ!」
男はグレゴリーだった。
男たちを一喝。彼らは慌てて退散した。
「ふぅー、とりあえず助かった!」と大輔が言葉を漏らす。
グレゴリーは「ここは私が管理しているエリアです。少々乱暴な者もいますが、治安維持のため仕方ありません。」
「実は20年前に捨てられたタバコが原因で大きな火災が発生し多数の犠牲者が出たんですよ。」
「それ以降、ホームレスや仕事が続かない人間など治安維持を約束に私が面倒見ているんです。」
「なるほど、、、そんな経緯が、グレゴリーさんすみませんでした!」それ以降大輔はタバコを控えることを約束した。
「さて、着きましたよ!ここが私のお店になります。ようこそ!」
グレゴリーから店の奥に案内された3人は、隠し扉を通り地下に広がる巨大な武器フロアに驚愕する。そこには様々な武器や防具が展示されていた。
なんとグレゴリーの正体は、世界的に有名なグレゴリー武器商会の代表であった。
大輔が聞く「グレゴリーさん!どう見てもお金持ちだと思うんですけど、なんで護衛任務の料金ケチったんですか?」
グレゴリーは話す。「私はあくまで商人ですので、それは少しでも利益を出すことが私の役目だからです。」
彼と朱華音も驚く。彼は思った。グレゴリーさんはかなりやり手の商人だと。
「では、早速みなさんにお似合いの武器と防具を紹介しましょうか?先日守って頂いた際に、おおよそのみなさんのスキル等は把握しております!」とグレゴリーはにこやかに3人に話した。
「さすがですね!1回で私達のスキルを見て武器や防具をオススメできるとは。」
「なーに、私はこの業界に40年以上もいますので、それくらいは朝飯前です。」とグレゴリーは微笑みを浮かべる。
「では早速、選びましょうか?」
「まず貴方からですね。」
「大輔さんのスキルは鉄壁なので、こちらのシールドとハチマキはいかがでしょう?シールドはアメリカ特殊部隊でも使用されるもので、非常に軽いながら防御力が格段に高い代物です。また、ハチマキは特殊な効果が付与されており、あなたの我慢強さをさらにアップさせる力があります。」
「おぉーー!こりゃいい!兄貴似合いますか?」大輔はかなり満足している。
「そして次は可愛らしい貴方」グレゴリーは続く
「朱華音さんは、キックと召喚スキルのお持ちのようなので、こちらカーボン製の特殊ブーツとこちらのペンダントはいかがでしょう?こちらのブーツもアメリカ特殊部隊も使用するもので耐久性が高くしかも軽い。またこのペンダントは、召喚のした者の能力を20%増大します。」
朱華音は早速ブーツとペンダントを装着した。ペンダントは装着した瞬間にひかり、その瞬間に猫も模様が現れた。
「かわいい!猫の模様が入ってるの?」
「いいえ!あなたが契約している生き物がペンダントに表示される仕組みになっています!これで召喚すると、はじめはビックリしますよ。フフフ」グレゴリーは得意気に話した。
「では最後に、あなたは特に殴ることに長けたスキルをお持ちのようですね。こちらはいかがです?」最後にグレゴリーは彼に話しかけた。
そう言うと、グレゴリーは一対のメリケンサックを差し出した。
「これは普通のメリケンサックではありません。ただ殴るだけでなく、あなたの持つ属性を相手に付与する特殊な武器です。」
彼は戸惑いながら聞いた。「属性?それってどういうことですか?」
グレゴリーは微笑んで答えた。「おそらく、あなたは稲妻の属性をお持ちです。その証拠に、腕に稲妻のタトゥーが入っていますよね?」
彼はその言葉に驚いた。(確かに、この世界に来てからこのタトゥーがいきなり入ってたんだよな。あの武神のじいさんが俺にくれたものなのか???)
グレゴリーは彼を店の奥にある射撃場のような場所へ案内した。
「では、その武器の力を試してみましょう。あのマネキンに向かって殴ってみてください。」
「10m以上は離れていますが、、、、」
彼は距離が離れていることに疑問を感じながらも、言われた通りマネキンに向かって拳を突き出した。
その瞬間、彼の拳から爆音と共に稲妻が発生し、ものすごい勢いでマネキンに直撃!
マネキンはバラバラになり3人は驚いた!
「すみません!壊してしまいました……。」と彼が申し訳なさそうに言うと、グレゴリーは目を見開いて興奮気味に答えた。
「これは驚いた!このマネキンを壊した人は初めてです。やはり、あなたにピッタリの武器ですね!」
彼は少し驚きながらも言った。「俺はとりあえずこれだけでいいです。もう十分です!」
彼は、内心この様な武器や装備を購入する資金が足らないと思って遠慮していた。
グレゴリーはうなずき、「それで全部でいいですか?」と確認する。
彼は予算のことを考えながら、「すみません。今、ここに50万円しかなく、、、、、今選んだ3人の商品は、それで買える範囲でお願いします。」
グレゴリーは笑みを浮かべて答えた。「命の恩人ですから、それで十分ですよ。」
彼は喜びながら「本当ですか?!」と確認し、大輔と朱華音も感謝の言葉を述べた。
グレゴリーは最後にこう付け加えた。「その代わり、あの事件のことを今後もギルドには秘密にしてくださいね。そして今後も儲かったら、ここで装備を買ってください。そしてアリーナで素晴らしい成績をあげてください!私の商会の武器を使い有名になってもらえば、私も商売繁盛です。フフフ」
グレゴリーは流石に商人で転んでもタダでは起きない人だと彼は悟るのであった。
「グレゴリーさん!本当にありがとございました!」
「いえいえ!今後も貴方の活躍に期待しておりますよ!」
3人は深々とグレゴリーに頭を下げて感謝を述べ、装備を試すために小深山ジムへと向かうことにした。
グレゴリー商会の武器と防具を揃え3人の強さは更に増していくのであった。