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第003話 「伝説のトレーナー」

大輔と渋谷?に似た街を歩きながら彼は、今までいた世界の渋谷に無いような大きな建物が目に入った。渋谷のど真ん中にそびえ立つ巨大な建造物を見上げ、彼は一瞬、足を止めた。


「あれはなんだ?」


大輔は不安げな表情で彼に話しかけた。


「兄貴、あれはこの世界KENKA METAVERSEの象徴ともいえるアリーナと言われる場所で、挑戦を待つ格闘家や喧嘩自慢が集い腕自慢をする場所です。つまり格闘技場ですよ。」


大きさは東京ドームの半分くらいの大きさだが、その異様なドーム型の建物はこの街の中で一番目立っていた。



「あと兄貴、正直なところ、今の俺たちのレベルじゃこのアリーナには挑めないんですよ。俺も一度試みたことがあるけど、最初の段階で歯が立たなかったんですよ。」



彼は眉をひそめながら、大輔の言葉に耳を傾けた。

「つまり、まず俺たちの力を上げる必要があるって事か。」



「そうです兄貴。どうやってそのレベルを上げる手段が必要です。強いトレーナーとか、ちゃんとしたトレーニング場所とか。」



「あっ!兄貴!そういえば噂でしか聞いたことは無いけど、渋谷に伝説のトレーナー小深山っていう人のジムがあるらしんだけど、その小深山ジムに行けば何とかなるかもしれないが、場所はわからないんですが、、、、。」


「兄貴、とりあえず腹ごしらえしませんか?詳しい話は飯食いながらでも!」


「よし、腹ごしらえしながら少し情報を集めてみようか。」



しばらくセンター街を歩き、一番奥の路地で、古くからやってそう汚い居酒屋に二人は入ることにした。


「兄貴!ここにしましょうか?安そうだし!」


「そうだな。」



カウンターで迎えてくれたのは、人の良さそうな中年の大将だった。

「いらっしゃい!何にしますか?」


「とりあえず、生ビールを2つと、おすすめの料理をお願いします。」


「兄貴!さっきの話の続きなんですが、アリーナはこの世界の喧嘩のランキングを競い合う格闘技場なんですよ!この世界では、バトルして勝ち上がりランキングが与えられるようになります。俺も一度挑戦したけど、1回戦で負けちゃったんですよね。」


「なんだと?お前が1回戦負け?」


「はい、、、、。」


「お前は普通に、弱くはないぞ。」


「そう思ってもらうことは嬉しいのですが、ちょっと変わってて3人でエントリーする必要があるんです。俺一人が強くても他の二人が負ければ敗戦になるんです。」


「しかも、その時が俺が相手の大将とやったのですが、恥ずかしいんですが俺の仲間も全員負けちまったんです。」


「なぜアリーナに挑戦したんだ?」彼は大輔に率直に聞いた。


「アリーナのランキング20に入れば、まず富と名声が約束されます。俺は小さい頃から親父がいなく、母親と二人だったんですが、今も体が弱く入院してるんですよ。だから名声より金が必要だったんです。、、、」


「そうか、、、、大変だったんだな」


「兄貴すみません!しんみりさせちゃって、、、、おやっさん!ビールおかわりお願いします!」


彼は、アリーナの話を聞くと何故か体が熱くなってきた。

この世界で格闘でそこまで上に行けるのか?自分を試して見たいとすでにこの時思っていた。


「あいよ!ビールおかわり!それと、あんたらアリーナに挑戦するのかい?」居酒屋の親父さんが突然話しかけてきた。


「ここにも挑戦して負けた奴もよく来るぜ。まぁ見るからに準備不足な奴が多い感じだな。」


「実は、渋谷のアリーナについて詳しく知りたいんです。それに、小深山ジムとのことも…」彼は真剣な表情で大将に話しかけた。



大将は少し驚きながらも、静かに語り始めた。

「アリーナか…あれはこの渋谷の中心にそびえる闘技場で、各地域ごとにもアリーナがあって、格闘の試練が待ち受けている建物だよ。格闘技の試練や精神力の試練、時には知恵を試されるものもある。そして、最後までたどり着いた者には、さらなる強さが授けられるって話だ。」



「なるほど、それが俺たちの次の目標になるな。ただ、確かにまず準備をして挑まないとな。」彼は大輔に話した。



「その通りだな。アリーナに挑むには、相応の力と知識が必要だ。準備もせずに挑むのは無謀だぞ。」大将は真剣な表情で続けた。



「それに、小深山真治という名前を聞いたことがあるならば、お前たちは運がいい。彼はかつて数々の大会でチャンピオンになった伝説の格闘家で、今は様々なトップアスリートたちを育てている指導者だ。小深山のジムも、ここ渋谷にある。彼もよくこの店に来るよ」



「ほんとですか!!」二人は口を揃え大将の言葉にビックリした。



「小深山真治…彼が本当に俺たちを強くしてくれるなら、試してみる価値がある。」



「そういえば兄貴、俺もその噂は聞いたことがある。小深山さんは怪我で引退した後、多くの選手を育てているらしいです。」


「そうだ。だが、小深山真治のジムに入るのは簡単じゃない。彼は非常に厳格なトレーナーで、入門するためには試験を受けなきゃならないんだ。」大将は、真剣な眼差しで語り始めた。


「試験?」大輔が驚いた様子で尋ねた。


「そうさ。この試験では、お前たちの技術、体力、そして精神力が試される。準備ができたら、小深山真治のジムを訪ねてみるといい。」



「大将!すみません!その場所を教えてもらっていいですか?」大輔は大声で大将に聞いた。


「わかったよ!ただ小深山があんたら二人をジムに入れてくれるかは分からないが、まぁがんばれよ!」




二人は大将に礼を言い、教えられた場所へ向かうことにした。渋谷の裏通りを抜けた先、小さな重厚な鉄の扉が目に入った。小深山真治の名を掲げたその扉が、静かに二人を待ち受けているかのようだった。


彼は深呼吸をして、扉を見つめた。「ここだな。大輔準備はいいか?」


大輔は頷き、拳を握りしめた。「もちろんです、兄貴!」


彼は大きく頷くと、意を決してその扉を叩いた。


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