第001話 「ピリオド」
30代半ばの売れないボクサーの彼はプロとしてのキャリアにピリオドを打つため、最後の試合に挑もうとしている。今日が彼のボクシング人生最後の試合。彼は以前からの夢であるプロボクサーとして成功することを目指してきたが怪我など困難に直面し、なかなか結果を出せずにいた。
いよいよ最後の試合のゴングが鳴る。(カーン!)
彼の相手は強力な打撃力を持つ若手ボクサーであり、試合が進むにつれて苦しい戦いを強いられる。
執念と忍耐力を持ちながらも相手の猛攻に耐え続けた。
しかし、疲労と集中力の低下が響き、彼は最後のラウンドで強烈なパンチを受けた。その瞬間、彼の頭の中が真っ白になり、、、、、、リング上で崩れ落ちた。
彼はパンチの打ちどころが悪かった事にすぐに気づき、死を覚悟した。
「まだ俺には、やり残した事が、、、、ここで死ぬのか、、、、
俺の人生ってクソみたいな人生だったな、、、30歳独身、、、、友達も少なく、、、、ほんとボクシン
グだけの人生だったな、、、、、」
命が危険な状態にあることを悟ったリングサイドの医師とスタッフが駆け寄り、彼を即座に救急車で病院へ搬送された。しかし、医師の最善の努力にもかかわらず、息を引き取ってしまった。
意識が無くなっていく中で、輝く光の中から現れた神々しい姿をした老人が彼の前に立ち彼に声をかけてきた。
「私は闘いの神である武神だ。お前はボクサーとしての才能を持っていたが、まだその限界に挑戦することができずに死んでしまった。死の直前にお前の強くなりたいという思いがワシを呼び出したのじゃ。今回は、お前の強い思いに免じてお前に新たな挑戦の機会を与えようと思っているのじゃが。」
「どうだい?新しいKENKA METAVERSEと言われる世界でもう一度格闘の頂点を目指してみないか?」
彼は突然過ぎて、困惑している状態であったが驚きと戸惑いながらも、彼は武神様の言葉に耳を傾けます。
「つまり私の力を借りて、KENKAの強さでRANKINGが決まる世界KENKA METAVERSEで再び挑戦し真の強さを手に入れることができる新たな人生を始めてみないか?」
彼は迷いながらも、自身のボクシングへの情熱と未練を思い出し武神様の提案に賛同し、新たな世界KENKA METAVERSEで格闘家として転生することを決意した。
「わかった、、、、もう一度チャンスをくれ、、、、今度こそは必ず自分の夢を叶えてやる、、、」
仙人の様な老人は彼に言った。
「お前は私の力を特別な力を宿している。新たな冒険で己の限界に挑戦し、真の強さを見出すのだ。そして、自分の存在意義を見つけ出せよ。私はお前の成長を見守っている」
そしてまた強い光に覆われた。
目を開けると彼は異世界メタバース内へ転移されてしまった。
「何処だここは?」
「ん?渋谷?」
彼は渋谷交差点のど真ん中の人混みの中に立っていた。
そして彼の両腕には前世では入っていなかった稲妻の入れ墨が入っていた。
「なんじゃこりゃー!!!」
「と、とりあえす、どこかに移動して周りを確認してみよう、、、」
彼は動きだそうとしたその瞬間ガラの悪い男が歩いてきて結構な勢いで彼の肩がぶつかった。
「イテーー!この野郎!どこ見て歩いてんだ?」とガラの悪い男が因縁を付けてきた。
絵に書いたような、悪役風な男にとりあえず彼は紳士的に謝った
「すまん!わるかった!」
しかし、そのガラの悪い男は益々怒りをぶつけてきた。
「上等だー!コノヤロウ!俺とタイマンだ!覚悟しな!」とガラの悪い男は、いきなり彼に襲いかかってきた。
「めんどくさいが、やるしかないのか、、、」と彼も戦闘態勢にはいった。
「現実世界にいたように体は動くのか、ちょっと試してみるか!」
彼の死は何か特別な出来事を引き起こし、新たな能力が開花するのであった。
彼の魂は異世界への扉の前に立ち、新たな冒険が始まることになる。