表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
71/137

16. 抜け道と姫の試練 一

 平助はみんなの止める声にも振り向かず、フルアーマーに向かって羽を大きく広げました。

「カァカァカァ!」と大声で鳴きながら、平助はフルアーマーの頭をガンガンとくちばしで何度も突きます。平助の攻撃に耐えられなくなったフルアーマーは、次々に床に落ちていきました。


 ガシャン!


 平助を捕まえようと手を伸ばしたフルアーマーの一人は、星の飾りがちぎれたことで落下し、床を歩いていたフルアーマーに直撃しました。二人ともバラバラに散らばりましたが、すぐさまもとの姿に戻ります。

 フルアーマー二人は素早く立ち上がると、平助を追いかけはじめました。

 他のフルアーマーたちも平助をぎろりと睨んで、平助を捕まえようとします。


 平助はすかさず、隠し扉の反対方向へ力いっぱい飛びました。


「今ですぜぇ! 早く入ってくだせぇ! あっしの力じゃ、そんなに長いこと、持ちこたえられねぇ!」

 平助はにいなたちに向かって必死に叫びます。


 その声を合図に、ふっくんは床ぎりぎりまで急降下しました。

「にいな! 隠し扉はどこだ!?」

「あそこ! 花瓶が割れてるところがあるでしょ。その小さいテーブルの下だよ!」

 にいなはふっくんにしがみつきながら指を指します。


 よしきた! と、ふっくんはにいなの見つけた隠し扉の前に降り立ちました。


「今だぞ! 早く入るんだ!」

 ふっくんはくちばしでせっついて、隠し扉の中に二人を押し込もうとします。


「でも平助が!」

「いいから早く! 平助はおいらが後で助けに行く。だから今は、早く中に入るんだぞ! 平助の勇気を無駄にしちゃだめだ!」


 わかったと頷くと、にいなは先陣をきって扉を開けました。


 ビュオォォォという音がして、にいなとみいなの顔に風が吹きつけました。

 にいなは手が届く範囲を触って道の大きさを確認します。中は暗くてよく見えませんが、どうやらこの道は狭いトンネルのような作りになっているようです。

 中腰で進もうとしたにいなは、道の天井に頭のてっぺんをぶつけました。目の前に星が飛びます。

 ゴン! という音が道の中に反響して、遠くまで響いていきます。


 うわぁ、痛そう、とみいなは頭を押さえているにいなを見ました。


 にいなは涙目になりながらも天井を睨んで軽く首を振ると、狭い道の中に入っていきました。

 恨み言を言ってやりたい気分ですが、そんなことをしている場合ではありません。立って歩くことを諦めたにいなは、四つん這いで中を進みました。


 それを見ていたみいなも、同じように四つん這いになって暗い道の中へ入っていきます。

 後ろからはふっくんが入ってきました。

 強い風が吹いてきて、顔面に当たります。にいなとみいなは目をぎゅっと閉じて、風に負けないように踏ん張ります。


 ビュゥゥゥ! バタン!


 風の勢いで、扉は大きな音を立てて閉まってしまいました。


 その途端、狭い道の中は真っ暗になりました。遠くで聞こえていた平助の鳴き声も、もう聞こえません。

 耳がキーンとなるような静けさです。

 ヒュッとにいなとみいなは息を吸いました。聞こえてくるのはお互いの息づかいと、洋服が擦れる音だけです。引き返したい気持ちをぐっと堪えて、二人はその中をひたすら進んでいきます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ