14. ふっくん、平助、参上! 四
「おいら……おいら、この世で一番賢くて偉大なフクロウになるんだ! だから大丈夫、絶対ににいなとみいなを助けるよ」
ふっくんは力強く宣言します。
ヒュン
何かがふっくんのギリギリのところをかすめました。その先にいたのは、フルアーマーでした。フルアーマーが壁にへばりついているのです。
「えっ、なんで……って、わあ! フルアーマーが登ってきてるよ!」
フルアーマーは、カシャン、カシャンと音を立てながら、壁をよじ登ってきています。
下の方に掛けられていた立派な肖像画が、ガシャンと床に落ちました。フルアーマーが額縁に足をかけたので、その重さに耐えきれなかったようです。
フルアーマーは壁のでこぼこに手をかけながら、にいなたちに追いつこうとしています。
壁にへばりついているフルアーマーは四人。その姿は、まるでヤモリのようです。
剣を持った残りの二人は、下で待っているようです。首を上げているフルアーマーと目が合ったような気がして、にいなは慌てて目を逸らしました。
「ふっくん! 壁の近くは危ないよ!」
「そうなんだけど……」
ふっくんは壁を見つつ、天井の方を見つつと、忙しなく首を動かしています。
「おかしいな。この辺りだったはずなんだけどな」
ふっくんはぶつくさ言っています。
「ね、ふっくん、どうしたの?」
みいなは平助に聞きました。
「へい。ふっくんさんはほんとうに賢いフクロウなんですぜぇ。ステンドグラスの謎をあっさり解いて、この部屋に入る道を開けてくれたんです。あっしはおったまげたですぜぇ」
「そうなんだ! ふっくん、すごいね。どうやって開けたの?」
みいなは聞きました。みいなは謎解きやミステリーが好きなのです。探偵のお話もワクワクして好きです。
「みいな、おいらが渡した青い石があるだろう?」
「ああ、これ?」
みいなはポケットに入れておいた青い石を取り出しました。
「ああ! それ、私のきらきら石!」
にいなが石に飛びつきました。
「ああ、そういえば、そうかもね。これ、なんでふっくんが持ってるの?」
やれやれ、にいなはまったく、石のことになると落ち着きがないんだから、とみいなは肩をすくめました。
「へい。そいつはですね、あっしがにいなさんから……その……取っちまったやつなんですけど……」
平助がきまずそうににいなを見ます。
「その……女王様はたいそうきれい好きな方なんですぜぇ。だから、あっしたち手下が口にくわえてきた光る物なんて触りたくないと言って、いつもあっしたちに川の水で洗ってくるように命令するんです。だからあっしも、冷たい川の水でこの石を洗って、天日干しをしたんですぜぇ。それで、誰にも取られないように、木の上に隠しておいたんでやす」
何度か仲間に横取りされたことがあるんですぜぇ、と悲しそうな声で平助は呟きました。
ふっくんが話を引き取って続けます。
「おいらが落ちた木のすぐ上の枝に、この石が引っかかってたんだぞ。その時はそれどころじゃないと思ってそのままにしておいたんだけど、このステンドグラスの謎を見て、おいら、ピンときたんだ。だから石を取りに戻ったんだ。遅くなっちゃったのはそのせいなんだ、ごめんよ」




