表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/137

3. フクロウと冒険 三

「ええ、今もすごく寒いと思うんだけど、」

 にいなはほっぺたをふくらませながら言いました。


 そういうことじゃなくて、とみいなが言おうとしたとき、「ほうほうほう」と鳥が鳴きました。


「そのお嬢ちゃんの言うとおり、おいらはフクロウだぞ!」

 フクロウはふさふさの胸の毛をぷくっとさせながら言いました。


「やっぱり! フクロウさん、こんばんは」

 にいなは目を輝かせて挨拶をしました。

 そして、フクロウに近づいていこうとします。


 みいなはにいなのコートの後ろをぎゅっと握りしめました。

「鳥がしゃべった!」


「しゃべるよ。あれ? カラスもしゃべったって言ってなかったっけ?」

 にいなは首をかしげました。


「そんなの聞いてない! だめじゃん! 危ないよ! 近づいたらだめ! 食べられちゃうよ!」

 みいなは叫びます。


「おいらは危なくないぞ。おいらは、世界中を旅しているフクロウなんだ。世界中を旅して、いろいろなものを見て、おいらは、フクロウの中でも一番物知りなフクロウになるんだぞ」


「わあ。フクロウさんは旅人なんだね」

 にいなはみいなの手をどけると、フクロウに近づいていきました。


 大きさは近所のわんちゃんと同じくらいです。

 羽の一つ一つは、つやつやで大きいです。頭の上の羽は小さめで、ふわふわしています。


 金色の目が瞬きをしないまま、じっとにいなを見つめています。人懐っこそうな顔は、ゴールデンレトリバーのようです。


「フクロウさんも目が金色なんだね。私たちの髪の毛とお揃いだね」

 にいなは嬉しそうに手を合わせました。


 みいなはにいなの後ろから、フクロウをのぞきこみます。

「金色かな? こっちの目、なんか変じゃない?」


 フクロウは片方の目は金色ですが、もう片方は暗い色をしています。


「変じゃないぞ。おいらはオッドアイなんだ」


「オッドアイってなあに?」

 二人は首をかしげました。


「両目の色が違うことだぞ。おいらの父ちゃんと、母ちゃんの目の色だ。父ちゃんは金色で、母ちゃんは緑なんだ」


「えーすごい! 私たちの目も、緑色だよ。お揃いだね」

 にいなは目をかがやかせました。


 みいなは鼻にギュッとしわを寄せました。

「そんなのおかしいよ。普通は――」

『普通は両目が同じ色』と言おうとして、みいなは口を閉じました。


 いつも、『普通じゃない』と人に言われてくやしい思いをしているのは、みいななのです。


『髪の毛が黒色じゃないから、普通じゃない』

『目の色が茶色じゃないから、普通じゃない』


 そんなこと言われたって、好きでこの見た目に生まれてきたわけじゃないし。


 みいなはママのことが大好きです。にいなママのことも大好きです。

 北国に住むおじいちゃんも、おばあちゃんも、おじさんおばさんも、いとこも、みんな大好きです。


 ママの子供であること。

 パパの子供であること。


 どっちも、みいなにとって大切なことなのに。

 自分の半分をダメだって言われることは、悲しい。


 でも。でも、だって。


 目の色が両方違うのは、やっぱりおかしいし!


 みいなはフクロウから目をそらして、ふん! と横を向きました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ