インター猫
雨の日・・・
私は、一人の青年に拾われた。
私は、黒猫。
名前は、まだない。
「にゃっ!」
私は、ご主人様のパソコン椅子に腰掛ける。
「あーっ!
クロナ!
ダメだってば!」
聞くもんか!
猫が、パソコンやって何が悪い?
どれどれ?
私は、ネズミの装飾をしたマウスをいじくり、キーボードをたたく。
マウスだけに。
「クロナ・・・
人間の姿で、小説書いてる・・・」
やっちゃいかんのか?
って!
「あんりゃーっ!」
私は、絶叫した。
「人間になっとるがな!」
鏡を見て、びっくり。
猫耳が生えた人間に、なってる!
「お前・・・
何気に、文才あるな・・・」
私が、テキトーに書いた文章を読んで、ご主人様は言う。
知ったことか。
一ヶ月後・・・
「にゃーははは!」
画面に、凄まじい勢いの、右肩上がりのグラフが!
「すげえ株価・・・
で、儲けはいくらよ・・・
17億だと?」
ご主人様は、びっくりしている。
「あたしも、やるときゃやるわ。」
にっと笑う。
ご主人様は、私に似合う服を買ってくれた。
稼いだお礼だって。
でも、ご主人様は、まだ安月給を続けている。
欲のない人だ。
「さて。
お前の好きな猫缶だぞ〜。」
ご主人様は、最高級のマグロ缶を買ってきた!
「さて。
今度は、「ツカマッター」をやろうか?」
考える私をよそに、ご主人様は、スマホで写真を撮っていた。
タイトルは、「インター猫」。
少しは、ひねれよ。
まあいい。
私は、ご主人様の胸に、頭を擦り付けた。
私は、「インター猫」。
名前は、クロナ!
インターネット猫だ!