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殴る勇者と斬る魔王  作者: 鳳梨
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創世と神魔戦争の伝説

超絶マイペース更新となっています。

定期更新にしたいとは思っているのですが、なかなか怠け癖が抜けません

 かつて、この世界は光を司る女神によって創られた。

 どこからか生まれ出でた幼い光の女神は、まず己の象徴たるものを創り出した。それは太陽であり、月であり、星であり、それらがある空。光の女神は美しきそらを創り出した。

 光の女神は次の快いものを創り出す。静かに揺蕩うだけの巨大な水たまり。天の光を反射して輝くだけの水面を。光だけしか知らない光の女神には、これで十分。女神は世界の創造を満足した。

 キラキラした世界で光と戯れて、光に包まれて穏やかに静止した世界。ある時、気まぐれを起こした光の女神は静かにそこにあるだけの水を指ではじいて動かし、揺れ動いて踊る光に魅了された、

 無邪気な光の女神は風を生み出す。そらの光が水面で踊り始めた。

 もっと、心躍るものが欲しい。

 光の女神はその心のままに、世界を創っていく。無邪気で無垢な光の女神の中に、好奇心や欲が生まれたのはこの時だったのかもしれない。

 美しいものを、きれいなものを、目に楽しいもの、耳に楽しいもの、どんどんと、気の向くままに無邪気な光の女神は世界を広げていった。

 世界を作り、動植物を生み出した女神は満足げにそれらと戯れる。

 水に映った自分の姿を見る光の女神の好奇心はふと思ってしまった。

 自分と同じ姿をしたものが創れたならば、それらはどう生きていくのだろう。

 ここまで、光の女神の創ってきた世界は単純だった。すべてが光の女神が想定した生き方をなぞって生きている。のちに本能や理などという名前が付く部分である。

 しかし、創造主たる光の女神を模して作ったのならば、もしかしたら、そこから外れたものが出来上がるのではないか。光の女神はそう考えた。

 自分の想定から外れるかもしれないもの。その存在に光の女神は心を躍らせた。

 自分の容姿を、心を。神としての部分と自分の思考だけは一切入れることなく。

 一心に、持てる情すべてでもって愛おしい存在を作り上げる。

 それが原初の人間。光の女神に手ずから創られた、人間の始まり。

 原初の人間たちは言葉を話すことができた。

 光の女神は言葉を交わせる喜びを知った。分かり合えない悲しみも知った。他者との交流において、光の女神はあらゆる感動を、感情を生み出していく。

 光の女神だけだったのなら知るはずのなかった情動。

 心の成長を得た光の女神は、神としての在り方を考えるようになった。

 光の女神は、もはや幼い神ではない。一つの世界を創り上げた、創造神なのだから。


 光の女神は、世界から距離をとる。この、愛すべき世界を愛すべき創造物たちがどう生きて変えていくのか。神として、世界に干渉しないことを決める。ただ見守ることを。

 光の女神は自分の代わりに世界を見守り、自分の手足となって動く者たちを創った。

 美しい容姿に美しい純白の翼、正しき神の心の代弁者。天使を創りだした。天使たちもまた、光の女神の意思に従って世界を見守る。

 幸せで穏やかな時間だけを過ごしていたこの世界に、少しずつ、ゆがみが生じ始める。

 人間同士での争い、動物たちと人間の衝突、事故。うまくいかないことが増えてきた。

 幸せと穏やかと平穏しか知らなかった世界に、負の感情は刺激が強い。それは急速に広がっていく。

 悲しみも憎しみも不安も怒りも。積もり積もっていく。溢れる。

 光しかなった世界に、影が落ちた。闇が生まれた。

 生まれたのは、魔族である。

 光の女神が想定していなかった生き物たち。

 光の女神は、新たに生まれた、自らの加護を持たないそれらも見守ることにした。見守っていた。

 しかし、魔族たちは見守られている恩恵などには目もくれず、光の女神の愛し子たちを蹂躙した。

 魔族の中に、魔王を名乗る男が立ち上がり、その下に七魔を名乗る悪魔ともいうべき魔族が動くと、蹂躙は激化していく。

 光の女神が立ち上がった。見守るだけに徹していたはずの、光の女神が、自ら生み出した美しき天使たちと共に。

 光の女神の、天使たちと原初の人間たちを筆頭とした軍勢と、魔王率いる魔族の軍勢がぶつかり合う。

 長く、永く、戦いは続いた。

 いつ終わるとも知れない負の連鎖。

 終止符を打ったのも、やはり光の女神。

 魔王と七魔を倒し、自らも長い眠りについたのだ。


 これが、人間に伝わる、創世と神魔戦争の伝説の大筋であるとされている。


この回は大雑把な、この世界における伝説の大筋となっています

伝説っぽく小難しい言い回しにしようかとも思いましたが、とりあえずこんな感じでさらっと流す方向にもっていきました

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