表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ただいまって言ってよ。

作者: しゃん
掲載日:2020/06/17


ただいまって言ってよ。


なんでいつも言ってくれないの。


まぁいいけどさ。


いつもの要領で鞄を置き、

マスクを外し、石鹸で手を洗う。

コップに水をそそぎ3回うがいをする。


目の前の鏡には前よりも目元に皺がふえている。


疲れている証拠だ。


ねぇ、ただいまって言ってよ!


そう心で呟く。

でも返してくれないのはわかってる。


仕事着を脱ぎハンガーにかける。

できるだけシワがつかないように。


冷凍庫にある白米をレンジで解凍する。


そうか、貴方は先に食べたのね。


鞄からスマホを取り出す。

SNSを開く。

自分には全く関係のないような情報に感情を揺らがせる。


米が温まる。


タッパーにある昨晩のおかずを器に移しラップをかける。

電子レンジに入れる。


やかんで湯を沸かす。

インスタントの味噌汁の素を器に流し込む。


米を茶碗に移す。

火傷しないようにハンカチで包みながら。

テーブルにそっと乗せる。


味噌汁を作り、おかずをレンジから取り出す。


今日も一人の食事だ。


不貞腐れたってしょうがない。


人差し指と中指の間に箸を挟み、

手を合わせる。


あれから何日かめのいただきます。

多分、1400回くらいだろうか。


構ってくれないのならもういいよ。

スマホで動画サイトを漁り、活躍する同世代クリエイターに笑わしてもらう。







一つ一つのものを口に運び、噛み締め、喉へ通す。

笑う。





それをあときっと42回。

いやもっとかもしれない。


いくら笑っても。

美味しいっていっても。


貴方は応えてくれないよね。


でもいいの。

また2年いるって決めた。










食べたら書類整理しよう。




















ありがとね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ