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完治

初投稿となります。 よろしくお願いします。


舞台設定を簡単に、出来る限り狭い範囲で進める予定です。 戦闘シーンや格闘シーンが苦手ですので、極力少なくしていきます。


・変なことに巻き込まれ、気が付いたら牢みたいな部屋の中。 異世界で、魔道具を改造出来る技術を手に入れる。 城の中で見つけた地下施設を起動し独占に成功、制限を解除したらメッセージがきた。


|||||



遅れていた女王様ご一行と合流してお昼ご飯。

女王様はニコニコしてるな、ご機嫌は治ったようだ。



「 俺たちは改造人間っす! 」


河原君はウキウキだな。


「 どういう事なんですか、波乱さん 」


河原君宛のメッセージには、いろんな情報が詰まってた。

部外者が居るんで、詳細はみんなが寝た後で相談する事にしたんだが。

女王様とか、女王様とか、女王様とかが邪魔じゃん。


「 昔の人が残したメッセージを見たんだよ。 元々この星ソルは、俺たちの世界より進んだ技術を持つ世界だったらしい。 で、魔星の進路を変えようとして失敗、魔星の一部が落下して大きな被害を受けた 」


「 魔星って彗星の事ですか? どうして進路を変えようとしたんでしょう? 」


「 人体に悪影響を及ぼす魔素が原因らしい。 魔素は人体にとって有害で、悪いと自我を失って死ぬまで狂暴化するって、ミューティション付でね。 普通はショック死なんだと。 でだ、魔素が魔星から来てると判ったんで、周回軌道をずらそうとしたと 」


「 魔素---ですか 」


「 そう魔素。 彼らは魔素の研究も進めてたみたいだな、殆ど判らなかったらしいけど。 魔素はお互いに引き合うらしい、それと魔素は濃い方から薄い方に移動するって。 判ったのはこれだけみたいだな 」




ある日、虹色の変わった小惑星がソルに接近した。

2本だった尾が3本になったのは、ソルに近づいてから。

増えた尾はソルに向かっていた。


接近が年中行事となってきた頃、家畜や動物が狂暴化する事件が多発し社会問題として表面化した。

更に家畜の子供のミューティションが目立つようになる。


極秘裏に調査が開始され、人間にもミューティションが発生していたと判明。


ミューティションが多発した地域から、未知の粒子が発見され魔素と命名される。

”物語の魔物みたいな姿にミューティションする素” だから、魔素なんだと。

単純だな。


更に何回かの接近後、人の狂暴化事件が多発、ミューティションも隠しきれなくなる。

時を同じくして、原因不明の衰弱死が人の死因のトップに。


ソル一丸となって魔星破壊が検討されたが、不確実なため破壊プランは廃棄。

別アイディアとして、軌道をズラすプランに移行する。


魔星がソルの公転軌道より外側に在る段階で、大量の反応兵器を用いた軌道変更プランが実行される。

公転軌道より内側だと、恒星風で反応物質がソルに降り掛かるから駄目なんだと。


軌道は若干ズレたものの魔星が分離、小さい破片がソルに落下。

落下の衝撃と一気に増えた魔素により、ソルは大きな被害を受けた。




「 落下した破片が、この地下に保管されてる。 魔素収集装置の中心部に使用されてるみたいだな 」


「 魔素を集める機械ですか、それで王都周辺は魔力が濃いんですね 」


「 そう言う事だな 」



「 だから、改造人間っすよ! 」


「 意味が解らないんですが! 」


「 召喚の魔法陣はここの地下に在るらしい、魔星の欠片のすぐ側に 」


「 ・・・・・・ 」



「 ソルは魔星の欠片の落下で大きな被害を受けた、文明を維持できなくなる位大きな被害をね 」


「 人口の半分が? 」


「 それ以上だろうな、被害の集計が不可能だったって言ってたから。 被害は魔星の破片落下による物理的ダメージと、急激に増えた魔素による被害の2つ。 区別して集計するのは無理だろう 」


人の半数が一気に亡くなった場合、被害の集計って可能なんだろうか。

それに、全員こっちを見てるけど、早く食べないとラーメンが伸びると思うんだ。

アイスも溶けるし。



「 何とか生き延びた人々は、魔素をエネルギー源として使用する事を思いついたらしい。 魔道学の誕生だな、そこから生み出されたのが魔法なんだと 」


「 魔法と改造人間って、関係無いと思うんですけど? 」


「 長い話になるんだが。 魔道学で ”転移”の研究中に、偶然、たまたま召喚したみたいだ。 で、召喚された人の殆どは亡くなったんだが、生き延びた人が居るらしい 」


「 ・・・・・・ 」


「 生き延びた人は圧倒的に強かったんだと、筋力と魔力が 」


「 嫌な予感がします 」


「 正解。 それから人体実験が始まった。 繰り返された実験の結果、あるパターンで魔素を体内に取り込むことで、身体と魔力が強化されると判明したんだってさ 」


「 ・・・・・・何人犠牲になったんですか? 」


「 調べなかった。 知りたくも無いしな、そんな数字 」




「 では、その方法を使えば誰でも強くなれるのですか? 」


女王様、クリームを拭こうか。

侍女も食べるの止めて、ナプキンを持ってきなさい。


「 いいえ、1つ条件が在りましてね。 強化出来るのは、魔素の影響を全く受けていない細胞だけなんですよ。 つまり、既に魔力が存在するソル以外の細胞を持った人が必要なんです 」


「 そうですか・・・・・・ 」


残念だったね女王様、あんたたちは強くなれんよ。



「 他の世界か、他の星から連れて来るしかない訳だ、我々のようにね。 で、召喚した人間を調整ポッドで強化すると、召喚者の出来上がり! ってね。 後は転移の魔法陣で城内に送り込むと。 だから、まぁ改造人間と言えなくも無い 」


「 それじゃあ私たちは、一度ここに来たんですか? 全然覚えてないんですけど? 」


「 普通はショックで亡くなる言ったろ? 召喚された瞬間にショック死、直ぐ調整ポッドに入れて蘇生するんだと。 だから覚えていないんじゃないかな 」


「 1回死んでるんすよ、改造人間として蘇ってるすけど! 」


「 死んでるって言うより、仮死状態ってとこだろうな。 2人とも、仮死状態から蘇生させたこと在るんじゃないのか? 」


「 心肺停止からの蘇生なら在りますね 」

「 溺れた人の蘇生ならあるっす 」



「 そこまでして召喚を続けるのは何故でしょう? 他の世界の人々に迷惑を掛けるなんて・・・・・・ 」


女王様涙ぐんでるんだが、根は良い人なんだろうか。


「 魔星が存在する限り、ソルの魔素は濃くなり続ける。 魔素が濃くなれば、動物の狂暴化とミューティションが進んで強くなるだろう(・・・)と。 だから、ここに在る魔道具なんか(・・・)を使ってソルを守って欲しいって、ここを造った人達は考えたみたいですね 」


「 そうなのですね・・・・・・ 」


女王様---泣きながらでも食べるのか、結構図太いな。



|||||



昼食後はそのまま休憩に移行、全員個室へ移動。

女王様一行は、A2-ラナの部屋で休んで貰う、ラナはいつも俺の部屋にいるから空いてるし。


やる事があるんで、〔 15:00 〕までの長目の休憩にした。




『 腫瘍の摘出完了。 0.5mm以下の腫瘍は、投薬にて完治可能です 』


「 波乱様、大丈夫ですか? 」


「 あんがとラナ。 痛くなかったし大丈夫だよ 」


修理が終わったポッドから出て床に立つ、フラつく事も無く意識もハッキリしてる。

出血も無く、痛みも無い。


あっちの世界で受けるはずだった手術を、こっちでやってしまった。

医学はこっちが進んでたので助かった。




「 波乱さん、ここに居たんですね。 ここで何を・・・・・・ 」


パタパタ足音をさせながら、白川さんが階段を下りてきた。

足音からすると、室内用のスリッパでここまで来たみたいだな。


んでも、白川さんの目は壁のモニターから離れない。

俺はここに居るんだが。


「 あの数値は何なんですか? 33日間って? 」


「 俺の生存可能日数の推定値だよ。 突発性の事故が在れば、もっと短いけどな! 」


「 ・・・・・・ 」  おじさんジョークだよ? 笑うのが優しさじゃない?



「 腫瘍は無くなったけど、魔素シンドロームで体細胞が脆くなって、衰弱死するんだと 」


「 それって! 」


「 ポッドが1台動いて無かっただろ? ポッドが足りないから、召喚された5人の内1番弱ってた俺を蘇生だけして放置したみたいだな。 ここは魔素が少ないから、凶暴化もミューティションも起こらなかったみたいだけど 」


「 酷すぎます! 」


「 マシンが、事前にプログラミングされた命令に従っただけだよ。 マシンは悪くない 」


白川さんが難しい顔になったけど、おじさんが1人いなくなるだけだ。

気にするな。


んでも、白川さんは凄いな、さすがは看護婦さん。

ひょっとして、医師より看護婦さんの方が患者の事を心配してくれてる?

大切にしよう看護婦さん運動、でも始めようか。



「 ホントに酷いよな。 勝手に喚びつけて、ホウチして罹患させるんだから 」


「 そうですよ! 」


「 こんな扱いしておいて、ソルを守ってくれってイワレテもな 」


「 波乱さん? 」



どう考えても、マモル理由が無いだろう。


向こうなら、手術が失敗しても数年はイキラレタ。

こっちで病気が完治しても、別のビョウキでノコリ33日だって。


奥歯が欠けるまで噛みしめて我慢した、ハタラキ続けた。

全ては家族のシアワセのため、自分のため。


守りたい存在をウシナッタおじさんに、何が出来るかミセテあげよう。

いや、この状態なら何もしないと全滅デキルンダヨナ。


ソルをマモレ? ヒトビトを救え? フザケないで頂こう。


 「 波乱様! 」


 「 ん? どした、ラナ? 」


ラナが、ギュッと抱き付いてきた。


 「 ラナ離してくれ。 口から何かが出る。 」  ギブ! ギブ!


 「 大丈夫ですか? 」


 「 ?? 大丈夫だよ? これからどうするか考えてただけだから 」


ラナの頭を撫でながら、事情説明。 俺は悪くない。


気付かれた点などが在りましたら、読後の感想をお待ちしています。

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