博士
初投稿となりますが、よろしくお願いします。 舞台設定を簡単に、出来る限り狭い範囲で進める予定です。 戦闘シーンや格闘シーンが苦手ですので、極力少なくしていきます。
※つたない文章の校正を、お手伝い頂きました。 本当に、ありがたい事です。
今後も、工夫しつつ読みやすい投稿を心掛けて参ります」。
・変なことに巻き込まれ、気が付いたら牢みたいな部屋の中。 魔道具を改造出来る、技術を手に入れる。 120年後の予想を聞いて軽く絶望。 召喚の魔法陣が、転移の魔法陣である事を知り、魔法陣の魔力、その出元を探ることに。
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魔法陣が少しずつ崩れ、ブロック図みたいなフローチャートに変化する。
スタートして、”受信命令” の入力確認。 これはIF文だよな。
IFなんだが、ちょっと形が変わってる。
入力が在れば、下の " 受信 " を実行と。
無ければ上に戻って入力待ちか。
んで、受信中は入力待ちループ。
”完了” の入力でエンド。
単純過ぎる。 転移元の座標も無いじゃないか。
1対1の、送信元に隷属した受信専用なのか。
最初のIFの形状も変だ、横から変な線が伸びてるし。
視点を引くと、IFから横に線が伸びてる線の先には・・・・・・、別のフロー?
そちらのフローの出元では、”受信命令の出力”になってる。
ざっと見ると、転移の発信のフローだな。
転移実行の命令は・・・・・・、別のフローから受信?
視界に色が付き始め、世界が元に戻る。
「 波乱様、お身体は大丈夫ですか? 」
「 ありがとラナ、今回は大丈夫だよ。 どこも痛くないし、血も出てないだろ。 」
ラナが、俺の体中をペタペタ触りまくってる。
本当に大丈夫か、確認してるんだろう。
眉間にしわが寄ってて、普段は見ない顔だ。
1回目はぶっ倒れて3日間寝込んだからな、安心するまで確認して頂こう。
それにしても、フローへの入力を別のフローが担当してて、その先にも別のフローか。
これではまるで。 そう、これは。
「 何かの、システムの一部なのか? 」
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「 室長? 」
「 この魔法陣は、単体では動作しない。 転送元が在って、そちらからの命令で一緒に動作するように造ってある。 」
「 そんな事まで判るんですの! 」
「 それしか判らない、だよアスター。 転移元がどこに在るのかも、魔力がどこから来てるのかも判らない。 」
中身は判かるさ、ソフトはね。 ハードの事は判らない。
俺の技術の、担当範囲外だ。
どうしてくれよう。
「 それはそうと、微かな魔力の流れが在りましたの。 」
「 魔力が、どこから来てるのか判ったのか? 」
「 床の下から来ているのですが、その先が追えませんの。 」
「 ---いいぞ。 そのまま、魔力の流れを追って行こう。 その先に、何か在るはずだ。 」
でだ、神官さん。
「 この下の部屋は、どうなってるんだ。 」
「 召喚の儀式へ出席する者の、待機室になっているかと。 」
「 よし。 みんな移動するよ。 」
受信しか出来ない魔法陣に、時間を取られてる場合じゃない。
隷属的動作しかしないんだから、調べても判ることは少ない。
3人娘が言うには、魔法陣から壁へと延びる魔力回路を見つけたと。
流れは壁にぶつかり、そのまま下へと伸びていたらしい。
んで、下の部屋の壁にも、魔力の流れが在ってそのまま下へ。
更に下の部屋の壁にも、流れがってそのまま下へ。
移動して確認、方向を確認したら移動って。
これ、かなり面倒な作業じゃないのか、疲れるし。
で、おやつタイムを挟みつつ、探索続行。
神官の連れて来た、護衛の神官はおやつ無し。 欲しければ、自分で持って来い。
王城の廊下で、テーブルセットを用意しておやつ、目立つんだろうけど気にしない。
おじさんには、鈍感力は必須なのだよ。
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途中で、魔力回路が分岐していた。
1つは通った事のある廊下へ、1つは通った事の無い廊下へ。
通ったことが在る通路へ、進むとしよう。
「 どちらへ進むかだが・・・・・・、時間的には、そろそろ帰った方が良いしな。」
「 室長、ここまで来てお帰りになるのですか! この先に、何かが待っているのですよ?」
「 そんな感じはするな。 でもな、何が在るか判らないんだから、焦っても良い事は無いよ。」
もう、[ 16:05 ] だ。 1時間近く、おやつ休憩してたんだけれども。
さて、どうしたものか。
「 波乱さん。 こんな所で何をしているんですか? 」
「 久しぶりですね、ドクター。 召喚の間に、魔力を供給している場所を探してるんですよ。 」
ドクターこそ、何やってんのこんなとこで。
「 なるほど、魔力の供給元ですか。 」
「 ええ。 どうやら、1か所からいくつかの場所へ、供給しているみたいでしてね。 ところで、ドクターは何を? 」
「 学ばなければいけない事が、色々在りましてね。 貴族の嗜み、作法、紋章も。 覚えることが沢山で、なかなか大変なんですよ。 」
「 なるほど。 」
(---王配に対して何たる態度---)
ドクターのお付の、エルフが聞こえるように小声で言ってるけど。
まだ、結婚してないよな、ドクター。
「 それはそうと。 痛み止めとか、抗生物質は造れませんかね? ケガ人が、結構いるんですよ。 」
「 痛み止めはともかく、抗生物質は造れそうですが---。 今は、手一杯でして。 」
「 なるほど。 それでは、仕方が在りませんね。 」
「 急ぎますので、これで。 」
一礼して見送った・・・・・・、様に見えただろうな。
医師は博士になっちまったよ。
この分なら、何が在ってもこちらの世界に残るって言うだろうな。
( さよなら、医師 )
今度会ったら、王配として接した方が良いだろう。
面倒だが、周りがウルサイだろうし。
これ以上命を狙われるのは、ノーサンキューだ。
気付かれた点など、読後の感想をお待ちしています。
独自の理屈を展開していますが、ファンタジーの世界観を壊さない範囲に留めているつもりです。




