日常
初投稿となりますが、よろしくお願いします。 舞台設定を簡単に、出来る限り狭い範囲で進める予定です。 戦闘シーンや格闘シーンが苦手ですので、極力少なくしていきます。
※数々のご指摘を頂きまして、ありがとうございます。 誤字脱字のみならず、設定等の情報収集不足を実感しました。
・変なことに巻き込まれ、気が付いたら牢みたいな部屋の中。 魔道具を改造出来る、技術を手に入れる。 120年後の予想を聞いて軽く絶望。 召喚の魔法陣が、転移の魔法陣だった。
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「 お早うございます、波乱様。 」
「 おはよう、ラナ。 」
レベルが上がってからは、朝の目覚めがすこぶる快調。 ダルイ感じは在るが。
これは、あれだ、召喚の魔法陣が期待外れだったから。
正直、ショックはかなり大きかった。
ゴールが見えたと思ったら、ゴールじゃ無いんだものな。
精神的ダメージは、寝てるだけじゃ治らない。
それにしても、ラナ&メイドさんズの動きが何時もと違う。
「 ラナ、何か在ったのか? みんな、動きが軽いんだが。 」
「 波乱様、今日は給与の日ですよ? 」
給与。 給料日ね。
こっちに来てから、お金を使わないんでスッカリ忘れてた。
それで、みんなフットワークが軽いのね。
「 そうなんだね。 何も聞いて無いから、気が付かなかったよ。 」
「 そうなのですか? 給与は、上役から頂く事になっていますから、今回は波乱様から頂く事になりますが。 」
「 俺から? 給与を預かってないけど、どうすれば良いんだ? 」
どうやら、財務まで取りに行くらしいんで、朝飯後に行くとしよう。
聞いて無いけどな。 んで、俺の分は無いんだろうけど。
「 おいっす。 」
「 お早うございます、波乱さん。 」
「 お早うっす。 」
「 2人とも、今日が給料日だって知ってた? 」
「 そうなんすか! 」
「 知りませんでした。 」
だよな。
仲間外れじゃなくて、おじさんはチョット安心した。
「 何でも、財務まで取りに行かなくちゃいけないらしい。 んで、手渡しだって。 」
「 誰に渡すんすか? 」
「 ラナ、メイドさん、あと研究室の3人かな。 2人とも、メイドさんに渡す事になるんじゃ無いの。 」
「 波乱様。 メイドは、メイド長から頂きます。 あっし達は、室付のメイドになっていますので、室長の波乱様から頂く事になります。 」
「 いつの間に、室付になったんだ? それも、聞いて無いんだが。 」
「 じゃあ、わたし達は取りに行かなくても、良いのね? 」
「 そうみたいだ。 」
裏方には裏方の仕事がある、目立たないけどね。
んでも、組織を動かすには、裏方の仕事も重要だとおじさんは思うんだ。
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「 こちらが、波乱様担当分になります。 」
財務室で、給与の受け取り中。 応接セットのテーブルの上には、袋が4つ。
飾り気の無い応接セットだが、節約してる感じが出てる。
「 受け取りに、サインをお願いします。 」
「 その前に、4袋の内訳を確認したいんだが。 」
ラナは金貨2枚、メイドさんズは金貨1枚。
3人娘は金貨12枚、2枚が固定で10枚が歩合。
「 少なくないか? 」
財務室で仕事をしてる、他のエルフが固まった。
賃上げ要求は、労働者の基本だと思うんだがな。 成果も出してるし。
金貨の価値が判らないが、1万円とすると各々の給料は2万、1万、12万。
10万円なら20万,10万,120万か。
なんだか、バラバラで判らん。
「 済まないが、金貨1枚の価値を教えてくれないか。 」
説明してもらったんだが、金貨一枚の価値は良く判らんかった。
銀貨5枚で、1泊2食付で個室での宿泊が可能と。 5000円位なのか、銀貨5枚。
銀貨100枚で金貨1枚だから、金貨1枚は10万円か。
ラナが、ギリギリ生活出来る位で、月10万円のメイドさんは厳しいだろう。
給与は、役職で固定されていて査定なんかで差は付かない。
その代わり、貢献度に応じた褒章は、その都度ご褒美として渡す必要が在ると。
パソコンが無い世界だから、個人毎に計算しなくて良い、単純で判りやすいシステムだ。
上司に見る目が在れば、だが。
聴く事聴いたら、即座に撤収。
あんまり長居すると、給与を受け取りに来た他のエルフに迷惑が掛かる。
もう、待たせてたみたいだけどな。
「 ラナ。 ちょっと、厳重過ぎじゃないか。 」
ラナとメイドさんズには、護身用にライトアローの魔道具を渡してある。
手の平に装着するタイプと、ペンダントタイプの2種類。
手の平タイプは出力を半分に、ペンダントタイプは100倍に改造済み。
手の平タイプは、あれだ。 とある、映画を参考にしてる。
でだ、ラナとメイドさんズは、手の平タイプを付け始めた。
「 万が一が在ると、大変ですから。 」
気持ちは、判らんでも無いんだが。
部屋に戻ると、3人娘が作業を始めてた。
「「「 お早うございます、室長。 」」」
「 お早う。 早速だけど、給与を渡しておこう。 」
まずラナ、と思ったら3人娘が先だって注意された。
明確な序列が在るんだと。
「 君たちの給与は、他と少し違う。 固定分と、魔道具の売り上げに連動した成果給の、合計額になっている。 毎月、同じ額にはならないのでそのつもりでね。 」
「「「 はい。 」」」
それぞれに、袋を渡す。
3人とも同額だから、どの袋を渡しても同じ。 地味だが、楽な方法がここでも活きてる。
ラナとメイドさんズには、袋から取りだした金貨を手渡し。
子供に、お小遣いをあげてるみたいで、懐かしい。
ラナ&メイドさんズは、受け取った金貨を各々の方法で収納。
財布は、持ち歩かないそうだ。
後ろでは、3人娘が固まってるけど。
収納場所で、一番多かったのはスカートの裏に仕込んだポケット。
大小幾つも在り、流石に全部を見せてはくれなかったが、落ちない様にボタンでフタが閉まる親切設計。
スカートを捲り上げる必要があるが、ここでは誰も気にしない。
嬉しい様な、悲しい様な。
問題は、見せて貰えなかったポケットに入っている物。
危ない物は、無いんだろうな?
ちなみに、胸の谷間にしまう子は居なかった。
存在しない場所にしまう事は出来ないからな、賢明な判断だ。
気付かれた点など、読後の感想をお待ちしています。
独自の理屈を展開していますが、ファンタジーの世界観を壊さない範囲に留めているつもりです。




