何処かには在るでしょ
初投稿となりますが、よろしくお願いします。 舞台設定を簡単に、出来る限り狭い範囲で進める予定です。 戦闘シーンや格闘シーンが苦手ですので、極力少なくしていきます。 ※投稿方法を勘違いしていましたので、修正しました。
・変なことに巻き込まれ、気が付いたら牢みたいな部屋の中。 魔道具の改造で、新しい技術を手に入れる。 壮行会でのあれこれのご褒美に、魔道具と研究室を頂いたのだが、まだ未稼働。 まだ体調不良なのに働くことに。 遠征組は、まだ帰還せず。
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「 何も書いて在りませんでしたが? 」
俺の質問に対する、お使いから帰ってきたアスターの答えだ。
模写した手引書、その原本の表紙や背表紙に何か書かれていなかったか、と聞いたんだが。
答えはノーだった。
その前の手引書も、前も前も全て書かれていなかったそうだ。
どう見ても初心者用のだったんで、中級や上級が在ると思ったんだが。
魔道具師歴が400年在るハイエルフでも、使ってる手引書は同じだと。
「 ラナ、コーヒーを貰えるかな。 」
「 はい。 波乱様。 」
どう言うことだ。 初心者用しか無いなんてことは、無いはずだ。
一服して落ち着こう。
「 それで、書かれていないと何か不味いんですか? 」
「 表紙や背表紙が無いと、本を探すのにムダな時間が掛かる。 だから、入っているはずなんだが。 」
「 手引書は、1冊しか在りませんのよ。 探す必要在りますの? 」
「 図書室に行ったこと在るだろ。 読みたい本を探す時、どうやって探す? 」
「 ですから、手引書は1冊なんですのよ! 」 そう言ってもな縦ロールさんや。
「 あの手引書は、明らかに初心者用、入門編だ。 中級や上級が必ず在るよ。 」
新入社員用の、研修マニュアルにそっくりなんだよ。
おじさんも作ったことが在るからな、研修マニュアル。
「 ・・・・・・。 」
「 ・・・・・・あの、昔は在ったと聞いた事が在りますが。 」
「 それは、誰から聞いたのかな、メアリ。 」
「 う~ん。 それが、思い出せないんです。 」
「 王家や貴族が、秘蔵してる可能性は無いのか。 自宅に持って無いのかね、他の本。 」
「「「 在りません(わ)。 」」」
無いと言われて、それをそのまま信じられるほど、優しい世界で生きてきた訳じゃ無い。
在ったって判ったんだ、探して見せるさ。
「 買い出しお疲れ様。 今日は、これで終わりにしよう。 」
「「「 お疲れ様でした。 」」」
「 はい、お疲れさん。 」
3人に頼んだお使いは、魔道具の基礎となる魔法陣を作成するための材料。
インク、インク壺、ペン、板、作業用の机セットを3セットと、あとオマケ。
明日、直接納品され請求は王宮へのツケ払い、金貨要らなかったな。
ほら、余分な作業で、今日も休めなかったじゃん。
技術系のおじさんは、よく貧乏クジを引く。 気が付くと1人でただ働き。
生まれ変わったら、今度は公務員になりたい。
公務員なら、物理法則や法律を無視する上司は居ないだろ、流石に。
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夕食後の一服、やっとゆっくり休める。 もう1日が終わるのが、何か悲しい。
昔は在った、魔道具製作の為の手引書、その上級が必要だ。
昔は在ったのなら、昔の人に聞けばいい。 エルフでも良いけど、当ては在る。
並行して、無くなった理由も確認しておこう。
折角手に入れても、また無くしたら意味が無いし。
「 それにしても、このケーキは美味しいな。 」
「 はい。 波乱様。 」
ラナもメイドさんズも、喜んでる。
3人娘のお土産、流石は貴族様だ。 美味しい店を知ってるな。
掛かった費用については、考えない事にしよう。 予算はまだある。
一服後、メイドさんズが帰ってから、魔道具の検討開始。
ラナと一緒に、地下室から持ってきた上水道菅と排水管を調べる。
上水道菅の方が細く内径φ10×80cm位、排水管は内径φ30×60cm位か。
肉厚は、上水道の方が厚くなってる。
部屋より上にあるタンクから、水を引いてるんで、圧力が掛かるから厚くなってるんだと。
「 ソリは、ほぼ無いな。 」
机の上でコロコロ転がして確認、内部を測定するのは無理だ、計測器が無い。
強度のバラツキは、それほど心配していない。
剣や鎧を造ってるんだし、大丈夫だろ。
問題は、
「 どこまで、圧力に耐えられるか、なんだが。 ・・・・・・やってみるしかないか。」
「 は△ん#ぐま。 」
ラナさんや。 口に入れ過ぎだ、何言ってるか判らん。
「 ラナ。 食べ終わってからで良いから、ユックリ食べなさい。 」
「 うをぃ。 」 多分はい、だな。
空気銃、当面の目標は、盾と鎧の貫通。 出来れば、100mは射程が欲しい。
風速50m/sを20cmの魔法陣で出して、1cmの水道管に入れられれば。
計算上はマッハ3弱か、無理だな。 10cmだったら、可能性あるのか。
弾も考えないと。
色々、やることが増えそうだ。 楽しみだ。
気が付かれた点など在りましたら、読後の感想をお待ちしています。




