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day 26-1   遠い復活

初投稿となりますので、よろしくお願いします。 舞台設定を簡単に、出来る限り狭い範囲で進める予定です。 戦闘シーンや格闘シーンが苦手ですので、極力少なくしていきます。 ※誤字・誤記等を一括修正修正しました。



・変なことに巻き込まれ、気が付いたら牢みたいな部屋の中。 魔道具の改造で、新しい技術を手に入れる。 いつの間にか命を狙われ、命が危ないらしいんで、ラナを専属護衛にしてもらった。  壮行会の準備は順調だったのだが、気が付かないうちに倒れたらしい。



|||||



目覚めは快調だ。 3日間寝ていたのに、ぐっすり眠れた。

感じている以上に、疲れていたか。 週休2日に、慣れ過ぎだな。 



ベランダで一服、そう言えば強い風が吹いたことは一度も無いな。

対空結界は、魔物や虫以外も防いでいるのか。




 「 波乱様、どうでしょうか? 」


 「 青が涼しげで、良い感じだよ。 」


そろそろ夏本番なのか、ラナが衣替えをするようだ。 新しいメイド服を、お披露目してくれた。

黒が多目だったメイド服から、白が多目になった。 カチューシャ? が青、スカイブルーだな、が良い感じ。 ぴちぴち気味だったサイズも、合わせてある。 少し大きめに出来てるし、注文通りだ。


椅子から立って、屈伸運動。 立ちくらみは無い。 多少関節が痛いのは、おじさんの勲章だ。 何十年も働けば、どこかしら痛くもなるさ。 


ラナの着替えが終わったんで、ドアの前に移動。 魔道具の反応は・・・・・・ドアの横、壁を隔てた廊下に5つ。 携帯魔石灯が、綺麗に並んでる。 護衛のメイドさん達だろう。


それ以外は反応無し、っと。


 「 波乱様! 」


立ちくらみだ、鼻血も出たか。 ラナから、ポーションを受け取って飲み干す。

鼻血は止まったが、血の跡は残るな。 顔を洗ったほうが、良さそうだ。

洗面台の鏡には、目を充血させ、目の下に隈が在る顔が写ってる。

体が重い、今日はゆっくり休みたい。


んでも、護衛のメイドさん達には、なんて言おうか。 断ったら、涙目になるかな。

そのまま帰ったら、主人に嫌味を言われるのかな、気が重い。


 「 お早うございます、波乱様。 アリウム様のお部屋までご一緒致します。 」


あ~、やっぱしベッドにUターンしちゃ駄目かな。

食堂に寄って、ドクターに体調を伝えておこう。 アリウムの部屋に行くのは、その後だな。



|||||



 「 大変だったわね波乱。 もう、体調は良いのかしら? 」


こちらのメイドさんも、衣替え済みだな。 カチューシャ? は白だが。



 「 体調は悪いな。 MPは、しばらく使えない。 」


おい、何で困った顔するんだ。 しばらく、MPは使わないぞ。

脳内出血は、ノーサンキューだ。



 「 食事にしましょう。 栄養が付くものを用意したのよ。 」


無理に話題を変えるな。 後ろにある、大きな箱はなんだ。


 「 食事はいいから、状況を教えてくれ。 」



アリウムが、3日間の出来事を説明してくれる。 ざっくりまとめると。

 ・シャンデリアの改造は上手く行った。

 ・舞踏場へ全魔道具設置済み。 試運転も済んで問題無し、冷房は冷え過ぎなほど効く。

 ・お土産は準備が完了。

 ・壮行会兼舞踏会に参加する貴族も、早い人は王都に到着している。

 ・冷房と照明は、それなりに話題になってる。


んでも、スポットライトの件で、王様からクレームが入った。

青色は身分の低い者が使う色だから、使うなと。 赤,青,緑は、光の3原色なんだが---、説明するのが面倒だ。 赤,桃色,緑の3色に変更を指示する。 しんどいな。


 「 他には? 」


 「 ・・・・・・波乱は、気にならないの? 」


 「 服の色か? 服の色を変えただけで、身分が変わるのか? この国では。 」


 「 それは無いわ。 」


 「 じゃ、服の色に興味は無い。 気に入った色の服を着るさ。 で、他には? 」


宇宙飛行士になって、スカイブルーのジャンプスーツを着たかったんだよ、おじさんは。

青は正義。 もう、ベッドで横になりたい。



 「 ・・・・・・ 」


 「 んじゃ、部屋に戻って休むよ。 しばらく、身体を休めないと。 」


ソファーから立ち上がる。


 「 波乱、少しで良いから改造をして欲しいの。 」



ソファに座り直す。 身体が重いな。

ラナに、懐中魔石灯を借りる。 多分、これやったらもっと体調悪くなるよな。

んでも、やって見せないと納得しないよな。


 「 魔道具解析。 」


普段は、黙ってやるんだが。 あえて口にする。

平衡感覚が無くなり、視界が赤く染まる。 鼻血も出てるな。



 「 ちょっとでも、MPを使うとこうなる。 改造なんてしたら、どうなるか。 」


 「 判ってるわ。 だから、少しでも・・・・・・。 」  いやいや、判って無いだろ。



 「 いいか、アリウム。 」   指折り数えながら、ユックリ説明する。


 「 今改造したら、最高に上手くいっても、数日間は寝込む。 頭の血管が破れたら、死ぬまで目覚めない。 魔道具改造の技術が、戻らない可能性が在る。 んで、最悪だと死ぬ。 」


 「 判ってるわ。 でも、今回だけお願い。」


判ってて言ってるのか、さすがは御貴族様だな。




 「 普段なら、全力でアリウムに協力するよ。 今は無理だ。 やらないんじゃ無くて、出来ないんだ。 」


 「 でも、この 『 1週間位待たせろ、命を掛けてやる仕事じゃ無い。 』 」


 「 それじゃあ、間に合わないの。 舞踏会までに揃えないと、あと3日しか無いのよ。 」



知らんよ。 そろそろ、体が限界だ。 


 「 ラナ。 ドクターか白川さんの所に、運んでくれるか。 」


 「 はい、波乱様。 」


って、脇に抱えられた。 床が近いけど、後は任せた。



|||||



 「 波乱さん、どうしたんですか? 」


 「 ・・・・・・ドクター、ヒールを下さい。 」


 「 ヒール! 」  あら、白川さんありがと。



 「 何が在ったんですか? 」


事情を説明して、そのまま訓練場の片隅で横になって休憩。 枕は要らん! 大地からエネルギーを貰うんだ。 無理だけど。

ヒールは、それほど効かなかった。 んでも、気分は多少良くなった。 代わりに、クリスさんの顔色が真っ青になった。 


 「 ドクター、しばらく休んだ方が良いですよね。 」


 「 絶対安静です、部屋から出ないように! 」


お墨付きを頂いた。 2、3日ユックリ休むとしよう。

さぁ部屋に帰ろうかラナ、今度は少しユックリで頼む。



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