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インターミッション day X   工作員 リナ

初投稿となりますので、よろしくお願いします。 舞台設定を簡単に、出来る限り狭い範囲で進める予定です。 戦闘シーンや格闘シーンが苦手ですので、極力少なくしていきます。 ※誤字・誤記等を一括修正修正しました。



私はリナ、工作員(エージェント) リナ。


ある日、メイド仲間が騒いでいました。

あの男のことです。


 「 夜中に部屋着で食堂に来た 」

考えられません。

部屋着でうろつくなんて、どんな教育を受けたんでしょう。


変人の服は、城内で最も低い身分の着る服、青色を多く使っている。

国王様や女王様は、もちろん赤。

気にならないんでしょうか。


 「 灯りの魔道具を持って歩いて来た 」

灯りの魔道具、あれは机で仕事をするための物です。

それを持って歩くなんて。


夜中に、部屋着で、灯りの魔道具を持って廊下を歩く。

変人です、やっぱり変人です。

要注意の変人と、報告しておきましょう。


早く、姉を専属から外してもらわないと。




私はリナ、工作員(エージェント) リナ。


このごろ、姉の膝の傷が無くなりました。

姉は半エルフ、夜目が効かないので、夜番の時に転びます。


「 波乱様に、懐中魔石灯を頂いたの。 これが在れば、転ばないわ。 」

懐中魔石灯? 聞いたことが在りません。


姉は、小さな筒を取り出し、廊下の暗がりに向けます。

・・・・・・明るいですね。

これが、メイドの間で噂になっている、転ばなくなる魔道具ですか。


 「 うっ。 」 姉が苦しみ始めました。


 「 姉さん、どうしたの? 」

駆け寄った私が見たのは、姉の姿をした何か。




私はリナ、工作員(エージェント) リナ。


 「 リ~ナ~。 」

姉さんの姿をした何かが、近づいてきます。

初めて見る魔物です。


 「 リ~ナ~。 」

反撃、反撃しないと。 でも、脚に力が入りません。


 「 リ~~~ナ~~~。 」

 「 キャ------。 」


 「 私よ、リナ。 」

姉さんでした。 全身の力が抜けました。


 「 驚いた? 波乱様に教わったの! 」

姉は手に持った懐中魔石灯を、顔の下から照らします。

そこには、先ほどの魔物が。


 「 面白いでしょ! 」

面白くなんかありません。

早く、下着とスカートを着替えないと。


それにしても、変人はなんてことを教えているんでしょう。





私はリナ、工作員(エージェント) リナ。


夜の城内で、メイドの悲鳴が聞こえるようになりました。

衛兵さんの悲鳴も在ったとか。


懐中魔石灯のいたずら、マーガレット様が禁止令を出しました。

当たり前です。 洗濯物が増えすぎです。


それにしても、メイドに配られた懐中魔石灯、姉が持ってた物より

暗いのですが、なぜでしょう。




私はリナ、工作員(エージェント) リナ。


メイドの間では、色んな噂が流れます。


変人は、メイドには優しいと聞きました。

どうでもいい話なので、聞き流します。


姉と私の前のご主人、反国王派だと聞きました。

反国王派が、国のためにメイドを差し出す。

意味が判りません。


メイドに配られた懐中魔石灯、前の主人が国に献上したとか。

変人が作った物より、暗いんですが。

ちゃんとした魔道具師すら、召し抱えて居ないんですね。

離れられて、ほんとに良かった。




私はリナ、工作員(エージェント) リナ。


姉と私が来る前に亡くなられた、先輩メイドの2人。

2人とも、国王派の、有力貴族の御令嬢だと聞きました。

召喚者が、手に掛けたとか。


姉と私は、その代わりだと。

私達に、貴族の代わりは出来ないと思うのですが。


召喚者に始末させて、その責任で国王を追求するつもりでしょうか。

姉は半エルフ、私はハーエルフ、メイドとしての価値は低い。

あまり、良い案ではありませんね。


城内ですから、それほど危険は無いでしょう。

一応、気をつけておきましょう。




私はリナ、工作員(エージェント) リナ。


聖女様と、賢者様、聖騎士様は、日々鍛錬に励んでいらっしゃいます。

"召喚者は成長が早い" 騎士団長様が仰っていました。


それなのに変人は!

と、思っていたら、冷房とか言う魔道具を、国王に献上したとか。

国王は大変気に入り、舞踏場へ置くよう指示を出したそうです。

召喚者様達の壮行会はすぐです、間に合うんでしょうか。


それにしても、冷房は快適ですね。



|||||



とある国のとある部屋での会話



 「 局長、工作員 リナから連絡です。 異世界人は、国王派の令嬢2人を殺害した模様。 詳細はこちらの報告書に。 」



 「 国王派の令嬢2人が、異世界人に殺害されたか。 」


 「 はい。 ラナとリナは、その代わりを務めているようです。 」


 「 殺害された令嬢家の動向は? 国王派から離反する様子は無いのか。 」


 「 情報はありません、引き続き情報収集に努めます。 」



 「 それで、2人が殺害される可能性は、どの程度在るんだ? 」


 「 ほぼ、無いと考えています。 」


 「 その根拠は? 」


 「 貴族令嬢を殺害した異世界人は、投獄済み。 2人は、別の異世界人の専属となっています。 」



 「 2人とも、任務の継続は可能だと。 」 


 「 はい。 2人の担当する異世界人は、温厚で問題はないと。 ただ・・・・・・ 」



 「 ん? 」


 「 リナが付いた異世界人は、" 変人 " との報告が。 」


 「 ほう。 変人か。 」



 「 ディストピアの王都で、魔道具の製造に携わっているとのことです。 」


 「 王都で魔道具? あそこは、魔力が濃い。 魔道具に頼らなくても、問題無いはずだ。 」


 「 はい。 魔道具は、魔力の薄い他の国でこそ役立ちます。 」



 「 何を考えてるんだ、その異世界人は。 」


 「 引き続き、調査させます。 」




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