day 13-1 魔道具探知器
初投稿となりますが、よろしくお願いします。 舞台設定を簡単に、出来る限り狭い範囲で進める予定です。 戦闘シーンや格闘シーンが苦手ですので、極力少なくしていきます。 ※投稿方法を勘違いしていましたので、修正しました。
・変なことに巻き込まれ、気が付いたら牢みたいな部屋の中。 何とか出所して3人に再会。 最後の1人は犯罪者になった。 紹介された魔道具師、元第1王女 アリウムと共に、灯りネットワークの試験は上手くいったが、ドクター達との力の差は開くばかり。
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翌朝、食堂には2人の姿が無かった。 二日酔いだそうだ。
居ないのは、白川さんと河原くんの2人。 さすが賢者、健康管理も完璧だ。
その替わり、アリウムのメイドさんが迎えに来てた。 朝食後、そのまま連行される。
食後の一服プリーズ。
「 照明の配置なんだけど、これでどうかしら 」
どうかしら、って言われても。
ソファの前の机に広げられた、寸法不明、縮尺不明の図面、、、図面だよな?
四角の中に、いくつもの丸。 真ん中に大型の丸印。
「 これ、何 」
「 舞踏場の図面よ。 もうじき使うから、それまでに仕上げろって、お父様が 」
見難いな、四角と丸だけじゃん。 四角が部屋で、丸が照明の位置か。 柱は何処だ。
使う予定は、ドクター達の壮行会。 少し、状況が動き始めたな。
でだ、壮行会 = 往く人を送る会 = 私はお留守番 = 裏方ね。 了解。
「 お父様って、国王のことか 」
「 何言ってるの、当たり前でしょ 」
だよね。 国王公認の裏方、理解した。 んじゃ、真面目にやらないとな。
舞踏場中央にある、王国自慢のシャンデリアに棒を設置。 壁際に補助照明を追加。
補助照明は、今も在るらしいけど、シャンデリアを消すとかなり暗くなると。
だから追加。 真っ暗だと、会話も食事も出来ない。
棒の末端の設置位置は、柱の場所が判らないためお任せ。
あと、壁面あるキャットウォークに、スポットライトを3個追加。 色も付ける予定。
王族のペアが単独で踊る時は、暗くしてスポット。
かなり目立つから、充分満足して頂けるだろう。
寸法が判らないんで、大体で記入。 アリウムは、紙の端にサインをしてメイドさんに渡してた。
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一服しても良いって言うんで、食後の一服とお茶。 ラナがタバコを持っててくれた。
ラナは気がきく良い子だ、150才だけど。
アリウムが、自作の魔道具を紹介してくれた。 まぁ、あれだ。 創った人に似てる。
その1 : 扇風機 ( 近くに寄らないと風が届かない、最初に貰ったやつだ )
その2 : 卓上コンロ ( こちらでは卓上で料理しないらしい )
その3 : 何でも凍らせる冷蔵庫 ( 冷凍庫だろ )
その4 : 器まで削り取るハンドミキサーもどき ( 器を削ってどうする )
その5 : 髪の毛を焼切るヘアアイロン ( ウェーブ付けるんじゃないのか )
色々在った、色々在ったが。 実用性は無いと思う、製作者と同じ残念な物ばかり。
それとこれ、召喚者の情報を基にして創っているんじゃないのか。
「 これが一番の自信作! 魔道具発見器よ! 」
箱だね、箱。 好きだね箱。
「 これはね、半径1m以内にある魔道具を調べられるのよ 」
「 1m、使い方によっては、ギリ使えるか 」
「 でしょ、でしょ。 誰も判ってくれないのよ 」
「 2つ組み合わせば、いけるか 」
魔道具発見器、動作させると圏内に在る魔道具が、オレンジ色に光る。 ポケットに入れてあっても、厚い服の上からでも光は見える。 魔法の光だからな。
防犯ゲートを説明する。 城の重要区域には、武器の持ち込み禁止。 入り口で預かるんだそうだ。 でも魔道具はスルー、それを防止できる。
室内で、盗聴器の発見にも有効だ。 1mだから、かなり歩き回る必要在るけど。
ダンジョンで、お宝探しにも使えるな。 高いところは無理か。
でも、1mはさすがに狭い。 検討の余地在りだな。
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「 じゃあ、始めるわよ 」
灯りの魔道具を、魔法陣と魔石だけに分解。 明るさを変更した時の、魔力の流れをアリウムに確認してもらう。 私は、魔法使えないからな。
明るく、暗く、消灯。 明るく、暗く、消灯。 明るく、暗く、消灯。
「 3回繰り返したけど 」
「 ん~。 この辺り? 今度は、明るくと暗くだけで、やってみて 」
明るく、暗く。 明るく、暗く。 明るく、暗く。
「 3回繰り返したぞ 」
「 やっぱり、ここね。 魔石から、魔法陣に繋がるとこ 」
ほほう。
「 暗くなる時は、魔力が減っているんだけど。 おかしいわね 」
なにが。
「 普通は、魔力が減ると点かなくなるのに 」
「 そうなんだ。 じゃあ、小さすぎる魔石だと、点かない? 」
「 そうよ 」
引きだしから箱を出す、中には魔石が一杯。 小さ目の魔石を、工具を使って魔法陣に取り付ける。
「 見てて 」 はいはい。
「 ・・・・・・ 」 どした。
「 ね 」 何が。
「 点かないでしょ 」
「 点かないね 」
「 こうなるのよ 」
そうなんだ。
アリウムが言うには、流れる魔力の量が減っている。 点かないはずなのに、点くと。
暗く、暗く、暗く。 点かないね。
「 波乱、何やってるの? 」
「 消えている状態から、 "暗く" 点けようとしたら、点かなかった 」
「 あら、そうなの 」
そうなんだよ。 暗く、暗く、暗く・・・・・・
最初に点けてから、暗くしないと点かない。
暗く、暗く、暗く・・・・・
どこかで聞いた気がするが。 どこだったかな~。
暗く、暗く、暗く・・・・
点けてから、暗く、集中出来てないな。
暗く、暗く、 思い出した。
「 酸素魚雷だ。 良かった、思い出した 」
何とか効果のお蔭か、頭がスッキリだ。
おじさんは、シナプスの働きが鈍くなるので、思い出すには多少の時間が必要だ。
第二次大戦中に、日本海軍 "のみ" が開発出来た、魚雷の理想形。
酸素濃度が濃い状態での起動は、時として爆発を引き起こした。
他国が諦める中、日本海軍は薄い濃度で起動。 徐々に酸素濃度を高めることで、酸素100%の動作に成功。
だったはずだ。
「 見て! 波乱! 魔法陣に! 」
アリウムの指し示す先には、少し形を変えた魔法陣が在った。
気が付かれた点など在りましたら、読後の感想と評価をお願いします。